【写真】回転するときに注意すべきは、逆の方向(C)MMAPLANET
武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型を使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせないモノであって、その形で戦うことではない。
サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが息を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。
全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンの解析、第6回は両腕受けから転身を追求したい。
<サンチン解析第5回はコチラから>
(01)両腕受けから連載2回の足運びを同じ動作で、左前サンチン。そして連載3回と同じように右手をひき
(02)連載4回と同じ要領で右腕を突き出し、腕受け、両腕受けに。さらに右足を内側に円を描くように一歩前へ
(03)右前サンチンから左手を引き、左の突き、腕受けから
(04)両腕受けに
(05)これまで同じく体にこすりつけるようにヒジを引き
(06)この引手の拳甲を上へ向けながら
(07)右腕受けのヒジの下に拳を上に向けたまで移動させる
(08)ここから右前足を左の真横に移動させ
(09)後方に一気に振り向き、左前サンチンとなる
✖足をずらした時に歩幅が狭いと、振り向いた時にサンチン立ちではなくなってしまい、隙だらけになる
✖✖右足を横でなく、前方=縦に広げてしまい前後の歩幅が広くなり、これもサンチン立ちではなくなる。足をずらして回ることを意識しすぎていることで、生じる動作だ
【注意・上級編】✖✖✖左にずらした右前足、この移動させた力の反作用で回転させない。このような反動で回るということは、ずらした右足に溜めを作って回ることであり、右側に戻ることができなくなる。
ここで戻ろうとすると、右に傾き軸を失ってしまう。つまり振り向く方向に意識が集中し、逆側に意識が回らないで隙ができることに通じる。結果、一方向に対し、意識が偏った状態=居着いた状態となる。
サンチンで後ろを向こうという時に気を付けなければならないのは、実は逆の方向。移動した足に体重を乗せて反作用で回ると、回転動作の本質とは違う動きになる
反動を使わず右足をずらした時には、究極の一挙動「イチ!」で振り向くことによって隙を創り辛くする。サンチンは基本的に前後に隙を創らないための動き。振り向いたときに、後ろ側に隙があるかどうかが、この振りむいた時の動作で判断できる。
※次回、分解組手でこの振りむく動きを解説したい。
<この項、続く>
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