【PFL2021#08】アンテ・デリア、勝ち名乗りを受ける前に号泣──ゴルソフ下し、決勝へ
<ヘビー級準決勝/5分3R>
アンテ・デリア(クロアチア)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
デニス・ゴルソフ(ロシア)
ワンツーからシングルレッグに出たデリアが、ケージにゴルソフを押し込む。右腕を差し返したゴルソフが、体を入れ替えてヒザを突き上げる。後方へのテイクダウンを耐えたデリアがワンツーを放ち、そこからパンチを続けて前に出る。左ストレートをヒットさせたデリアに対し、たまらずゴルソフが組んでクリンチへ。ここでボディロックテイクダウンをゴルソフが決め、ハーフで抑える。ゴルソフはマウントに移行し、右エルボーを落とす。
デリアのブリッジに対し、ゴルソフが腕十字も失敗。直後に三角を狙ったが、クローズドガードに留まった。トップからパウンドを落とすデリアだが、手首をコントロールされ思うように殴ることができないまま時間に。
2R、ワンツーからローのゴルソフだが、打撃の圧はデリアが上か。ゴルソフは左ジャブから左ハイ、デリアがブロックするもジャブを連続で被弾する。右を伸ばしたデリアのテイクダウン狙いをかわしたゴルソフがバックを伺う。デリアは足払いでテイクダウンを取られると、サイドバックからのパンチを動かず受け続ける。
シングル狙いを切られ、スクランブルからスタンドに戻ったデリアをケージに押し込むゴルソフ。しかし、自ら仕掛けた小外刈りで姿勢を乱しガードを強いられる。残り1分、トップのデリアはクローズドの中から細かいパンチを落とす。上体を起こしたデリアが、左を3連打したがポイント挽回とはいなかった。
最終回、開始直後にダブルレッグで、デリアがテイクダウンを奪う。手首を掴んで三角狙いのゴルソフが、シザースイープを狙いつつハイガードもデリアが察知する。Zガードとクローズドのコンビネーションで時間を使うゴルソフに対し、デリアは有効なパンチを落とせない。ゴルソフが足を引いて立ち上がり、ケージを背負いキムラでダブルレッグを防御する。
デリアはケージに押し込んだ状態で時間を掛け、結果的にはテイクダウンを奪えないまま、試合タイムは残り30秒となり体を入れ替えたゴルソフが離れる。
直後にゴルソフはヒザ蹴りから組み、もう一度離れる。と、デリアは足を使って回って時間に。両手を挙げ、既に号泣状態のデリア……ここまで勝利を疑わず、押し込み続けていたのは意外だった。
初回の左ストレート、最終回のケージへの押し込みをジャッジがどのように判断するか。結果、ジャッジ3者ともデリアを支持し、勝者はセコンドのミルコ・クロコップに抱き着き再び涙にくれた。