【Gladiator013】植田豊と復帰戦、佐々木信治─02─「諦めない、それしか取り柄がないので……」
【写真】もう4歳半になった長女・咲耶ちゃんとともに(C)SHINJI SASAKI
7日(日)に大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR 013。第1試合=メインイベントのグラジエイター暫定ライト級王座決定戦で植田豊と対戦する佐々木信治インタビュー後編。
佐々木は2018年5月、バオ・インカン戦で大ケガを負い、度重なる手術を経てカムバックを決意した。
なぜ、これほどの想いをしてまで、またMMAを戦いたいと思うのか。植田戦前にその気持ちを吐露してもらった。
<佐々木信治インタビューPart.01はコチラから>
──人として感情を殺さないといけない。そんな経験までして、また戦いたいと思えるモノなのですね。
「手術を繰り返している期間、正直辛いことは多かったです。そこで、もう一度戦うんだという気持ちがあったから頑張れたというのはあります。
ぶっちゃけ、それでも子供も大きくなってジムの人たちと楽しくやっていると……もうやらないで良いかなという気持ちも出てきたこともありました。ホント、そういう気持ちがどんどんと大きくなってきて。
でも、あの試合のままで現役を辞めることになると、自分が爺さんになって死ぬときとかに後悔するんじゃないかと……。この2つの気持ちを天秤に掛けました。
天秤に掛けたらギリ、試合をするという気持ちが勝ってしまうんです。本当にギリギリのところで。今でもギリ『辞めれん』という気持ちが上回っています」
──凄いですね、プロ格闘家は……。
「でも、練習を再開した時とか全然動けなくて」
──練習を再開したのは、いつ頃なのでしょうか。
「全ての手術が終わってからなので、1年は経っていました。道場生と軽く体を動かし始めたぐらいでも、全く動けていないことは自覚できました。だから、これは時間が必要だと思って。それからまた1年ぐらいしてからですね、感覚が戻ってきたのは。
とは言ってもコロナ禍で、出稽古もできないですし、道場生とやって動けていると思っても、実際に試合をするレベルにあるのかは分からないですからね。
今回の試合が決まってからは、柔術の森戸新士選手が割と近くでやっているので週に2度寝技の練習を一緒にやらせてもらっています」
──いや、近くといっても広島県の岡山寄りの福山から反対側ではないですか。
「そうですね(苦笑)。2時間ぐらい掛かりますね。山口の岩国なので。森戸君と組みをしっかりやって、あれだけ強い選手と練習ができているので、まぁやれるかなという手応えを感じています」
──こういうとアレですが、なぜ修斗や闘裸男ではなくてグラジエイターになったのでしょうか。
「修斗も声は掛けていただいていました。ただ、ちょっと時間的に間に合わないこともあって。闘裸男も四国大会とか出たかったです。やはり想い入れはありますし。そこも会場の大きさやコロナで集客も上限があって、試合を組んでもらうことは申し訳ないですからね。
グラジエイターに関しては和歌山で櫻井代表がやり始めてから、BURTSの選手も良く試合機会を与えてもらっていますし、ウチだけでなく地方の選手を使ってくれています。一生懸命頑張ってくれている櫻井代表とグラジエイターの力になれるのであればと思いました。
ただ復帰戦ですし、暫定王座決定戦とかではなくワンマッチを戦うつもりでいました」
──そこはいきなりのタイトルではないと。
「ハイ。復帰戦でタイトルマッチとかは、申し訳ないですからね。順序を踏むべきですし。それでも望まれたのがタイトル戦で──。ここで『タイトルマッチならできません』という理屈を優先すると、『もう良いか、試合に出なくても。楽しく生きていこう』という気持ちが、天秤で重くなってしまうかもしれないので受けさせてもらいました」
──こんなことを尋ねるべきではないかもしれないですが、怖くないですか。
「怖いですよ(笑)。それはケガをする前から、試合は怖いです。今回はいつも以上、怖いんだと思います。夢を凄く見るんですよ……。植田君に蹴られて、それで目を覚ますような(苦笑)」
──なぜ、そんな想いをしてまで。
「いやぁ分からないです。ホント、天秤に掛けてそっちが少し重いだけで。でも、もう周囲の雰囲気はケガをして過去の人ってなっているように感じましたし、このまま終わると──『大ケガして終わった人』ということになりますよね。それは悔しいというか、納得できないかなって。
だから、次ってことは考えていないです。結果として、動きが良かったら、またどうなるのかというのはありますけど……。逆にまた大ケガをして手術、入院するとことだって起こり得ることなので。そうなると、もう次はないですよね。だから、分からないです──試合後のことは」
──今回、試合をすることに関してお医者さんの見解はどうだったのでしょうか。
「『骨はくっついている』と言われました(笑)」
──……。では植田選手の印象を教えてください。
「彼も長いブランクがあった選手じゃないですか。で、たまたまWardogでの復帰戦を見ていて、目を腫らしながら必死で戦っていて。あの試合を見てから、好きな選手だったんです。
気持ちが強くて、寝技の技術もしっかりある。試合後に話しかけてツイッターをフォローしあっていた仲で。選手として好きなファイターです」
──醍醐味のある組み勝負が展開されることを期待しています。
「そこも……参謀が山崎(剛)さんだし、打撃も相当に練習しているようですからね。一筋縄ではいかないと思っています。だから組みで来るとは思っていないです」
──そういう植田選手に対して、どのような試合をしたいと考えていますか。
「植田選手は今、頑張っている強い選手です。だから──やっぱり最後まで気持ちを切らさない試合をしたいと思っています。諦めない、それしか取り柄がないので……」
■視聴方法(予定)
2月7日(日)
午後2時~ Twit Casting LIVE
■Gladiator013対戦カード
<フェザー級/5分2R>
上嶋佑紀(日本)
ゆうと(日本)
<フライ級/5分2R>
吉村友菊(日本)
木村旬志(日本)
<フェザー級/5分2R>
上田祐樹(日本)
延命そら(日本)
<バンタム級/5分2R>
坪内一将(日本)
植木新(日本)
<ウェルター級/5分2R>
石田拓穂(日本)
鈴木一史(日本)
<ライト級/5分2R>
國頭武(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)
<ライトフライ級/5分2R>
いちょう”Snufkin”ともなが(日本)
ウレタ・チェステル(フィリピン)
<バンタム級/5分2R>
NavE(日本)
藤田健吾(日本)
<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] MIKE(日本)
[挑戦者] 原口央(日本)
<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]竹本啓哉(日本)
[挑戦者]清水俊一(日本)
<Gladiator暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
佐々木信治(日本)
植田豊(日本)