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【Bellator257】計量終了 王者ネムコフの短距離ダッシュの積み重ね✖挑戦者デイヴィスのマラソンMMA

【写真】煽りVでは、デイヴィスがイメージの違うヒップポップ・キャラになっていたが、試合内容がポップになることはないだろう(C)BELLATOR

15日(木・現地時間)、16日(金・同)にコネチカット州アンカスビルのFight sphere=モヒガンサン・アリーナで開催されるBellator257「Nemkov vs Davis 2」の計量が行われた。

プレリミで元フェザー級タイトルコンテンダーのペドロ・カルバーリョと対戦する注目株ジェイジェイ・ウィルソンが1.75ポンドオーバーでキャッチウェイト戦になった以外は、25選手が滞りなく計量を終えている。

メインでBellator世界ライトヘビー級選手権&ワールドGP準々決勝を戦うワジム・ネムコフとフィル・デイヴィスは、計量&フェイスオフとキレキレかつ肌艶が良く、順調な仕上がり具合に見えた。


この両者は2018年11月に対戦しており、その時はネムコフがスプリット判定勝ちを収めている。昨年8月にライアン・ベイダーをハイキックからパウンドアウトし、ベラトール・ライトヘビー級の頂点に立ったネムコフは、同じロシアでもダゲスタンやチェチェンという世界で猛威を振るうコーカサス系でなく、スラブ系のファイターだ。

エメリヤーエンコ・ヒョードルに師事し、コンバットサンボでは2014年の成田大会を含め、4度世界選手権で100キロ級を制している。殴って、蹴って、投げて、パウンド、極めを道着とヘッドギア着用で行うコンバットサンボは、道着なしのMMAという見方がされるが、実際は道着の有無以上に大きな違いが存在する。

それは戦いの質、性格の違いだ。コンバットサンボは常に真っ向勝負、拳が当たり、道着が掴める距離で戦う。その距離感のなかでネムコフは、ウェルラウンダーとしての腕を磨いてきた。

対してNCAA D1を制したフォークスタイルレスラーからMMAに転じ、アライアンスMMAでウェルラウンダーとなったデイヴィスは、勝利する概念が明確に違う。ネムコフの勝利は相手を倒すこと、屈服させることだ。デイヴィスの勝利とは、文字通り勝つこと。

前述したようにネムコフは、真っ向勝負。攻めを全面に打ち出して戦う。一方のデイヴィスは相手の良さを封じ込める。自分がアドバンテージを握り、支配すれば相手が戦闘不能にさせる必要はない。よって打撃に関していえば、ネムコフの距離でデイヴィスが戦うとすればKO直前か、KOされる直前ぐらいだろう。デイヴィスが勝利を模索する間は、蹴りのレンジが最も近い距離と考えても良いぐらいだ。

そこをネムコフが踏み込めば、また下がる。動かせ、あるいは組んで疲弊させるのがデイヴィスのMMAだ。もちろん、ネムコフも北米MMAを理解しているから、無暗に誘いに乗ることはないだろう。それでも前に出ていく数は、ネムコフが増えるに違いない。結果としてミスを犯したり、隙を与える機会も増える。5分✖5Rということを考えると、有利なのはチャレンジャーか。

とはいえ、持久戦に慣れ過ぎた感もあるデイヴィスは、初回や2Rはギアを上げることはないはずだ。冷静な低速ギアも、戦意の低下に通じる可能性がある。その姿勢が仇となり、些細な気持ちの隙を衝き、こじ開けるだけの攻撃力をネムコフは持っている。スタミナさえ使い切らなければ勝ちきれずとも、デイヴィスはポイントを挽回するために早々にアグレッシブな戦いを強いられ、ネムコフが優位に試合展開に持ち込める。

デイヴィスはマラソンMMAで削り、疲弊させることができるか。ネムコフは短距離走を繰り返し、如何にダメージを蓄積させることが可能か。両者のスタミナ配分と、ダメージの蓄積の掛け算がどのような答をサークルケージで弾き出すのか、非常に興味深い。

■視聴方法(予定)
4月17日(土・日本時間)
午前7時~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前10時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator257計量結果

<Bellator世界ライトヘビー級選手権&ワールドGP準々決勝/5分5R>
[王者]ワジム・ネムコフ: 204.5ポンド(92.76キロ)
[挑戦者]フィル・デイヴィス: 205ポンド(92.99キロ)

<ライトヘビー級ワールドGP準々決勝/5分5R>
コーリー・アンダーソン: 204.75ポンド(92.87キロ)
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ: 204.5ポンド(92.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴェタ・オーティアガ: 124.5ポンド(56.47キロ)
デザリー・ヤネス: 125.75ポンド(57.03キロ)

<175ポンド契約/5分3R>
ポール・デイリー: 174.75ポンド(79.26キロ)
サバウ・ホミシ: 175ポンド(79.37キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジュリアス・アンリカス: 205ポンド(92.99キロ)
グレゴリー・ミリアード: 205.5ポンド(93.21キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ジュリア・バッド: 145.25ポンド(65.88キロ)
ダイナ・シウバ: 144.75ポンド(65.65キロ)

<ヘビー級/5分3R>
スティーブ・モウリー: 247ポンド(112.03キロ)
ショーン・アッシャー: 247.25ポンド(112.15キロ)

<ウェルター級/5分3R>
グラチキ・ボジニアン: 170ポンド(77.11キロ)
デマルケス・ジョンソン: 170.75ポンド(77.45キロ)

<ウェルター級/5分3R>
レイモンド・ダニエルズ: 169.75ポンド(76.99キロ)
ピーター・スタノニック: 170ポンド(77.11キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴィクトル・ネムコフ: 205.75ポンド(93.32キロ)
カール・アルベクツソン: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
ペドロ・カルバーリョ: 144.75ポンド(65.65キロ)
ジェイジェイ・ウィルソン: 146.75ポンド(66.56キロ)

<ライト級/5分3R>
ランス・ギブソンJr: 155ポンド(70.31キロ)
マーカス・スリン: 155.25ポンド(70.42キロ)

<フェザー級/5分3R>
ソウル・ロジャース: 145.75ポンド(66.11キロ)
マス・ブーネル: 146ポンド(66.22キロ)

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