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【BRAVE CF57】MMA国家プロジェクト「市場の競争ではなく、市場の変革」ムハンマド・シャヒド代表

【写真】3年振りのBICWを開催が控えるムハンマド・シャヒドBRAVE CF代表 (C)MMAPLANET

中東バーレーンで8日(火・現地時間)から12日(土・同)までBRAVE International Combat Weekが開催される。BICWは8日に開会式が行われるアマチュアの国別トーナメント=MMA SUPER CUPが9日(水・同)に準々決勝、10日(木・同)に準決勝、そして12日(土・同)に決勝と3決が実施され、決勝前日は11日(金・同)にBRAVE CF57が取り行われる。

Super Cup及び、BRAVE57はハリファ・スポーツシティ・アリーナで行われる。2022年に世界を襲ったコロナパンデミックにも同年7月から活動を再開し、欧州、ロシア、本拠バーレーンでイベントを持続開催し、またUFCファイターも輩出してきたBRAVE CF。

ハリド・ビン・ハマド・アル・ハリファ王子がKHKスポーツを基盤に、国家プロジェクトの一環としてMMAの普及にと詰めるBRAVE CFは日本ではまだまだ注目されていないが、2017年の活動開始から、中東発世界を相手に着実にMMA界で存在感を示してきた。

ここではコロナ禍で2年間実現しなかったBICWの再開を前にして、いる同プロモーションのムハンマド・シャヒド代表にインタビュー──MMAを産業として、変化させる。壮大な目標を聞かれた。


──2021年、BRAVEはロシアから4週連続のバーレーン大会、そしてベラルーシ、イタリア、カザフスタン、ポーランド、もう1度ロシア、そしてセルビア大会と国際大会を開き続けました。これであっているか、分からないですが(笑)。

「アハハハ。本当に多くの国でイベントを開いたよ。2021年は2022年に続き、パンデミックにより世界中の人々が厳しい状態にあった。ビジネスもそうだし、スポーツもそうだ。でも我々は活動をストップするわけにはいかなかった。BRAVEはこのMMA産業を変えるという目標を持っているからパンデミックになろうが、使命を果たさなければいけない。でも大陸によっては訪れることが難しい国もある。

だから、昨年は欧州のマーケットに重点を置いたんだ。東南アジア、南米、アフリカはコロナの影響をより多く受けていたからね。特にセルビア、ベラルーシ、イタリア大会は重要だった。欧州は数多くの言語が存在している。英語圏である英国は米国との結びつきが深い。それはMMAでも同じだ。ただし、他の国を見ればポーランドのKSWやロシアの大会が他国でイベントを開いているぐらいだ。そういう欧州の国に進出することが2021年の計画で、どこも成功を収めることができた。

2020年からPFLやONEというプロ―ションは活動停止を強いられた。本当にこのスポーツにとっても、ハードな期間が続いている。2021年は渡航制限が緩くなる国が増えたとはいえ7カ国で大会を開くことができたのは、BRAVEの底力を見せたことになったと思う。

無観客、イベント中止という事態になることを恐れず、普及に努めた。2021年は5年、10年後のBRAVEにとって非常に大切な1年になったと思う。コロナ禍でスタッフとともにそれらの国を回り、同じストラクチャーで大会を開くことができた。この経験は、我々の財産になるだろう。

そして2022年にはBRAVEはまた新しい人生、新しい旅を始める。去年とは違う、新しいことに取り組むことになっている。それはMMAの将来のために変革を加える時が来たということになるんだ」

──BICWも2019年以来、3年振りに開催されます。

「ようやくフェスティバルを開くことができるよ。コロナ禍になって中東は今や、コンバットスポーツのメッカになっている。ペルシャ湾岸でUFCやボクシングの世界戦は中東で行われてきた。それはBRAVEが6年前に扉を開いたからだよ。だから年に1度の祭典を再び行うことができて嬉しい。BRAVEは一つのブランドではなくて、世界中にコネクションを持っている。

