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【Shooto2021#07】大好きなSARAMIと初防衛戦、黒部三奈─01─「試合中に心を折りたい」

【写真】昨年8月の王座奪取から1年3カ月振りの実戦で、初防衛戦となる黒部 (C)KEISUKE TAKAZAWA

6日(土)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されるShooto2021#07で、SARAMIを挑戦者に迎えて世界女子スーパーアトム級王座の防衛戦を行う黒部三奈インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

練習仲間でもあり、「大好き」と語るSARAMIが、自身への挑戦権を賭けて戦った試合を、黒部はどのように見ていたのか。そして勝ち上がってきた相手と、いかに戦うのか。黒部が語る、チャンピオンとしての決意とは――。

<黒部三奈インタビューPart.01はコチラから>


――対戦相手のSARAMIとは過去に2度対戦しています。初戦は2014年11月にRNCで一本勝ち、再戦は4年後の2018年に判定勝ちして、黒部選手がDEEPジュエルスのベルトを防衛しています。2戦2勝の相手と3度目の対戦を迎えるなか、どのようなモチベーションを持っているのでしょうか。

「相手に対するモチベーションは存在していますよ。モチベーションというか……楽しみですね。楽しみを作っています」

――楽しみ……とは?

「何でしょうね(笑)。そんなに意識することではないけど、試合のたびに自分で楽しみを見つけるようにしています。格闘技だけじゃなくて、何に対しても楽しみを見つけたがる性格かもしれないですね」

――ではSARAMI選手との3度目の対戦に向けての楽しみとは、何でしょうか。

「相手の心を折りたいです。SARAMIちゃんのことは大好きだけど、試合中に心を折りたいなって。今回は特にそう思っています」

――心を折ることが、楽しみなのですか。

「私は前澤智さんと3度試合して、2度勝ったあと3度目の試合で負けたじゃないですか」

――前澤選手とは初戦が2013年3月で、RNCで一本勝ち。再戦は2016年8月に判定勝ちで、2018年12月の3度目の対戦では判定を落とし、DEEPジュエルスのベルトを失っています。

「2回勝って、防衛戦で負けているんですよね。だから私もSARAMIちゃんに2度勝っていても、3度目も勝てるっていう保証はないわけで。自分自身への緊張感を持っておくことも大切だし、しっかり相手の心を折りにいかないと勝てないと思っています」

――SARAMI選手にとっては、3度目の正直か……。

「あるいは、2度あることは3度あるのか。どちらになるかは、自分次第ですからね」

――前澤選手との3度目の試合では、どこか自分の中で緊張感が足りないところもあったのでしょうか。

「今回も大丈夫だろう、とは思っていたかもしれないです。あの試合でベルトを防衛することの難しさを知りました。ベルトを守るって考えちゃダメなんですよ。チャンピオンであっても、ベルトは奪い取りに行くものだと考えて挑まないといけない。あの試合の映像を見返しても、私は守りに入っていましたね。前に行くことができていませんでした」

――前回のSARAMI選手の試合では、とんでもない殴り合いを展開していましたね。

「アハハハ、とんでもない殴り合い(笑)。あの時は……負けられるかよ、っていう気持ちで前に出ていきました。3度目の対戦であっても、自分がチャンピオンでも、そういう気持ちを持って試合に挑まないといけないんですね」

――そんな2戦目から3年半が経ちます。SARAMI選手は、どんなところが伸びてきていると思いますか。

「本当に、全部ですね。寝技もスキルアップしてきている感じです。以前は勢いの良さが目立っていたけど、勢いプラス細かい技術が出来てきているかなって」

――対して、黒部選手は……。

「私のほうは、だいぶ打撃のレベルが上がってきたかなって思います」

――黒部選手への挑戦権を獲得するための試合を、ご自身は練習仲間の試合として見ていたのですか。それとも次の対戦相手を極める試合として見ていましたか。

「両方ですね。SARAMIちゃんを応援する気持ちもあるけど、複雑な気持ちで試合を見ていました。でもSARAMIちゃんが勝った時、すぐに気持ちは切り替わっています」

――挑戦者決定戦が終わってから、SARAMI選手とは連絡を取っていないのですか。

「連絡は取っていないですね。最後の連絡は――練習会のグループLINEに、練習に参加しない旨のメッセージが来た時ですかね」

――なるほど。MMAって不思議なスポーツですね。一緒に練習している仲間でも、試合では思いっきり殴り合わないといけないし、殴り合うことができるという。球技や陸上競技など他のスポーツにはない部分かと思います。

「それが、やり合えちゃうんですよ(笑)。でもそれって、男の人のほうが気にするかもしれないですね」

――……どういうことでしょう?

「女は、あまり気にしていないかも。女のほうがサバサバしていますからね。だからSARAMIちゃんとの試合も楽しみですよ」

――なるほど。そういえばRIZINで浜崎選手と藤野選手が対戦した時も……。

「みんな、あんな感じですね(笑)。藤野さんも顔ボコボコになりながら、試合が終わったらお互いに笑って話すことができるので。できるかぎりの準備をしてきたので、自信はあります。あとはSARAMIちゃんに思い切りぶつけるだけですね、私のこの想いを――」

■視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後1時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#07対戦カード
             
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
[王者] 黒部三奈(日本)
[挑戦者] SARAMI(日本)

<修斗暫定世界ストロー級王座決定戦/5分5R>
猿丸ジュンジ(日本)
黒澤亮平(日本)

<フェザー級/5分2R>
結城大樹(日本)
岩本健汰(日本)

<フライ級/5分2R>
高橋SUBMISSION雄己(日本)
山内渉(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
澤田千優(日本)

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