【UFC ESPN23】オクタゴン髄一のムエタイ・アーチスト=ローマ・ルックンブンミー「食べて練習して眠る」
【写真】前蹴り、首相撲からの崩し。ここまで見事なムエタイを使いこなす選手はUFCにも彼女以外に存在しない(C)Zuffa/UFC
1日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN23「Reyes vs Prochazka」。そしてタイ唯一のUFCファイター=ローマ・ルックンブンミーがサム・ヒューズと戦う。
現状、ワクチン接種が始まった国が多い中、それでも感染者数は世界的に増えている。そしてローマが所属するタイガー・ムエタイも2週間前に閉鎖されたという。
そんな状況でも、彼女はヘッドコーチのジョージ・ヒックマンに全幅の信頼を置き、マイペンランの精神でベガス入りをしていた。
「フィジカル、メンタルとも絶好調よ」
──タイ政府は上手くコロナを防いできましたが、世界中で見られるように4月になってから陽性者の数が多くなっています。プーケットの様子はどうでしたか。
「タイも深刻化が増してきていると思う。でも、私自身は予防対策をしてきたけど、あとは……正直を言えばトレーニングに集中して、そういうことも気にしないようにしてきたから、あまり分かっていない感じで。
政府の方針がどうだかとか、分かっていないけど──タイガー・ムエタイは2週間前に閉められて……」
──おぉ、そうだったのですか……。
「それからはコーチのジョージ・ヒックマンの家の庭とガレージで練習してきたの。マスクを2枚して、すぐに顔を洗い、ジョージの家と自宅の行き来しか移動はしてこなかったわ。
タイガー・ムエタイは規模が大きいし、世界中から選手が集まってきているから危険性も高いし、逆にジョージの家で練習できて良かったと思っている。コーチがいて、練習パートナーの少人数の練習の方が安全だから。
食べて、トレーニングして眠る。それしかやってこなかった。友達とも会わなかったし、本当にそこは気を付けていたから米国に来る前のテストでも陰性だったし」
──前回の試合はアブダビのファイトアイランドでした。今回はベガスです。何が違いはありますか。
「違いは……アブダビに行くより、ラスベガスに来る方が飛行機に乗っている時間が長かったこと。あと時差が米国の方があって大変。でも、それだけ。戦うのに場所は関係ないわ」
──対戦相手のサム・ヒューズの印象を教えてください。
「私は彼女の試合映像は1度しか見ていないの。ジョージがしっかりとチェックしてくれて、私は彼の言っていることを頭に入れる。対戦相手は良い選手だと思うけど、私はジョージの指示を守り、彼女のことよりも自分がどう動くかに重点を置いているの」
──なるほど、ヒューズはLFA時代に距離やタイミングの取り方が非常に上手い印象がありましたが、その辺りもヒックマン・コーチがしっかりと対策を立てているということですね。「きっとそうだと思う(笑)。とにかく練習でもジョージの指示に従ってきたから。ジョージに全幅の信頼を置いているし、彼と練習してきているから自分に自信も持てているわ」
──ローマの一番の敵は対戦相手よりも、体が小さいこと。UFCストロー級では対戦相手が大きすぎるということがあるかと。現状、フィジカル・ストロングスの面で、どのように感じていますか。減量する必要も、まだないように見受けられます。
「減量は、これでも少しはあるの。ただベガスに来てからも普通に食事は摂れているし、あとは最後に水分の調整をすればリミットまで落とせる状況ね。
前の試合からもフィットネス系の練習にはハードに取り組んできたし、体重も増えている。そこに関しても、私のフィジカルを考えたうえでジョージが立てたプランを守っていくだけで。だから、何も心配はしていないわ」
──ローマは男女問わず、オクタゴンで一番のムエタイ・アーチストだと思います。ムエカオの妙技、期待しています。
「もちろん、ムエタイの技術を生かしつつ、MMAファイターとしてどこまで成長したかを見てほしい。そして、ボーナスがもらえるように戦うわ(笑)」