この星の格闘技を追いかける

【UFN163】母国凱旋。得体の知れない強さを持つマゴメドシャリポフ✖恐怖を植え付けるケイター

UFN163【写真】無理なく、タイミングと閃きで戦うマゴメドシャリポフ。UFCでいつまで危なげないファイトを続けることができるのだろうか (C)Zuffa LLC/ UFC

9日(土・現地時間)、ロシアはモスクワのCSKAアリーナでUFN163:UFN on ESPN+21「Magomedsharipov vs Kattar」が開催される。

当初の予定ではメインでアレキサンダー・ヴォルコフ✖ジュニオール・ドスサントスのヘビー級マッチが予定されていたが、後者の負傷欠場により吸引器使用が話題となったグレッグ・ハーディーが代役となり、3R制でセミに降格。メインは10月18日のボストン大会で組まれていたフェザー級マッチ=ザビット・マゴメドシャリポフ✖カルヴィン・ケイターがリスケジュールされる形となった。


2017年9月のUFC初出場以来、全く穴の見つからない試合展開で5連勝としているマゴメドシャリポフが、2016年9月のACB以来となる母国でのファイトに挑む。対するケイターもUFCで4勝1敗、ヘナト・モイカノに敗れたもののアンドレ・フィーリやシェーン・バーゴスという活きの良いファイターや、ベテランのリカルド・ラマスを破っている。

180センチの長身で、胸板も厚く肩幅も広いケイターは試合の時はライト級以上、ウェルター級以下ぐらいの大きさに見える。ベースはレスリングだが、リーチの長さを利したボクシングで圧倒的な殴り合いの強さを見せているケイターの特徴は、柔軟な肩にあるだろう。よってリーチの長さでは図れない、しなりのあるパンチを繰り出すことができる。

左に大きくしなるフックを見せた直後に、右ストレートを打ち抜く。これら一発で効かせることができるパンチは、肩の可動域の広さを十分にいかしたオーバーハンド、さらにアッパーという幅を持つ。ケイターはその全ての種類のパンチにKO力があり、一発当てると、えげつない勢いでラッシュをかけていく。この時、ガードもなく、上体も前のめりになっているが、ダメージや痛みと共に恐怖を植え付けられたように対戦相手は動けず、パンチの連打を受け続けてきた。

実に強さが分かりやすいケイターに対し、マゴメドシャリポフは得体の知れない強さを持っているといっても過言でない。上に記したように穴がない。そして無理なく戦う。打撃においては、ジャブ一本で試合を制することもできるだろうし、ガムシャラに出てくる相手を打ち抜く精度の高さは、パンチだけでなく打点の高いヒザ蹴りにも表れている。

同時に警戒して詰めてこない相手には、遠い距離から軸足を変えた二段蹴りや、回転系のキックを蹴り込み、姿勢も乱れず組んでテイクダウンを奪う。テイクダウンに関してもダブルレッグからのリフト、柔道のような腰に担ぐ投げ、ワキを潜ってバックを制してからのスラムや崩しと、数多くの引き出しを持っている。

寝技になれば、密着度の高い抑え込み&コントロールからサブミッションを極めるかと思えば、削ってスクランブル戦という選択肢、どちらも無理なく戦える。これほどまでに攻め手があり、防御能力の高いのだからマゴメドシャリポフは強いに決まっている。ただし、ケイターと違い──その動きに勢いが感じられないのがマゴメドシャリポフだ。瞬発力もパワーもあるのだろう。ただし、タイミングと距離がしっかりしており、強引さがまるでない。いわば時空をコントロールし、対戦相手を分解していくような強さ……つまり得体の知れない強さを持っているわけだ。

そんなマゴメドシャリポフにケイターの強さ、痛さが伝わる勢いに満ちた攻撃が通じるのか。UFCにきても、ACB時代と変わらない強さを持ち続けている──これこそ、マゴメドシャリポフの怖さといえるが、だからこそケイターの勢いをどう封じ込めるのか、あるいはケイターが彼を慌てさせ、恐怖を植え付けることができるのか。そこが見もののファイトとなる。


            
■ UFN163対戦カード

<フェザー級/5分5R>
ザビット・マゴメドシャリポフ(ロシア)
カルヴィン・ケイター(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
グレッグ・ハーディー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ゼリム・イマダエフ(ロシア)
ダニー・ロバーツ(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
エド・ハーマン(米国)
カディス・イブラヒモフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ラマザン・エメエフ(アゼルバイジャン)
アンソニー・マーチン(米国)

<ミドル級/5分3R>
シャミル・ガムザトフ(ロシア)
クレジソン・アブレウ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
ダルシャ・ランジョンブラ(コンゴ民主共和国)

<ライト級/5分3R>
ルスタン・ハビロフ(ロシア)
セルゲイ・カンドスコ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・コピロフ(ロシア)
カール・ロバーソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アブバカル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ダービッド・ザワダ(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
アレクサンドル・ヤコブレフ(ロシア)
ルーズベルト・ロバーツ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク(豪州)
パニー・キアンザド(スウェーデン)

<バンタム級/5分3R>
グリゴリー・ポポフ(ロシア)
デイビー・グラント(英国)

PR
PR

関連記事

Movie