【BFC18】フィリョ、案の定欠場。注目のフェザー級準決勝
13日(木・現地時間)、ルイジアナ州モンロー・シビックセンターで開催されるベラトールFC18の公開計量が、12日(水・同)に行なわれた。当初の予定では今大会のメインでBFC世界ミドル級王者ヘクター・ロンバードが、元WEC世界ミドル級王者パウロ・フィリョと対戦予定だったが、11日(火・同)に欠場が正式発表され、ロンバードはUFCベテランのジェイ・シウバと対戦することが決まっている。
【写真】まるでブラジルのガウショのようなたたずまいのパトリシオ・ピッチブル。実力未知数なだけ不気味だが、テイクダウン~バスガード~マウント奪取というベーシックに強いウィルソン・ヘイスを相手に、どのように戦うのか (C) KEITH MILLS
昨年6月にBFC世界王座に就いて以来、国籍を持つオーストラリアのシドニーでカリブ・スターン戦など2試合を経験、フロリダで行なわれたGフォース・ファイトでの勝利も含め、BFC以外で3試合をこなしてきた王者ロンバード。
11カ月ぶりとなる王者の凱旋が、フィリョとのノンタイトル戦ということで多くの注目を集めていたが、実際のところその実現は疑問視されていた。08年3月のWEC王座防衛戦を薬物依存症のリハビリのため延期、同年11月には計量を失敗しノンタイトル戦となりチェール・ソネンに敗北を喫し、現代のヒクソン・グレイシーと謳われたファイターの評判は、急坂を転がり落ちるように下落していった。
昨年10月、DREAMのユン・ドンシク戦、今年の3月にはビテッチ・コンバットでの佐々木有生戦と不可解なドタキャンが続き、今回のロンバード戦に関しても、ビザ取得不可能という懸念が付きまとっていた。
BFCビヨン・レブニー代表も、「フィリョの代役は用意している」と早々に発言するなど、ロンバード戦が行なわれる可能性はほぼないことを内外に知らしめつつ、一縷の望みを持ち、実現に努力を続けた。とはいえ、欠場の正式発表が大会前々日というのは、誠実な姿勢を示したとはいえない。
リリースでも、ジェイ・シウバの代役出場の公式アナウンスのみで、フィリョ欠場の理由が語られることなく、「実現するために努力した」という説明では、チケットを購入したファンも納得できないだろう。
キャリア5勝1敗からUFC出場を果たし、CB・ダラウェー、クリス・レーベンと連敗を喫してリリースされたシウバがロンバードと対戦するノンタイトル戦よりも、熱戦が続くフェザー級トーナメント準決勝2試合=ジョー・ウォーレン×ジョージ・カラキャニャン、パトリシオ・ピッチブル×ウィルソン・ヘイスの2試合が楽しみな今大会となった。
そのフェザー級トーナメント準決勝、MMA体験学習中のウォーレンは、カリフォルニア・グラップリングの最先端をいきつつ、バオ・クァーチをKOする打撃を持つカラキャニャンを相手にどう戦うのか。打撃の攻防も見ものだが、ウォーレンのテイクダウン後のカラキャニャンの動きに注目だ。
もう一つの準決勝、ピッチブルとヘイスのブラジリアン対決はピッチブルがどこまでの実力を持つのかが、まだ見えてこない分、予想が難しい。
初戦のウィリアム・ロメロ戦こそ、ヒールフックで圧勝しているが、寝技になると、コンサバMMA柔術を見せるヘイスに通用するのか。また、フライング二―やハイキックでKO勝ちをしている打撃はほとんど見せておらず、フック系のパンチを振り回すヘイスに対し、スタンドの打撃で勝機を見いだせるのか。さらにはテイクダウン・ディフェンスがどれだけのものかも見せていないピッチブル。良くいえば実力未知数なだけに、不気味な存在といえるだろう。
■BFC18 主な計量結果
<190ポンド契約/5分3R>
ヘクター・ロンバード:187.1ポンド(84.87キロ)
ジェイ・シウバ:190.9ポンド(86.59キロ)
<フェザー級トーナメント準決勝/5分3R>
ウィルソン・ヘイス:144.8ポンド(65.68キロ)
パトリシオ・ピッチブル:144.4ポンド(65.5キロ)
<フェザー級トーナメント準決勝/5分3R>
ジョージ・カラキャニャン:145.9ポンド(66.18キロ)
ジョー・ウォーレン:144.8ポンド(65.68キロ)