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【DEEP JEWELS30】これぞ前澤智。ラストファイト、ラストラウンドにギロチンで青野から逆転勝ち

【写真】引退試合でも、気持ちが切れることなく逆転勝ちを収めた前澤は穏やか表情で最後の挨拶を行った(C)KEISUKE TAKAZAWA

<DEEP JEWELSアトム級選手権試合/5分3R>
前澤智(日本)
Def.3R0分57秒by ギロチンチョーク
青野ひかる(日本)

右を伸ばしダブルレッグでテイクダウンを決めた青野。おっつけて立ち上がった前澤に対し、青野が後方に倒していく。倒されても即立ち上がる前澤が、腰に担いで投げを打つ。投げられても、トップを取った青野がサイドで抑える。前澤は足を戻してスクランブルへ。すかさず背中を取りボディロックテイクダウンを決めた青野が、テイクダウンゲームでチャンピオンを圧倒する。

ハーフで抑えられた前澤はスイープからスクランブルも、青野が左を差して倒しバックを取る。足を束ね、手を引き寄せつつ頭を押し込んだ青野。背中をマットにつけないよう、金網にもたれる前澤は攻められ続け初回が終わった。

2R、青野は前澤の蹴りに飛び込んでテイクダウンを決め、即バックへ。正座状態から立ち上がる機会を伺う前澤に対し、青野は後方に倒れこんでポジションを取りに行く。その勢いに上を取りに行った前澤だが、青野はさらに反応してトップを取り切る。

ハーフの前澤は、マウント狙いに右手を差し入れて懸命に耐える。一旦抑え、前澤を動かせる青野は立ち上がったところで後方にボディロックテイクダウンを決める。腕十字の青野だが、このクラッチを利して上を取った前澤がバックに回って両足をフックする。残り45秒、手首を掴んで絞めを防ぐ青野を殴る前澤が、腕十字に移行するが極め切れず、時間に。

最終回、現役生活最後の5分で逆転フィニッシュを狙う前澤が、ダブルレッグを切り、腰に乗せて投げる。青野もすぐにスクランブルに持ち込み、ケージに前澤を押し込んでいく。首を取りにヒザを入れた前澤は、ギロチンをセットして後方回転──スイープで上を取る。そのまま絞めると、青野がタップし前澤が逆転で王座防衛に成功した。

ベルトを再び腰に巻き、涙を流したチャンピオンは笑顔を見せ、勝利者トロフィーを高々を掲げる。ここで会場のスクリーンにライバルたち──SARAMI、長野美香、富松恵美、黒部三奈、パク・ジョンウン、浅倉カンナ、浜崎朱加、ハム・ソヒからメッセージを受け、佐伯繁DEEP代表から前澤に花束を贈られる。

そしてマイクを握った前澤は「青野選手、とても強くて。試合前は色々と言ったんですけど、渡部選手が支えてそれに応えている。二人三脚の格闘技人生、私にはできなかったので羨ましかったです。欲を言えばRIZINでもう一度やりたいというのはありました。RENAちゃんとかやりなかったなって思うんですけど……忘れてください。選手生活での私の基準は、死ぬことでした。生きていたいと思わせてくれた旦那に感謝しています。格闘技はたった一つで人生の全部でした。苦しいことも楽しいことも教えてくれ、奪ってはそれ以上のモノを与えてくれました。これから人生という戦いの場で再スタートして、誰かのセコンドでも頑張ろうと思います。人間・前澤智を宜しくお願いします。これまでありがとうございました」と話し、10カウントゴングを聞いた。


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