【TORAO26】12年振りの闘裸男出場、佐々木信治─01─「闘裸男で試合をしないと絶対に後悔する」
【写真】佐々木の感覚的には、生涯を終える時にもう1度闘裸男で戦っていないと成仏できないぐらいの想いに違いない (C)MMAPLANET
12月5日(日)、広島市南区のBLUE LIVE HIROSHIMAで開催される闘裸男26で、佐々木信治がジョナタン・バイエスと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
アマチュア時代から中国・四国エリアで開催されていた修斗の闘裸男興行に出場し、そこから修斗環太平洋王者まで駆け上がった佐々木。さらに2015年からは韓国Road FCを主戦場としていたが、大ケガを負い2018年から大きなブランクを作っていた。
そんな佐々木が今年2月にグラジエーターで復帰戦を行って、暫定ライト級王座を獲得し、さらに今回の闘裸男出場へと至った。なぜこのタイミングで闘裸男出場となったのか。地元・広島で行われる闘裸男について、佐々木の想いを訊いた。
――今回は、本当に久々となるプロ修斗闘裸男興行への出場となりました。
「そうですね。修斗に出るのが9年ぶり、闘裸男はもう12年ぶりです」
――佐々木選手は2015年から韓国Road FCに出場し、前回は3年ぶりの試合ながらグラジエーターで暫定ライト級王座を獲得しています。なぜ、このタイミングで闘裸男に出場することとなったのでしょうか。
「えっ、どういうことですか?」
――佐々木選手のキャリアを鑑みると、プロ修斗でも他のプロモーターの試合を選択する権利もあったと思います。もちろんグラジエーターや、RIZINなども選択肢に挙がるとは思うのですが……。
「あぁ、そういうことですか。皆さん、そう思われるんですかね? 自分の中では当たり前のことかな、と思っています。今、僕が闘裸男に出ることに対して、何の違和感もないですね」
――というと?
「アマチュアの頃から闘裸男に出ていて、プロデビューしてからもずっと闘裸男に出させてもらっていました。2018年に大きなケガをして以降、もう自分の現役生活も終わりかなと思うこともありました。でも辞めることはできなくて。自分の中で、やり残していることがあったんです」
――やり残したこととは?
「一つは、復帰すること。もう一つは、また闘裸男で試合をすること。これをやらないと絶対に後悔する――その気持ちだけでケガから復帰しました」
――ということは、今年に入って復帰する時点で闘裸男に出ることが念頭にあったわけですね。
「はい。実は――最初は去年の博多大会で復帰する話があったんですよ」
――昨年11月1日、博多市のアクロス福岡でケージ興行が予定されていました。コロナ禍で延期となってしまいましたが、あの大会に出る予定だったのですか。
「大会自体が延期となったこともあるんですが、僕個人ではもう一つ大きなことがあって……。ケガが大きかったので、プロ修斗のライセンスが下りるかどうか、という問題があったんです。自分は試合できると思っていました。でもコミッションから、医者の診断書を出してほしいと。そんな状態で試合に出るのは、競技としてどうのか。と同時に、関係者の皆さんも『本当に大丈夫なのか?』と心配していて」
――……。
「でも、自分としては復帰したい。どこか出させてくれるところはないか――と思っていたところに、グラジエーターの櫻井(雄一郎)代表からお話を頂いたんです。それで今年の2月にグラジエーターで試合をさせてもらいました。復帰戦を行うことができたし、試合で結果を残すこともできて、櫻井代表には本当に感謝しています」
――なるほど。
「そこから修斗もライセンスが下りる状況になって、自分の中では修斗に戻るなら闘裸男だろうという気持ちは、最初から持っていました。しかもタイミング的に広島大会ということで良かったです」
――佐々木選手にとって、一言でいうと闘裸男とは何なのでしょうか。
「原点です。アマチュアの頃から出ていますからね。確か闘裸男02が最初だったと思いますけど……アマチュアで、ヘッドギアを付けているけど全試合、入場曲ありで」
――プロとアマチュアの混合、もちろんルールは明確に分けていますが、アマチュアでも入場はプロ並みに行う。当時その形式は珍しく、「闘裸男方式」と呼ばれていました。
「あの頃を考えると、今はすごいじゃないですか。闘裸男にしてもFORCEにしても、中国・四国地方の選手だけで試合が組める。以前は、それでもメインどころは関東から選手を呼ぶこともあったけど、先日のFORCEはメインも中国・四国地方勢同士の試合で」
――闘裸男では2005年からプロ修斗公式戦が始まりましたが、あの時点ではまだプロ公式戦は2試合だけでした。しかも、一方が中国・四国勢で、その対戦相手を関東や関西から呼ぶ形でしたね。
「闘裸男がなければ、中国・四国地方でMMAが発展することはなかったのかな、って思います。地方のジムに所属している選手が戦える舞台って、少なかったじゃないですか。かといって関東や関西の大会に呼ばれることも、なかなか無いし。闘裸男の存在がありがたかったし、あれから選手も育ちましたから」
――大会だけでなく、ジム運営なども大きく変わったのではないですか。
「変わりました。ウチのジムもフィットネス寄りになって(笑)」
――それは驚きですね……と言ったら失礼かもしれませんが。
「いやぁ……10年前はまだ、ガッチンガッチンやり合うジムでしたからね。まるで修羅の国のような(笑)。今もプロ志望の子はたくさんいるけど、それより自分と同年代か、僕よりも年上の会員さんも多くて。そういう人たちと一緒に練習する雰囲気がすごく好きだし、会員さんも楽しそうで嬉しいです」
――海外の格闘技サイトでは、佐々木選手のニックネームにTORAO Supernova……「闘裸男の超新星」と付けられています。
「アハハハ! アレですね(笑)。いつまでも超新星って恥ずかしいですけど、そうやって闘裸男の名前がニックネームに付けられているのは良いなって思います」
――佐々木選手がプロデビューした頃は、闘裸男から育った選手は闘裸男チルドレンと呼んでいました。もう当時のことを知らない会員さんも増えているでしょうね。
「新しい会員さんとか、『まだ現役なんですか?』って驚いていました(笑)。そういう会員さんたちにも、みんなの先生はこれだけできるんだよ、っていうところを見せたいです。それが、自分が試合をする意味でもあるので」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
11月14日(日)
午後4時45分~ Twit Casting LIVE
■TORAO26対戦カード
<フェザー級/5分3R>
野瀬翔平(日本)
奇天烈(日本)
<ウェルター級/5分2R>
佐々木信治(日本)
ジョナタン・バイエス(米国)
<グラップリング75キロ契約/5分2R>
田村ヒビキ(日本)
森戸新士(日本)
<フェザー級/5分2R>
神田T800 周一(日本)
キシシ(日本)
<フライ級/5分2R>
蒔田伸吾(日本)
ふじい☆ペリー(日本)
<53キロ契約/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
和田千聖(日本)
■TORAO GIG03対戦カード
<2020年新人王決定Tストロー級1回戦/5分2R>
※当日計量により56.7キロで実施
横関タルト(日本)
わっしょい内田(日本)
<2020年新人王決定Tフェザー級1回戦/5分2R>
※当日計量により70.3キロで実施
HAMMER KATU(日本)
一水浩二(日本)
<2020年新人王決定ライト級1回戦/5分2R>
※当日計量により77.1キロで実施
スモーキー(日本)
貞永大輔(日本)
<2020年新人王決定フライ級1回戦/5分2R>
※当日計量により61.2キロで実施
水田大智(日本)
丸山幹太(日本)
<フライ級/5分2R>
麻生祐弘(日本)
畠山隆弥(日本)