BRAVEが他のMMA大会と違う点は、1つ目にグローバルライセンスを持つこと。2つ目は2023年からナショナルリーグという新しいフォーマットをスタートさせる。これは昨年、アナウンスすることができた。3つ目は2017年からIMMAFに協力し、各国に通じるスポーツ・レギュレーションを普及させてきたことだ。3年でIMMAFの世界選手権は、コンバットスポーツ界で有数のトーナメントになっている。

MMAを一つの会社という規模で捉えるのではなく、新たなるスポーツ産業とするために世界選手権から、MMAスーパーカップを開くことにした。国別対抗戦となるスーパーカップはMMAの未来形なんだ。サッカーを見てみよう。ブラジルといえばイエローとブルーだ。イタリアはブルー、オランダはオレンジだ。

誰もがすぐにイメージできる。そこをスーパーカップで目指す。ファンはどこの国の選手か理解できる。そしてIMMAFの世界の支部が、コンペティションによって賞金を手にすることが可能になる。ハリファ殿下と我々は、過去に五輪委員会とともに38種のスポーツイベントを開いてきた。それが我々の強味だ。

サッカーもクリケットも国際協会と自国の協会がある。MMAもそういう世界を構築していくんだ。即効性ある儲け話では全くないよ。金儲けの手段なら、幾らでもある。ただし、MMAが世界中に普及するためにスーパーカップ構想は欠かせない。各国の協会が、スーパーカップの賞金によって、自国でのMMAの普及に投資ができるシステムを初めてMMAに導入できることになったんだ。こういう試みは世界最大のMMA組織も実施したことがない。

この国別対抗戦はチーム戦であることで、ファンによりシンプルにMMAを楽しんでもらい、選手たちは母国の誇りを賭けて戦う。そのために各階級で9人のベストファイター達を選んで本気に勝ちに行くんだ。旅費、滞在費は一切必要ない。そして優勝すれば10万ドルを母国の協会に持ち帰ることができる。国別対抗戦にして、どちらがリードして、どちらが勝つのかが安易に理解できることで、商業化がより進むはずだ。BICWでスーパーカップが初開催されることは、大きく声明になるよ」

──6カ国が参加し、2つの選抜地域代表で覇権が競われます。

「2つの地域は、この国別トーナメントに参加できない国の選手たちの救済処置になり、今回はバルカンとアラブがワールドカードで出場となる。ワイルドカード制は毎年維持していくつもりだよ」

──スーパーカップ出場国はIMMAFのランキングによって決定しますが、米国、ブラジル、メキシコ、カナダ、英国や豪州、韓国、中国、日本、フィリピンなどIMMAFのトーナメントが活発でない……いや、それ以上に活発にアマトーナメントやプロイベントが存在する国からの参加がないです。その状況で世界にこの大会の意義が伝わるのでしょうか。

「なぜブラジルや米国が参加せず、アイルランドやカザフスタン、タジキスタン、バーレーンが参加しているのか。ブラジルは人材宝庫だ、海外に出て現状のプロモーションでいくらでも活躍している選手がいる。米国にはUFCとBellatorという世界の二大プロモーションが活動している。

このシステムにより受けるサポートの必要がなくても、MMAが普及しているんだよ。何より我々の目指すモノは市場の競争ではなく、市場の変革なんだ。MMAは世界中に広まっているが、MMAを競技として普及させている組織はない。全ての国のMMAイベントは、そのイベントを盛り上げる──カンパニーの利益のために活動をしている。

バランスシートと睨めっこして、ゲート収入、PPVの売り上げを考えて運営されているんだよ。それは結果的にMMAを広めているが、広めた後のことは考えられていない。なぜなら、一つの会社の利益のために広まっているからだ。だからこそ、BRAVEには世界と手を取り合って果たす使命が存在しているんだよ」

<この項、続く

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