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【ONE】3月度・大沢ケンジのONE勝手にランキング─01─「松嶋は凄く良い勝ち方。ラピクスは驚き」

Iuri Lapicus【写真】マラットを相手に秒殺一本勝ちのラピクスを始め、ニューランクインが目立った(C)

昨日に発表された2020年3月1日付ONE Championship非公認・大沢ケンジ監修非公式ランキング。

団体発表ではない──言ってみれば、大沢ケンジの独断と偏見と、ONEを盛り上げたい気持ちから作成されているランキング。

2月は7日のONE108、28日のONE109の2大会が開催されラング外からランクイン、そして中位以下で興味深い順位変動が見られた。ランク変動=過去1カ月のONEの戦いの最前線を大沢氏に振り返ってもらった。


──2月は7日のジャカルタ大会、そして28日のシンガポール無観客大会があり、中位より下の変動──つまり新しい顔がランキングに影響を与える1カ月となりました。今回は最軽量2階級に動きなく、バンタム級からお願いします。トロイ・ウォーセンが、マイク・アベラルドを破り10位から6位にランクアップしました。

【バンタム級】
C ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)→
1 ケビン・ベリンゴン(フィリピン)→
2 ジョン・リネケル(ブラジル)→
3 ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)→
4 佐藤将光(日本))→
5 ムイン・ガフロフ(タジキスタン)→
6 トロイ・ウォーセン(米国)↑
7 竹中大地(日本)→
8 マーク・アベラルド(ニュージーランド)↓
9 上久保周哉(日本)→
10 レアンドロ・イッサ(ブラジル)→

Worthen「アレ、強いですね。レスラーで打撃が強いイメージはなかったんですけど、左の蹴りが良かったですね。ミドルかハイか分からない軌道で、タイミングもずらしている」

──いざとなったら組みにいけて、テイクダウンが強い。

「絶対に強いです。バンタム級は詰まってきましたね。上と下の差があったのが、下も分厚くなってきて。ウォーセンのような選手が上がってきたことで充実さが表れていると思います。佐藤(将光)もそうだし、上と絡むカードが欲しいですね」

──では続いてフェザー級です。キム・ジェウンに勝った松嶋こよみ選手が1つ上がって3位になり、敗れたジェウンは8位に落ちました。

【フェザー級】
C マーティン・ウェン(豪州)→
1 クリスチャン・リー(米国)→
2 タン・リー(米国))→
3 松嶋こよみ(日本)↑ 
4 ゲイリー・トノン(米国)↓
5 ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル))→
6 中原由貴(日本))→
7 高橋遼伍(日本)↑
8 キム・ジェウン(韓国)↓
9 シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル) →
10 山田哲也(日本)→

Koyomi「松嶋君、トップコンテンダーの1人だと証明しましたね。僕は相手の苦手なところを徹底にしてついていく選手だと思っていたのですが、そうでなくて相手の得意なところでも戦って勝った。凄く良い勝ち方をしてくれたと思います。

今月はフェザー級はこの1試合に集約されていた感があって他に試合がなかったですよね」

──フェザー級に限らず、今年に入って上位が動いているのはストロー級ぐらいですし……。インフィニティ・シリーズという一つの軸ができたことで、タイトル戦線は次期的に隔たりが見られるようになってくるかもしれないです。

「とにかく、フェザー級では少しでも早く中原君の試合が見たいです」

──新型コロナウィルスの関係で中国、韓国、日本人選手の登用が今後どうなっていくのか……ということもありますが、ではライト級へ。HEARTSの江藤選手がアミール・カーンを破り、7位にランクインです。

【ライト級】
C クリスチャン・リー(米国)→
1 ダギ・アサラナリエフ(トルコ)→
2 青木真也(日本)→
3 ローウェン・タイナネス(米国)→
4 ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)→
5 ピーター・バウシュト (オランダ)→
6 エディ・アルバレス(米国)→
7江藤公洋(日本)NEW
8 ユーリ・ラピクス(モルドバ)NEW 
9エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)↓
10アミール・カーン(シンガポール)↓

