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【UFC ESPN28】コメイン登場ハニ・ヤヒーラ─02─「僕はファイターでも競技者でもない。愛好家なんだ」

【写真】これがハニ・ヤヒーラ・スタイル(C)Zuffa/UFC

31日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN28「Hall vs Strickland」が開催される。同大会のコメインでカン・ギョンホと戦うハニ・ヤヒーラ・インタビュー後編。

UFC在籍10年を越えた寝業師は、万年プレリミ出場から3試合連続一本勝ちをし、ついにズッファ首脳の信頼を勝ち取り──今回は上から2つ目で戦う。攻め一辺倒、スタミナ切れ上等の根性ファイトを常に続けてきたヤヒーラは、金原正徳戦秘話を含め、この試合への自信の言葉を訊いた。

<ハニ・ヤヒーラ・インタビューPart.01はコチラから>


──それでもスクランブルの技術に磨きがかかったことで、トップコントロールを続けることは難しくなっていると感じることはないですか。

「それは……そうだね。でも、そうさせないための術を身につけるために相当な時間を使って自分の技術を磨いてきたからね。どういう風に重心を相手に掛けて、トップをキープできるか。

何千本というスパーリングで、常に僕の相手はスクランブルを狙い、僕の抑え込みから逃れようとして来た。そのたびに僕のトップコントロールは強固になってきたんだ。テイクダウンもそうだけど、そこからのポジションというのは無数に存在している」

──相当に疲弊しても、ハニは勝負を諦めることがありません。勝とうが負けようが、常に対戦相手よりも疲れ切っています。それでも最後まで戦い抜く姿勢が、いつも胸に残ります。

「ありがとう。そういってもらえると、本当に嬉しいよ」

──特に金原選手と戦った際には、オクタゴンを下りた直後にケージサイドで倒れこんでしまっていましたよね。

「カネハラと戦った時のことは、僕も忘れられないよ。なんせ試合後に吐いてしまったからね……。あの時は、減量後のリカバリーに初めてサプリメントを飲用したんだ。それまでサプリメントを摂ったことはなかったけど、あの時は2時間ごとに飲んでみた。

それが全く体に合わらなくて、リカバリーどころか試合前まで体調がすぐれなくなってしまって。実は試合中もずっと気持ちが悪かったんだ。体の調子がおかしなままで戦ったんだけど、試合を終えると我慢できなくなって吐いてしまった。そのまま病院に直行だったよ。だから、あの試合の動きは最悪だったんだ……」

──いやぁ、そんなことがあったのですね。逆にそのような状態であれだけの試合を金原選手とやってのけ、最後まで諦めなかったことに改めて尊敬するのみです。

「諦めることは絶対にない。でも、そこが日本の皆に伝わってくれていると嬉しいよ」

──それは絶対です。そして、今回の対戦相手のカン・ギョンホもスクランブルの強い相手ですね。

「その通りだね。グッド・スクランブル・ファイターだ。テイクダウンも強いよ。打撃をそれほど使わず、組んで戦うね。ただし、サブミッションは本当に基本的なモノしか持っていない。グラウンドに持ち込んでも、そこからの試合はごくごく並みのレベルだ。グラウンドで勝つチャンスは十分にある」

──今、ハニはどこを目標にUFCで戦い続けているのですか。

「今は、ただこの試合に勝つことだけを考えているよ。カン・ギョンホをぶっ飛ばすだけだよ」

──では36歳になったことについて、どのように捉えていますか。

「年齢は関係ないよ。今、キャリアの頂点にある。ようやくUFCの僕に対する待遇も良くなってきた。僕はね、ファイターでも競技者でないんだ。好きなことを続けているだけの愛好家なんだよ。前の試合も勝っているし、これからも勝てる。このまま突き進むよ」

──確かにこれだけ長い間UFCで戦ってきておきながら、ずっとプレリミでの登用が続きました。

「それが今回はコメインだからね。UFCが僕の力を認めてくれたことは、感謝しているよ。3試合連続で一本勝ちできたのが大きかったと思う。そして過去4つの勝利は全て一本勝ちだし。だから、UFCもこの順番で僕の試合を組んだんだろうね。彼らが何を求めているのかは理解しているつもりだよ」

──では今回も柔術、そしてビッグハートをハニが見せてくれることを期待しています。

「僕の持つ全てのテクニックを見てほしい。ウォリアースピリッツを持って、前に出続けるところ見てほしい。そして、何よりも大切な戦略に基づいた試合を皆に見てもらうよ。戦略なしで試合は戦えないし、人生を生き抜くことはできない。

そして6度、試合をした時に数多くのことを学ぶことができた日本の皆に感謝している。日本には素晴らしい思い出しかない。僕は日本の文化に憧れてきた。そして柔術は日本のアートだ。日本のファンは僕がオクタゴンで戦っている時は、日本を代表して戦っていると思ってほしい。今も熱烈なサポートを日本のファンがしてくれることを光栄に思っているよ」

■視聴方法(予定)
8月1日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC ESPN28対戦カード

<ミドル級/5分5R>
ユライア・ホール(米国)
ショーン・ストリックランド(米国)

<バンタム級/5分3R>
カン・ギョンホ(韓国)
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
グロリア・ジ・パウラ(ブラジル)
シャイアン・バイス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ニクラス・ストルツァ(ドイツ)
ジェレッド・ゴードン(米国)

<フライ級/5分3R>
ライアン・ベノワ(米国)
ザロック・アダシェフ(ウズベキスタン)

<ミドル級/5分3R>
ブライアン・バルベレナ(米国)
ジェイソン・ウィット(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ニコ・モンターニョ(米国)
ウー・ヤナン(中国)

<フェザー級/5分3R>
コリン・エングラン(米国)
マルシック・バクダサリアン(アルメニア)

<ライト級/5分3R>
クリス・グラッツマーカー(米国)
ラファ・ガルシア(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
ダニー・チャベス(米国)
カイ・カマカ3世(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アシュリー・ヨーダ―(米国)
ジン・ユ・フレイ(米国)

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)
ロニー・ローレンス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
オリオン・コスケ(米国)
フィリップ・ロウ(米国)

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