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【Pancrase326】シーソーゲームの激闘――猿飛流がバックテイクで最終回を抑えて小川徹からベルト奪取

【写真】昨年10月の暫定王座決定戦を欠場した猿飛流が仕切り直しの王座挑戦で接戦を制した(C)NOBU YASUMURA

<フライ級KOPC/5分5R>
猿飛流(日本)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47.
小川徹(日本)

サウスポーの小川に対して半身で構える猿飛流。小川が距離を詰めると、猿飛流は右ミドルを放っていく。猿飛流はワンツー、小川は様子をうかがいながらローを放つ。猿飛流が前に出てきたところで左アッパーを合わせようとした小川。お互い距離を取り合いながら、猿飛流の右バックハウンドブローと小川の右フックが交錯した。小川が相手にケージを背負わせて、左ボディストレート。さらに左ボディを猿飛流のミゾオチに突き刺し、フォローの右フックでヒザを着かせた。猿飛流が距離を取ってサークリング、小川は左ストレートを相手の顔面に伸ばした。

猿飛流が前蹴りを見せたところで、ここでも小川の左ボディが的確に猿飛流のミゾオチに当たる。右ロー、相手が出て来ると左で迎え撃つ小川。猿飛流の左サイドキックは届かない。残り10秒で小川がパンチから距離を詰め、足を滑らせながらダブルレッグで組みついた。初回はジャッジ3者とも10-9で小川のラウンドとした。

2R、猿飛流が蹴りの数を増やす。さらに猿飛流が前に出てきたところに、小川が右フックを合わせた。このパンチをもらいながらも組み付いた猿飛流が、そのまま小川をケージに押し込む。右腕を差し入れた猿飛流、小川も右腕を差し上げて体勢を入れ替える。猿飛流が離れて再びケージ中央へ。小川が飛び込みながら左ストレート、さらに左ハイから左ストレートにつなげていく。猿飛流は右ローから右ストレート、小川は距離を詰めて左ストレートを狙う。

距離が近くなったところで左ボディから右フックにつなげた小川。相手にパンチを合わせられた猿飛流がバランスを崩す。しかし猿飛流も伸びる右ストレートで応戦、さらに右バックスピンキックで小川を中に入れさせない。ここで小川は右フックから半身で飛び込み、組みついて相手をケージに押し込んだ。猿飛流が切り返し、ケージ際での差し合いに。残り20秒で小川が両腕を差し上げて押し込んでいったが、猿飛流が小川の首を左腕で抱える。最後は離れ際に右ヒジを当てた。ジャッジ2名が10-9で猿飛流、1名が小川と、このラウンドは割れている。

3R、小川がプレッシャーを強める。組んだところで引き離した小川。猿飛流は左の関節蹴りを当て、小川の左ミドルは捌く。猿飛流の蹴りに合わせて右フックを狙う小川、そのまま組み付くが猿飛流が有利な組み手になると離れる。猿飛流の右前蹴りに右フックを合わせた小川、しかし猿飛流はそのパンチに右フックを合わせた。左ジャブを突く猿飛流に対し、小川は左ミドルを見せるがブロックされる。距離が近くなると、小川の左ボディがヒット。小川が左ボディ、左ストレートへつなぐ。さらに左ボディを相手のミゾオチに突き刺した小川。猿飛流の左フックも小川の顔面を捉える。

このラウンドはジャッジ2名が小川、1名が猿飛流と割れている。

4R、猿飛流の右前蹴りをキャッチした小川だが、テイクダウンは狙わず、スタンドで左右のローを見せた。猿飛流が入ってくるところに右フックを合わせる小川、さらに左ボディから右フックにつなげる。

猿飛流が遠い距離から飛び込むも、小川はバックステップでかわす。しかし猿飛流が追い込み、右を顔面に当てて小川に尻もちを着かせた。立ち上がり組みつこうとする小川、反対に猿飛流が離れてパンチで攻め立てる。そしてもみ合いから組んでテイクダウンを奪った猿飛流。ハーフガードの小川にパンチを落とすが、小川が立ち上がる。

立ち上がり、小川のバックに回った猿飛流。小川はスイッチから離れた。ケージ中央で探り合う両者、小川は左ボディを突き刺す。さらに猿飛流の左サイドキック左ストレートを合わせた小川、左を中心に攻め込みグラつかせた小川だが、猿飛流も打ち返して打撃戦に。最後は猿飛流の左ヒックがヒットした。

ジャッジは3者とも10-9で猿飛流につけた。これでポイントはイーブンに。

最終回、小川のボディブローを嫌がるそぶりを見せた猿飛流。しかし猿飛流の右前蹴りも小川の顔面を捉える。猿飛流の口から大量の出血が見られるも、猿飛流はダブルレッグで小川に尻もちを着かせた。

立ち上が小川のバックに回った猿飛流、小川の太ももにヒザを突き刺して削っていく。さらに猿飛流の右ヒザが小川の顔面に届く。ここで小川は猿飛流のクラッチを切り、スイッチして猿飛流に尻もちを着かせるも、猿飛流も切り返して相手をケージに押し込んだ。さらに小川も切り返すなど、ケージ際でスクランブルの展開が繰り広げられる。

残り1分30秒で相手をケージに押し込んでいるのは猿飛流だ。スイッチを狙う小川は、猿飛流の顔面に左ヒジを叩きつけるも、猿飛流はボディロックのまま押し込み続ける。そしてグラウンドに持ち込んだ猿飛流がバックグラブへ。後方から猿飛流が小川の顔面にパンチを打ち込み、試合終了のホーンを聞いた。

シーソーゲームの末、最終ラウンドを抑えた猿飛流が判定勝ち。猿飛流がフライ級KOPに輝いた。

激闘を終えて疲労困憊の猿飛流は「まだ夢の中にいるみたいで信じられない。小川さんが強すぎて、1Rで心が折れてしまいました(苦笑)。途中で何十回も心が折れた。でも他の何を捨てても仙三さんが巻いていたベルトが欲しかった」と喜びを語った。


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