「まぁ、ウチの江藤もそうなんですけど、注目はユーリ・ラピクスですね。マラット・ガフロフを圧倒して一本勝ちしました。ラピクスは驚きでした。ガフロフが階級上げたというもあるし、短時間での勝利なので実際はどうなのっていうのはあるかもしれないですが……。

ラピクスがガフロフに全く臆していなかったのは驚きですね。実は一度ラピクスと江藤という話があって、映像もチェックしていたんです。正直、『コイツ、緩いな』という気持ちでした」

──もちろん戦績は良いのですが、なんだかドタバタ感がありました。

「そうなんです。対戦相手も強いくなくて、粗いしテイクダウンすればいけると思っていました。今回の試合を見て、確実に爆発力があることが分かりました。まだまだ長引けばどうなるのが……、ダギ(アサラナリエフ)のようになる可能性もあります。これだけフィニッシュしているのは自分の手札から良いカードばっかり切ってくるということだし。とても面白いですよ」

──それでも8位で、ジャンプアップはなかったと。

Eto「う~ん、だから上の凄さですね。公洋の上でも良かったのですが、公洋はアミールっていうライト級でトップで戦ってきた選手に勝ったじゃないですか。

ガフロフはこの階級では結果を残していないので……こういう順位になりました。

まだ分からないというのが、ありますし。ただし、ガフロフを相手にビビらずガンガン行けるっていうのは、無敗の強さ。事故にあっていない選手の特徴です。ライト級もモルドバの選手までいて、世界中から選手が集まっているという感じがしますね」

──そういう面ではラマザノフ、秋山選手がランク入りしたウェルター級も動きがありました。

【ウェルター級】
C キャムラン・アバソフ(タジキスタン)→
1 ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)→
2 ジェイムス・ナカシマ(米国)→
3 テイラー・マグワイア―(米国)→
4 ルイス・サッポ(ブラジル)→
5 アギラン・タニ(インドネシア))→
6 岡見勇信(日本))→
7 コズモ・アレッシャンドリ(ブラジル)→
8 ライモンド・マドメダリエフ
9 ムラット・ラマザノフ(ロシア)NEW
10 秋山成勲(日本)NEW

Ramazanov「ラマザノフ……組みが固いですね。ロシアのどこの選手ですか?」

──ダゲスタンとコールされていましたね。

「またダゲスタンですか。打撃が巧くなれば怖いです」

──ペ先輩に頑張ってほしかったのですが……。

「いや、ぺ・ミョンホにあの試合をするって凄いです。ぺ・ミョンホは15年ぐらい前から、キム・ドンヒョンが慧舟會の練習に連れてきていて、めっちゃ良いヤツなんですよね。本当に良いヤツで、寝技も上手かった。体重の違いがあると、力でなくて技術で相手をしてくれる人間で。その技術も確かだった。

あのぺ・ミョンホを寝技で圧倒すうっていうところは、ラマザノフは強いですよ。いや、ウェルター級も下も詰まってきましたね」

Akiyama──そういうなかでの秋山選手がKO勝ちしランクインを果たしました。

「凄いですね。44歳で立派だと思います。それは同年代で、一緒にやってきたのもありますし、頑張ってほしいです。このウェルター級で、独特の存在感を放っていますからね」

──そしてミドル級も2月にはタイトルコンテンダー争いがあり、デリダ―がアタイジに勝ちました。

【ミドル級】
C オンラ・ンサン(ミャンマー)→
1 ヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)→
2 ライニア・デリダー(オランダ)↑
3 ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)↑
4 レアンドロ・アタイジ(ブラジル)↓
5 長谷川賢(日本)→
6 ファン・ロン(中国)→

de Ridder「まぁ、この試合はどっちでも良いですね(苦笑)。アタイジって本当に柔術家なのか。それを感じさせないフック振りまわしファイターですし……まぁ、それぐらいです。ミドル級は」

──一気に熱の冷めた大沢さんでした(爆)。

<この項、続く

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