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【UFN189】魂のファイト。ボンジニビョの覚悟の前進に、計算が狂ったバエサが11戦目の初黒星

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ(アルゼンチン)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ミゲール・バエサ(米国)

右に回るバエサが右ローを蹴る。さらに左ローを蹴ったバエサは、カーフを続けワンツーを繰り出す。右カーフにも踏み込んで右を見せたポンジニビョは、距離取り直すとバエザが左ジャブを当てる。ポンジニビョの左ジャブに左右のロー、カーフを続けるバエサは右ローからワンツーを伸ばす。ポンジニビョは圧力をかけ続けるが、手数は少なくクリーンヒットはない。

ローでバランスを崩したポンジニビョの立ち上がり際に、パンチを入れたバエザは隙がない。中央を取り、カーフからパンチを伸ばすバエサがワンツーから左を振るう。懸命にかわしたポンジニビョが右で前に出るが、カーフを蹴られる。外側だけでなく、内側も蹴るバエサに対し、ポンジニビョが被弾覚悟の前進でパンチを伸ばす。

バエサは右フックから左フック、スリップしたポンジニビョに圧を掛ける。左フックを入れ、ジャブから右を当てたバエサはポンジニビョの右ハイをガードし、左インサイドローで削る。さらに右ストレートから右カーフを蹴ったバエザは、ポンジニビョのコンビをブロッキングで防ぎ初回をリードした。

2R、前に出るポンジニビョをカーフで蹴るバエサ。ポンジニビョもワンツーで前に出る。バエサは右前蹴り、そしてカーフ。ポンジニビョはジャブにカーフを合わされ、右ストレートで腰が落ちる。ポンジニビョのダブルレッグを切ったバエサはカーフ、左ロー、そして右アッパーを打ち込む。ポンジニビョもダブルジャブから右を打っていく。手数を増やしたポンジニビョだが、カーフでダメージを蓄積もしていく。バエサは右を当て、左右のフックで前に出る。

これは珍しく力が入っていたバエサは、殴られ、蹴られても前に出てくるポンジニビョのジャブを被弾する数が増えてくる。フックで前に出て右を当てたポンジニビョがワンツー、そして左ジャブを当てる。続くダブルレッグをスプロールしたバエサだが、ジャブから右を打たれる。パンチを捌けなくなってきたバエサは、手数が完全に減りカーフ頼りになりラウンドを取り返された。

思い通りに戦えなくなったバエサ、無敗の誰もが訪れるこの局面を如何に乗り越えるか、勝負の最終回が始まった。ジャブから前に出るポンジニビョは、カーフを蹴られても前に出る。バエサは前蹴りから左ジャブ、そしてカーフを蹴る。ジャブをかわしたポンジニビョだが、右を被弾する。ここから手数が増すポンジニビョが、右ローを蹴る。バエサもワンツーで前に出て、ステップジャブからカーフを蹴る。

左前蹴りからジャブ、右のバエサに対し、ドッグファイト上等のポンジニビョがジャブからワンツーで前に出て、右フックを当てる。バエサはワンツーを被弾し、体の軸を乱しながら拳を振るっていく。残り90秒、声を出してパンチを繰り出すバエサに対し、ポンジニビョがローを蹴っていく。ポンジニビョは左フックを入れ、バエサはアッパーも左右のフックを被弾する。ジャブを入れ、左フックと打ち勝つポンジニビョが、足を止めての打ち合いでバエサのマウスピースを吹き飛ばすフックを入れ、タイムアップを迎えた。

結果はジャッジ3者とも29-28でポンジニビョを支持。「初回? ただのウォームアップだ。26カ月間、試合がなかったんだ。でも一発じゃ俺は終わらない。試合は15分間だ。初回はウォームアップ、戦いはそこからだ。それが俺の戦いだ。足のダメージ? ほとんど死んでいたよ。でも、そんなの関係ない。俺はドクターから、もう戦えないって言われたことがあるんだ。足の蹴り、それが何だ。俺に勝ちたいなら、殺すつもりで戦え。随分と回り道した。でも俺は世界チャンピオンになれる。俺の背中を見ている連中がいる。何をすべきか分かっている。俺はすぐにでも戦う。トップ10と戦いたい。ラテン・アメリカの皆が俺に期待しているんだ。俺は世界チャンピオンになる」と大興奮で、勝者はまくし立てた。

殴られても、殴る。その意志が拳に乗り移ることを学んだバエサも、混乱しながら心が折れ切れることはなかった。この経験を活かし、キレーな戦いをより昇華させてほしい。


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