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【BFC18】ジョー・ウォーレンをWECでキャッチ!!

Warren4月24日(土・現地時間)、WEC初のPPVイベントが行なわれたサクラメントで、日本のファンに馴染みのジョー・ウォーレンの姿を見ることができた。

昨年、DREAMで開催されたフェザー級GPで準決勝進出を果たし、現在ベラトールFCフェザー級トーナメントに出場中のウォーレン。なぜ、16日(木・同)にトーナメント準決勝を控えた彼が、サクラメントに姿を見せたのか。ウォーレンにショートインタビューを試みた。強靭なフィジカルの持ち主は、同時に繊細なフィーリングを持ち合わせるスーパーアスリートだった。
【写真】余裕しゃくしゃく、度胸が据わったジョー・ウォーレンは興味深いケージ論を語ってくれた (C) MMAPLANET

――昨年のDREAMフェザー級GPでMMAデビューを飾り、錚々たるメンバーのなかで準決勝戦進出を果たしたジョー・ウォーレン選手ですが、今年は日本でなく米国のベラトールFCフェザー級トーナメントに出場しています。北米を選択した理由は何だったのですか。

「ベラトールを選択したとはいっても、今年も日本で3試合ほど戦う予定でいるからね。ただ、時間があるなら、自分の家族が住んでいる米国でも戦ってみたいと思っていたんだ。ベラトールと話し合う席を設け、彼らはDREAMで戦うことを了解してくれたから、トーナメントに出場することにしたんだ。

僕はもっとMMAで実戦を経験して、MMAを理解しないといけない。できるだけ数多くの試合をこなしたいんだ。5カ月間以上もブランクが空くのは避けたかった」


――ベラトールのトーナメントが終わり、優勝すればジョー・ソトの持つBFC世界フェザー級王座に挑戦することになります。その挑戦以降、日本で試合をするということですか。

「その通り、いや、トーナメントが6月に終わるから7月にでも日本で戦いたいと思っている。もっとMMAを知る必要があるからね。できればビビアーノ(・フェルナンデス)と再戦がしたいね。それから11月、12月とDREAMで試合をするつもりでいるよ。あと、8月にベラトールだね。もちろん、その前に13日のジョージ・カラキャニャンに勝ち、決勝戦でも勝つ必要があるけど、狙いは8月の王座挑戦だよ」

――そのトーナメントですが、BFCシーズン2で開かれている4階級のなかでフェザー級は最も粒揃いのファイターが揃っています。

「トーナメントの顔触れよりも、僕にとって最も厄介なのはウェイトだよ。参加者なので、一番小さいからね。63kgで戦っているのは僕ぐらいだろう。60kgでも戦えるからね。クォーターファイナルの相手(エリック・マリオット)は、3kgは僕より重かったよ」

Warren2【写真】4月8日(木・同)に行なわれたBFCフェザー級トーナメント初戦で、エリック・マリオットに3-0の判定で下した (C) KEITH MILLS

――そんな体格差を感じさせないフィジカルの強さをウォーレン選手は持っているように感じました。

「う~ん、でも、このスポーツでの経験が僕には足りないことは確かだ。まだ、手探り状態で戦っている。腕十字、三角絞めを仕掛けられ、たまったもんじゃなかったよ。試合を通して、MMAへの理解を深めている。1日、1日、成長している手ごたえは感じているけどね。だから、次の試合、楽しみにしてほしい」

――なるほど。ところで、ここWECのサクラメント大会を訪れているのは、ユライア・フェイバー選手の応援ということですが。

「これから2週間、ユライアの所属するアルティメット・フィットネスで練習する予定なんだ。これまでも、今日、試合をするスコット・ヨルゲンセンと合流して練習してきた。ヨルゲンセンとは協力しあってトレーニングを続けているんだ。こないだ、デンバーに自分のジムをオープンしたばかりで、今月は忙しすぎて目が回りそうだったよ(笑)」

――このWECサクラメント大会に姿を現したということで、WECへリクルート活動を行なっているのかと、うがった見方をしてしまっていました(笑)。

「僕は日本で戦うことを楽しんでいる。大きなイベントだし、ファンも歓迎してくれる。彼らが満足できるファイトを心掛けている。BFCはDREAMより規模が小さくて、よりTV中継のフォーマットに則ったイベントだ。まだ歴史も浅い。ただ、BFCのトーナメント方式は、僕を成長させてくれる。成長に役立つ、昨年のDREAMで経験したことと同じだ。今、僕はベラトールとDREAMの頂点に立つことを最優先事項としている。二つのベルトが欲しんだ。

まぁ、いつの日かWECの連中も蹴散らしてみせるよ(笑)。うん、今はとにかくDREAMのベルトを巻きたい。毎朝、そう自分に言いきかせている。ビビアーノ戦の敗北を払拭したいんだ」

――つまりウォーレン選手の予定通りコトが運べば、今年の終わりにはDREAMとベラトール、二つのベルトを手にしたウォーレン選手の雄姿が見られるということですね。

「その通り、期待してくれよ(笑)。そのために、ハードトレーニングを積んでいるんだ。二つのベルトを手にして、2011年はMMAを半年ほど休み、オリンピックを目指す」

――2012のロンドン五輪、レスリング米国代表を目指すということですか?

「Why not ?(当然だよ)。子供もできたし、歳も取っている。だからこそ、一つ一つの試合に勝っていかないといけない」

――レスリングで五輪代表を今も狙っていることは、正直驚きました。ところで、そのレスリングがベースにあるファイターはケージで戦いやすいという意見が多いですが、リングでMMAデビューを果たしたウォーレン選手にとって、ベラトールのサークル・ケージはDREAMのリングよりも居心地が良いものなのでしょうか。

「どっちも勉強中だよ。ただ、君の言っている通り、リングでMMAのキャリアをスタートさせたから、ずっとリングを想定した練習をしてきたんだ。今、ケージという場を勉強している途中さ。柔術ファイターは金網を蹴って、ヒップエスケープを使えるから、レスラーが有利だとは一概には言えないと思う。僕らはケージを立ち上がることに使うけど、彼らはえびに利用する。もちろん、ケージはレスラーにとって戦いやすい場なんだろうけど、僕はまだ、それを知るために学習している途中でしかない」

――トップ・アスリートのウォーレン選手らしい、リングとケージの違いを伺うことができました。今日はありがとうございました。

「日本のファンには、すぐに日本に戻ってビビアーノをぶっ飛ばすと伝えてほしい。柔術の勉強もしているし、そのことばかりを考えているんだ。応援ヨロシク」

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