【ACA105】人知を超えた??──MMAバトルは、オリヴェイラがシャフブラトフ下しバンタム級王者に
【写真】ACAにブラジル人チャンピオン誕生。ロシア✖ブラジルはMMAの一つの頂点(C)ACA
<ACAバンタム級王座決定戦/5分5R>
ダニエル・オリヴェイラ(ブラジル)
Def. Unanimous Decision
シャミル・シャフブラトフ(ロシア)
サウスポーのシャフブラトフに対し、オリヴェイラが大振りの左右のフックで前に出る。ガードを固めて、距離を取るシャフブラトフが右から左フックを打ち返す。オリヴェイラは右ミドル、ワンツーには右ボディを合わせていく。もう一発右ボディを入れたオリヴェイラだが、この全速力ファイトがいつまでもつのか。
中盤以降は様子見の時間が増えるなか、それでもオリヴェイラが一気に距離を詰めてフックを打っていく。離れてロー、右ジャブを放つシャフブラトフに対し、オリヴェイラはスーパーマンパンチから反対側のケージまでシャフブラトフをフックで追い込む。ケージに詰まったシャフブラトフのボディに右フックを2発入れたオリヴェイラは、足を止めての打ち合いで顔面にパンチを纏められそうになってもボディから、右フックを放ちラウンド終了間際には右フック、ボディ、アッパーと逆にパンチを集中させて初回を取った。
2Rも右オーバーハンドから思いきり踏み込むオリヴェイラが、右ローにつながる。シャフブラトフもローを返したが、スーパーマンパンチを被弾してダウンを喫する。すかさずバックに回ったオリヴェイラは右のパンチ、鉄槌を連打。上を向いたシャフブラトフだが、オリヴェイラはマウントに移行しエルボーを落とす。このエルボー攻撃で両目とも上方をカットさせられたシャフブラトフが、背中を向けて立ち上がって逃げようとするがオリヴェイラはバックに乗り続けて、再び寝技にもちこむ。
RNCで追い込まれるシャフブラトフはケージを蹴って、頭の位置を上げ絞めから逃れることに成功すると、胸を合わせてトップを取り鉄槌を連打していく。シングルから立ち上がったオリヴェイラは、足を止めての打ち合いのなかで右フックを被弾し頭が大きく揺れる。必死にクリンチに持ち込んだオリヴェイラは一本勝ちの好機から一点、逆転負けの危機を乗り切った。
3R、勢いづくシャフブラトフが右ストレートを当て、左右のフックを振るいながら前に出る。右フックを被弾し、体が揺れたオリヴェイラだが、シャフブラトフも攻め疲れを警戒してか一旦動きを止める。続く連打でオリヴェイラを追い込むシャフブラトフに対して、オリヴェイラはクリンチを選択する。両者、疲れダメージが残るなかケージ中央の打撃戦では互いに空振りが増え、そのたびに姿勢が乱れるようになる。
それでも前に出るのはシャフブラトフだったが、オリヴェイラも踏み止まり左フックを当ててローを蹴っていく。さらに右フックをいれたオリヴェイラは、右オーバーハンド、左フックと空振りを繰り返すなかで、驚異的にも勢いを取り戻す。異様な回復力を見せたオリヴェイラに対し、シャフブラトフも右ジャブを続ける。しかし、右フックを受けたシャフブラトフは、右オーバーハンドも被弾しケージに下がるとボディ、右フックを打たれる。
そのシャフブラトフが左右のフックを返すが、要所でオリヴェイラのボディが決まる。さらにローで姿勢を乱したシャフブラトフに、オリヴェイラがパウンドを落とす。と、一気にガス欠となったオリヴェイラが右オーバーハンドを空振りしたあとで、大きく息をついたところでラウンド終了となった。
4R、ハグから戦闘再開となった両者。飛び込むように左右のオーバーハンドを繰り出すオリヴェイラだが、足が前に出ない。スーパーマンパンチに組みついたシャフブラトフが、ケージへ。一度は押し返されながら、再びケージに押し込んだシャフブラトフがアンクルピックでテイクダウンを奪う。
尻もちをつかされた状態が続くオリヴェイラは、足首をコントロールさケージ中央の方に崩されると、半身ながらバックを許す。ついに背中をマットにつけさせられたオリヴィエラは、シャオリン・スイープを潰されハーフで抑え込まれる。シャフブラトフもクローズドに戻され、ガードのなかで有効な攻撃がないままタイムアップに。
最終回もハグを見せた両者──シャフブラトフが組んでケージにドライブしようとするが、オリヴェイラが逆に押し込む。すかして離れたオリヴェイラは左から右を伸ばし、右フックを当てる。シャフブラトフはダブルレッグでケージに押し込むが、上体を潰したオリヴェイラがキムラを仕掛ける。
腕を抜き、離れたシャフブラトフが直後にダブルレッグでテイクダウン。スクランブルからがぶったオリヴェイラは、ケージ際でアッパーを連続で突き上げる。フックを返したシャフブラトフをニータップで倒したオリヴェイラがハーフで試合を落ち着かせ、残り90秒に。
ここからシャフブラトフの動きに合わせてバック、両足をフックしたオリヴェイラがRNCを狙う。防いだシャフブラトフはケージキック&後方回転、リバーサルに成功する。最後の力を振り絞るように左エルボーを落としていくシャフブラトフ。ここでタイムアップに。
足を止めての打ち合い、テイクダウン&スクランブル、さらにグラウンドのトランジッション&サブミッションからのスクランブルと、中盤のガスアウトを乗り越えて動き続けた両者──結果はオリヴェイラに凱歌が挙がり、ACAバンタム級のベルトをその腰に巻いた。