【Shooto2021#07】死闘の果てに――SARAMIが3度目の正直、黒部三奈を判定で下し修斗女子王座を獲得
【写真】前へ出てくる黒部の想いに、SARAMIはヒジ打ちで応えた(C)MMAPLANET
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
SARAMI(日本)
Def.3-0:49-45.49-46.48-47.
黒部三奈(日本)
SARAMIは笑顔、黒部は引き締まった表情でコールを受ける。
試合が始まり、黒部が距離を詰めていくと、SARAMIはサークリングしてケージ中央へ。黒部の右はヒットすると、SARAMIの左ストレートも黒部の顔面を捉える。前に出続ける黒部の右ストレートがSARAMIの顔面をかすめた。SARAMIが右ヒジを繰り出すと、それをかわした黒部が組み付き、ボディロックのままSARAMIをケージに押し込んでいく。黒部は左腕を差し上げるが、SARAMIは右足を差し込んで倒されない。しかし黒部が右腕も差し上げると、SARAMIが細かく動くようになる。
黒部はSARAMIを押し込みながら左ボディを連打。SARAMIは首相撲からヒザを突き上げつつ離れた。黒部が前に出続けるも、組んだところでSARAMIがバックに回る。ここで離れた黒部が、またもSARAMIを押し込んでいく。SARAMIは離れながら右ヒジを叩きこみ、最後はスタンドでパンチからローを当てていった。
2R、黒部が前に出る。SARAMIは足を使って左右のフックを当てる。パンチをもらいながら組み付いた黒部がSARAMIをケージに押し込み、右アッパーを連打で突きあげる。そして両腕を差し上げた黒部だったが、SARAMIもディフェンス。黒部は変わらず押し込みながらパンチ当て、SARAMIは首相撲からヒザを突き刺し、体勢を入れ替えた。黒部がケージから離れると、打撃のプレッシャーを強めたSARAMI。組み付いてきた黒部を反対にケージへ押し込む。
黒部も切り返して、SARAMIを押し込みながら右肩をぶつけていく。離れたSARAMI。足を使ってワンツーを顔面に入れていくが、黒部も左右フックから前に出続ける。SARAMIが捌くも、黒部はそのまま組み付いてケージ際へ。両腕を差し上げる黒部と、首相撲で迎え撃つSARAMIという展開が続く。残り1分のところで、SARAMIのヒザがヒットすると黒部も離れる。しかし黒部はパンチを振るいながら前へ。ケージ際では黒部のパンチとSARAMIのヒジが交錯した。
3R、前に出るのは黒部だ。SARAMIもパンチで迎え撃つが、黒部は突進する。しかし距離が近くなったところでSARAMIが首相撲でつかみ、黒部をケージに押し込む。黒部は離れてから、ダブルレッグへ。テイクダウンはできずも、SARAMIをケージに押し込みパンチを上下に散らす。首相撲に持ち込まれても、手を止めずパンチとヒザを放っていく黒部。SARAMIは首相撲で体勢を入れ替えて、ヒザとヒジ。黒部が右ヒジを放つと、SARAMIは左右のヒジを連打していく。
ケージ際で首相撲から、パンチとヒジを打ち合う両者。SARAMIが離れて、前に出てきた黒部を足払いでこかした。SARAMIもトップを狙うが、立ち上がる黒部。ケージ際になると、SARAMIの前蹴りが黒部のボディに突き刺さる。そしてSARAMIが有利な体勢で組みつつ、離れ際に左ハイをクリーンヒットさせた。攻め込むSARAMI、黒部もケージに押し込まれながらパンチを返す。SARAMIはヒジの連打、そして一瞬離れて飛び込みながら右ヒジを叩きこむ。この一撃を食らった黒部が両手を着き、SARAMIがサイドバックからパウンドを落としていった。
4R、SARAMIは足を使いながらパンチを当てる。SARAMIの前蹴りを食らいながら組み付いた黒部だったが、SARAMIも首相撲で優位に立つ。前に出続ける黒部。SARAMIは首相撲からのヒザ。しかしSARAMIが首相撲に持ち込むと、黒部はショートのフックを当てる。手を止めない黒部のフックがSARAMIの顔面をかすめ、そのまま黒部が組み付きケージに押し込んでいく。黒部のシングルレッグをカットするSARAMIは、離れながら右ヒジを当てていく。
ケージ中央に戻り、足を使うSARAMI。黒部が組み付いてくると、スプロールして首相撲で黒部をケージ際へ持っていく。ここで首相撲から左右のフックとヒジを当てたSARAMIが、さらに前蹴りをボディに突き刺す。それでも前進を止めない黒部に対して、SARAMIは右ヒジを空振り。ケージ際で押し込まれるも、かわして黒部のバックにつく。テイクダウンを防いだ黒部はパンチを出し続け、SARAMIの顔面をかすめた。
最終回、互いに細かい打撃を繰り出す中、やはり黒部が前に出て、SARAMIがサークリングする。SARAMIにケージを背負わせると、組み付いた黒部。しかしSARAMIは首相撲で切り返し、右ヒジとヒザを叩き込む。両者のパンチが交錯する中で、黒部が組み付きバックに回る。ケージ際で正対したSARAMIが、またも首相撲からヒザと前蹴りで離れた。再び黒部が追い、SARAMIが回る展開に。
2分半のところで、黒部の右ストレートがヒット。SARAMIは首相撲から足払いで黒部をこかし、立ち上がる黒部のバックに回ったが、黒部も離れる。ケージ中央で打ち合う両者、SARAMIのパンチに対して黒部の前蹴りも当たる。SARAMIがプレッシャーを強めると、黒部はケージを背負いながらパンチを返した。しかし残り1分が近くなったところで、SARAMIが黒部をこかしてバックに回る。立ち上がる黒部だが、SARAMIのクラッチを外せない。一度は離れた黒部だが、またもSARAMIが足払いでこかす。ここでも立ち上がる黒部。最後はケージ中央で打ち合い、試合終了のホーンを聞いた。
判定はジャッジ3者ともSARAMIの勝利。結果が告げられた直後、SARAMIは涙を流しながら黒部と抱き合った。
3度目の正直、過去2敗している黒部に初勝利を収めるとともに、修斗世界女子スーパーアトム級のベルトをSARAMIが獲得した。