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【ONE116】イベント終了直後の青木真也─01─「綺麗な構えと綺麗な蹴りが好きだから、それを信じている」

【写真】共同バーチャル会見後にONEの協力で単独取材を行うことができた (C)ONE

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE116「Unbreakable」でジェイムス・ナカシマをネッククランクで一蹴した青木真也を大会終了直後にABEMA TVとMMAPLANETが共同で単独取材。

試合が終わった直後の青木が、ファイターから人に戻る狭間の肉声をお届けしたい。


──TシャツのAge is just a Numberという文字に関して共同会見では質問があり、『関係ない。若く見えるでしょ?』という返答をしていました。ただ、その言葉とは対照的に「年齢もあって、いつ落ちてもおかしくない。久々に追い詰められていました」という連絡を試合直後にくれていました。

「落ちていない。僕は今、元気だと思っていますけど、でも年齢ってデータとしてあるじゃないですか。多くのファイターが35歳をピークとして、そこから下降していく。それは事実だと思います。ウェイトトレの数字が上がっているとか、強くなっていると言ったところで。だからいつ落ちるか分からない恐怖は常に持っています。

それが今回かもしれないし。いつ落ちるか分からないというのは考えますよね」

──それは普段の練習でなく、試合で如実に明らかになるというものなのでしょうか。

「いえ、単純にデータです。僕は格闘技が好きだから色々な選手のことを見ているじゃないですか」

──ハイ。

「どんな選手も落ちるんですよ。同じグラップラーのジェイク・シールズですら36、37、38歳で落ちている。PFLで幕を下ろしたのが39歳で。僕も38歳を前にしている。そういうタイミングだから、凄く意識してきたジェイク・シールズでも落ちた。なら、自分が下がってくるというのは感じます」

──ジェイクがブラダボーイに2度敗れた。タイプが違うとはいえ、ナカシマ戦の青木選手の立ち位置は同じでした。下からの突き上げという部分で。

「一番相性が悪い相手ですよ。今回の相手は」

──ストライカーに負けるのは、それはそれで勝負。ただし、レスリング&コントロールの相手に敗れると青木ブランドが崩壊するような顔合わせでした。

「ねぇ。だから相性は抜群に悪かったと思います」

──試合では組む前に蹴りを出した。フォラヤン戦などはありましたが、あのミドルハイの高さの蹴りを今回のように勢いよく蹴っていった印象は過去の試合ではなかったです。

「単純にですね、怖くてダブルレッグに入れなかった。それだけです」

──そこでしっかりと蹴ることができたのは、日々積んできたモノが出たということではないですか。

「打撃はミット打ちなんかでも、日本のMMAファイターの中では綺麗な方だと思います。勉強して、やり込んでいる方だから。特にナカシマがテイクダウンディフェンスに自信があって、打撃をやる構えできたから、これだったら一応立ち会えるよというのは思いました」

──MMAではヒザから出て、腰が詰まらず伸びるムエタイ流の蹴りはあまり見られないです。

「僕、ムエタイが好きじゃないですか。ムエタイが好きで、ムエタイの考え方が好きだから。綺麗な構えと綺麗な蹴りが好きだから、それを信じているという話になるかもしれないです」

──MMAはガチャガチャの文化です。

「僕がガチャガチャできないのは、どうしても年齢があります。年齢があるから反応できないんです」

──……。

「ぴょんぴょんっていう堀口恭司選手みたいな動きをされると反応できない。だから階級も落とせないんです。体重的には落とせても。ゆっくりなリズムでできる限りやりたくて。これは護身術的ですけど、ゆっくりなリズムで戦いたいから年齢も含めて、今の僕に間違っていることだとは思わない」

──そして、打撃でナカシマが崩れました。

「蹴りが割とわき腹に入ったのと、たまたまラッキーだったのですが、組むぞってフェイントで入れて右のフックを振ったのが結構強く、感触があったんですよ。あれがチョット効いたんじゃないかと僕は思っています」

──試合後からラッキーという言葉を連呼していますが、決してラッキーではないと思います。

「いやラッキーでしょう、アレは。ジャブと右ミドルはずっと練習して、アップでも凄く確認していたけど、アレはやっていなかったので」

──2012年の大晦日、アントニオ・マッキー戦でも右を当てて組みついたことがありました。そのパンチが十分に効いていた。このフェイクで当てるということを、試合で2度成功したのですから、それはラッキーではないかと。

「セコンドの宇野さんからも『凄く効いたと思ったし、あの後にパンチでいこうと思わなかったの』って聞かれて。絶対に思わないですって。アハハハ。それぐらい自分のパンチを信じていないです。

組んでバックに回ったときに『あっ、これ効いているかもしれない』って感じて」

──その前にナカシマがワンツーで入ってきたときにケージに詰まりそうになった。でも、すぐに回って間合を取り直せました。

「間に関しては、ずっと飯村(健一・大道塾吉祥寺支部代表)先生から言われていて。『綺麗な構えでゆっくり、近くに行ってゆっくり見る』と。今のMMAからすれば、違う理屈じゃないですか」

──ハイ、確かに。

「サウスポー同士だから、触ることができる距離になれば、とにかく良く見なさい、と。まさにそこの部分で、綺麗な構えでゆっくり、近くというのをやっていました」

──ナカシマの左をしっかりと見て、組むことが出来ました。

「ワンツーはもう全然、『あっ、来た』という感じで。彼はワンツーが綺麗な選手で、岡見さんとの試合もワンツーを効かせていた。で、たまたまダブルアンダーフックを取れました。そこからはイージーというか。割と難しくなかったです」

<この項、続く

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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