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【UFC170】超アスリート&五輪メダリスト決戦、ロンダ×マクマン

Rousey vs McMann

【写真】女子五輪メダリスト同士、柔道家×レスラーの世界戦は、男女間を越えたスーパーカードだ (C)FUKUDA NAOKI/WOWOW & DAVE MANDEL

22 日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターで開催されるUFC170「Rousey vs McMann」。メインの世界女子バンタム級選手試合は、ロンダ・ラウジーにとって3度目の防衛戦で、2度目のメインイベント出場となる。

2008年北京五輪女子柔道ブロンズメダリストと2004年アテネ五輪女子レスリング銀メダリストのサラ・マクマンの一戦は、女子MMAにあって最強のフィジカルを持つファイター同士の対戦といえる。MMAをMMAとして見るとロンダやマクマンよりも、ミーシャ・テイトやリズ・カモーシェ、あるいはシャイナ・ベイズラーの方が完成度は高いかもしれない。

ロンダの試合を見れば、それは明らかだろう。これまでの8試合、全ての試合で腕十字を極めているように抜群の極めの強さを持つ一方で、打撃は課題が多く残っている。ただし、気持ちの強さもまさに一級品のロンダは、パンチを被弾しても下がらない。気持ちが落ちることもない。そしてMMAでは余り見られない払い腰や内股で対戦相手をブン投げてグラウンドに持ち込むことができる。

12月のミーシャ戦では、組んできた瞬間に投げを見せるシーンが幾度と見られたが、それ以前にミーシャが脇を差し胸が合った状態で、内股や払い腰を決めていた点に着目したい。ミーシャに限らず、彼女の対戦相手は首の後に手を回すロンダの荒い組みに対して、バックを取りにいく。MMAとして、ごく当然な動きだ。ここでロンダは背中に回ってきたのを良いことに柔道の投げを容易く仕掛けることが可能になる。

MMAのセオリーにない投げが、MMAのセオリーにそった動きをした人間になぜ、通用するのか。その答がロンダのフィジカルにある。そこでだ、マクマンにロンダの投げは通用するのか。少なくとも、差し合いで首の後に手を回した状態だと、逆に腰をコントロールされて倒されることは十分に考えられる。フィジカルが互角ならば、セオリー通りの動きの方がことをなしやすい。ロンダはこれまでの試合と違い、マクマンにボディロックを許すことは避けたい。

ただし、胸を合わせた状態なら、小外掛け、大内刈り、あるいは支え釣り込み足など、足技でマクマンを崩す可能性の方が高い。一方、マクマンの立場とすれば、柔術のトレーニングを積んでいるが、やはり習性として背中をマットにはつけたくないだろう。仮にマクマンがガードワークを苦にしないだけ、柔術をMMAのなかで消化しているから、挑戦者がグッと有利になる。

ただし、これまでのマクマンの試合を見る限り、トップから柔術的に攻めることはできても、ガードワーク自体殆ど見せたことがない。見せる必要がないのだから致し方ないが、トップからの攻めと比較すれば見劣りするに違いないだろう。同時に、彼女のトップコントロールにしても、MMAのセオリーがあってもフィジカルが彼女に達していない相手だから、あの力強い攻めが可能だったかもしれない。マクマンがトップを取った場合、彼女はロンダのようなフィジカルを持ち、ガードからの極めの強いファイターと対戦したことはない。

ロンダがマクマンに背中を預けるべきでないのと同様に、マクマンがロンダを相手にトップを取っても、そのポジションは安泰ではないといえるだろう。テイクダウンはマクマン、極めはロンダ。その前の打撃の展開は、予想不可能。ということで、女子スーパーアスリート対決は5Rあることを考えると、極めが強いロンダがやや優位――という見立ても成り立つ。

■ UFC170 対戦カード

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ロンダ・ラウジー(米国)
[挑戦者]サラ・マクマン(米国/4位)

<ライトヘビー級/5分3R>
ダニエル・コーミエー(米国/4位※1)
パトリック・カミンズ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ローリー・マクドナルド(カナダ/4位)
デミアン・マイア(ブラジル/6位)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・パイル(米国/15位)
TJ・ウォルドバーガー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ロバート・ワイッタカー(豪州)
スティーブン・トンプソン(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アレクシス・デイヴィス(カナダ/3位)
ジェシカ・アイ(米国/5位)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル/3位)
ペドロ・ムニョス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ギブソン(米国)
アルジャメイン・ステーリング(米国)

<フライ級/5分3R>
ザック・マコウスキー(米国/10位)
ジョシュ・サンポ(米国)

<ライト級/5分3R>
ラフェーロ・オリヴェイラ(ブラジル)
エリック・コク(米国/12位※2)

<ライト級/5分3R>
アーネスト・チャベス(米国)
ヨスデニ・セデーニョ(キューバ)

※1 ヘビー級
※2 フェザー級

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