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【BICW2022】BRAVE国際コンバットウィーク in バーレーン―02―『白バイの先導でキャラバン爆走!』

【写真】ステージが豪華だから、どうだ――ということはいえますが、圧巻。やはり、羨ましい。そして日本人選手の強化につながらないかということです(C)MMAPLANET

9日(水・現地時間)、BRAVE International Combat Weekの事実上の初日はBRAVE CF57の公開練習が午後2時からKHK MMAジムで行われる予定でしたが、直前で時間と場所が変更となりました。

まさにホテルを出る1時間を前にして、KHK MMAジムはBRAVE CF57まで閉められているという連絡が入りました。


いわばバーレーン王国の所有物といっても過言でない同ジムがどのような設備を誇っているのか、非常に楽しみにしていたため残念な知らせです。

と同時に――ぞわっ、ひょっとしてクラスターかと思いきや、MMA SUPER CUPに出場するチーム・バーレーン勢に加え、BRAVE CF57のメインでBRAVE CFバンタム級王座決定戦でブラッド・カトーナと対戦するハムザ・コヘジらは、この週末までKHK MMAではなくストロング・ヴィレッジというジムでトレーニングを行っているからジムは閉められている。それが理由でした。

コヘジのファイトキャンプには海外からコーチを招き、ロシアやブラジル人の帰化選手が加わるチーム・バーレーンの面々にも寝泊まりする施設が必要で、ストロング・ヴィレッジジムには宿泊環境が整っている。

そんなことが公開練習当日は伝わっていない。自分の以前からあったイメージ、お金持ちのブラジル=中東にまさに当てはまるアクシデントというか、インシデントとの影響でKHK MMA訪問はまたの機会となりました。

それでもMMA SUPER CUPは午後4時からルールブリーフィング、午後7時から開幕式と予定されたスケジュールが滞りなく進行していました。

自分はブリーフィングの様子を少し眺めさせてもらい、午後4時半からBRAVE CFのムハンマド・シャヒド代表と取材というか歓談の時間を提供してもらい、30分ほどBRAVE NATIONや現状のMMA産業の在り方という彼の得意分野の話題から、キャプテン翼、刃牙など様々な話、そしてJMMAFについて意見を交換させてもらいました。

印象深かったのはシャヒド代表がSUPER CUPでロシアとウクライナの選手団の派遣がならなかった話題になると、猛烈な勢いで話し続ける熱血漢の表情が、一気に沈痛な面持ちに変わったことです。

バーレーンMMA界、KHK MMAはロシアとつながりが強く、帰化ファイターも少なくありません。ヘッドコーチのBRAVE スーパーライト級王者エルダル・エルダノフもそんな1人です。

IMMAFではIOCの措置に準じて、今回のロシアチームの参加を取りやめ、ウクライナ選手団は出国ができない(できても望まない?)――なか、この原稿を書いている時点から、数時間後にSUPER CUPの準々決勝がスタートします。

シャヒド代表と歓談後、一旦部屋に戻り――たった1人の滞在に我が家のリビングの倍はあるスペース&ジャグジー付きのバスタブ有り――片隅につくったワーキングプレースで、日本の各所、米国のロクサン・モダフェリと連絡を取りあい、SUPER CUP開会式に向かいました。

8チームの選手団、メディア、IMMF勢のため小型パスが10台用意され、白バイの先導でハリファ・スポーツシティ・アリーナに向かいます。鉄道のないバーレーン、マナーマ市内は幹線道路のジャンクションのたびにひどい渋滞に起こり、その緩和のために造られている大型のロータリーも、サークル部分に車が入れない状態です。

が、白バイ野郎(失礼!)は青い閃光を放ち、強大なサイレン音で八面六臂の活躍。合流路線から、幹線の車線から、どんどん他の車の制止し、キャラバンを爆走させます。しかも10台のバスのドライバーもこういうことに慣れているのか、2車線、3車線を相当な勢いで疾走しつつ、互いの車線変更のスペースを創って、見事なコンビネーションで会場まで突き進みました。

正直、肝を冷やす乗り心地でしたが、無事セレモニーの開幕10分以上前に我々は現地に到着することができました。

セレモニーというか、会場内の舞台セットは想像をはるかに超える豪華さで、対して配信を視聴しているだけでは分からなかったことですが、サークルケージのキャットウォークは照明用で、スペースも狭く、足元も柔らかかったです。

さすが、リングガールを持たないBRAVEのケージという感じでした。

式はIMMAF会長の挨拶、バーレーンMMA協会の会長の挨拶があり、「MMAはバーレーンで唯一国際レベルにあるスポーツだ」という話が聞かれました。

「そんなことねぇよ」というのは簡単です。しかし、これだけアマ大会から力をいれ、国際市場に打って出るプロ大会がある。さらに帰化選手が現状をリードし、そこに若い世代が力をつけるという未来を侮ることはできないです。

一方で、先人といっても過言でないUAE、いやアブダビの状況を見て、潤沢すぎる資金があっても母国の選手強化は予定通り進むとは限らないですが、BRAVEとバーレーンの試みは産業形態の変化、地盤から変えることなので、アブダビと同じスケールは用いることはできないかもしれないです。

いずれにせよ、この環境があればバーレーン一国だけでなく、中東全体の底上げになることは絶対です。それは先日、PFL CSで本戦契約を勝ち取ったBRAVEウェルター級&ウェルター級王者――ヨルダンのライオン、ジャラ・フセイン・アルシラウィを見ても明らかだと思います。

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