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【Eagle FC44】「愛がないと」。42歳のラシャド・エヴァンス、穏やかMMAで足関凌ぎチェッコに判定勝ち

<ライトヘビー級/5分3R>
ラシャド・エヴァンス(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ガブリエル・チェッコ(ブラジル)

42歳──まるでフィジカルが変わり、ファイター然とはしていないが健康体に映るラシャドは左ミドルから右ローを蹴られる。チェッコはローを続けるが、ケージを背負うようになっている。ミドルからローで前に出るチェッコに対し、蹴り足を掴んだラシャドが細かいパンチを繰り出す。

スイッチしたラシャドは右の蹴りを掴んで、パンチを入れテイクダウンを決める。サイドで抑えたラシャドは、クルスフィックスを取ろうとしチェッコが反応してガードに戻す。クローズドの中からパウンドを繰り出すラシャドが、ハイガードから足をすくいに来て諦めたチェッコを殴り、続くハイガードを担いでパスする。

残り1分、ハーフに戻し腰を切ったチェッコだが最後にスタックパスを許しラシャドが柔術家からグラップリングでリードを奪った。

2R、チェッコの左ミドルにも圧を高めるラシャドは、力のない後ろ回し蹴りを受けても下がらない。左フックから組んだラシャドは、バックに回りパンチを打ち込む。チェコは正対して引き込むが、同時にマウントを取られる。後転し足を取りに行ったチェッコが外が目からヒールを仕掛ける。体を捻って足を抜いたラシャドはクルスフィックスにチェッコを捕らえ、パンチを連打する。ケージキックでサイドに戻ったラシャドは、スクランブルでダブルレッグを仕掛けるチェッコにケージに詰められ、尻もちをつかされる。

リバーサルに成功したチェッコがボディコントロールからバックを伺うも、身を翻したラシャドがトップを維持する。チェッコはここも足を絡め50/50から内ヒールを狙う。ヒザを畳んで抜いたラシャドがトップでこの回も戦い終えた。

最終回、構えを変える両者。シングルに右を受けたチェッコが亀になる。後方から殴るラシャドの足を取ったチェッコだが、ラシャドはここも足を抜いてサイドで抑えることに成功する。左のパンチを落とすラシャドが、スクランブルでバックに。鉄槌を打ちつけ、ボディから顔面を殴るラシャドは、引き込んだチェッコの足を捌いてサイドでしっかりと抑える。

後転して足を絡め、ハーフに取ったチェッコの内ヒール狙いにもラシャドが反応して足を抜く。チェッコはラバーガードからパンチも、ラシャドが上体を起こし左右のパンチを落とす。蹴り上げを捌いたラシャドがサイドで抑えた状態で、タイムアップに。やるべきことはやっているが、穏やかに見え続けたラシャドは3年7カ月のMMAで判定勝ちを決め──「愛がなくて、この激しいスポーツはできない。良いコンディションを保って、いつでも叩けるようにしている」とまるで伝道師のように静かに語り、ケージサイドのヌルマゴメドフに「また声を掛けてほしい」と伝えた。


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