【UFC249】調整不足は明らか──ペティスがセラーニを振り切るも、勝者・敗者ともに魂の攻防で魅せる
<ウェルター級/5分3R>
アンソニー・ペティス(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ドナルド・セラーニ(米国)
足を使うペティス、セラーニが右ボディを入れる。ここまで、どうしても調整不足が目立つ出場選手たち。セラーニ、ペティス揃って慎重な立ち上がりを見せる。ローに対し、右を当てたペティスが左ハイを狙う。前に出たセラーニは左フックを空振り、跳び蹴りにバックに回るも、すぐに胸を合わされる。ペティスは押し返して離れると、左の跳び蹴りが顔面を捉える。そのままテイクダウンにつないだセラーニがサイドで抑え、ペティスが足を戻し、腕十字へ。セラーニが腕を抜き、試合はスタンドへ戻る。前に出るセラーニの左に、ペティスが右をカウンターで合わせ初回を取ったか。
2R、スイッチから左ハイをペティスが狙う。前に出たセラーニが左フックを振るう。右から左フックをペティスがヒットさせ、セラーニが間合いを計り直す。ペティスもラッシュを掛けず、どうしてもスタミナ・セーブが感じられる試合に。セラーニは飛びヒザの着地に左フックを合わせるも、攻撃が流れとならない。近距離での打撃の交換からセラーニが右ミドルを決め、ペティスも左ミドルを蹴り返す。残り70秒でテイクダウンを決めたセラーニが、立ち上がり際にヒザを狙い、さらに離れ際にハイキックを蹴っていく。
ペティスのダブルレッグを察知され、タイムアップに。要所を締めるファイトは、セラーニがラウンドを取り返した──か。
最終回、まずセラーニが右ミドルを決める。続く組みはペティスが離れ、左を打ち込む。セラーニも左を返し、パンチの応酬はペティスが再び左を届かせる。セラーニが右前蹴り、続いてシングルレッグへ。ペティスが切り、右フック。これまでの蓄積、引き出しの出し合いというファイトのなかで、セラーニのヒザがペティスの腹を捕らえる。直後の左を受け止めたペティスのセラーニの右目に入る。カウボーイのアイポークの抗議もレフェリーが流す。
ここでラッシュをかけたペティスだが、殴り返したセラーニは間合いを取り直して右ハイを顔面に当てる。ペティスは距離を取り、前に出てきたセラーニに左フックを当てる。シングルを狙ったセラーニは、離れ際にハイキック──ここから無酸素の打ち合いで試合を締めた。
調整不足は明らか、それでも魂の限り打ち合った試合はペティスが判定勝ちを収めた。ペティスは「俺たちはここで戦った。それが全てだ」と話した。ベストには程遠い中でのベストを尽くす。しっかりと2人に生き様を見せてもらえた。