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【ONE92】ルイス・サッポと対戦、LFAからONEに転じたジェイムス・ナカシマ「祖母から強い影響を受けた」

James Nakashima【写真】「目が東洋人っぽい?」というのは先入観でしかなかった……ジェイムス・ナカシマ (C)MMAPLANET

本日、あと2時間後に戦いの火蓋が切って落とされるONE92「Roots of Honor」。同大会でLFAからONE入りを果たしたジェイムス・ナカシマが、サークルケージ2戦目をルイス・サッポと戦う。

北米MMA界のNCAAを標榜するLFAは、UFCに多くの選手を送り出している米国最大のフィーダーショーだ。そのLFAのウェルター級王者がONEと契約した事実は、ONEの存在感が米国で増していること端的に表している。

5月3日のジャカルタ大会では、ベトナム系米国人のタン・リーもONEで戦う。北米からのアジアン・ブラッドの流入──と思われたナカシマという日本の姓を持つファイターのオリジンは非常に意外なモノだった。


──昨年11月にLFAウェルター級王者からONEへステップアップを果たしました。

「ONEはステップアップを図りたい僕にとって、1つのオプションだった。LFAのエド・ソアレスによって僕はステップアップを果たすだけの力をつけることができた。このタイミングで交渉の席についてくれたのが、ONEだったんだ。この素晴らしい団体の一員になれて凄く嬉しいよ」

──LFAチャンピオンがONEを選択するということは、ONEがそれだけ北米MMAシーンで存在感が増しているということでしょうか。

「それはもうチャトリが記者会見で言っている通りだよ。DJ、エディ・アルバレス、セージ・ノースカットが合流したことでも明らかだ。ONEはこれからも大きくなるポテンシャルを持っていて、このスポーツのリーダーになれる。北米のファイターは皆興味を持っているよ」

──北米MMAユニファイドルールからONEのルールや、計量方法へのアジャストは問題なかったですか。

「計量に関しては、全く問題なかった。僕はウェルター級で大きい方ではないし、北米のやり方もONEのやり方のどちらでもパフォーマンスに影響を与えることはないよ。

ルールに関しては、コーチのジョン・クランチが苦労したんじゃないかな。練習相手と僕の試合ルールが違う。僕のためにこのルールに適した練習をしないといけないけど、そのパートナーは北米ルールで戦っている。そこも含めて計量よりもアジャストすることは楽じゃなかった。でも最終的には100パーセント上手くいったよ」

──アジアで戦うことで、北米にはない長旅や時差が存在します

「確かに飛行機に乗っている時間は長い。でも僕は読書が好きだし、映画を見て、眠っているとすぐに着く。何より、違うカルチャーを持つ国を訪れることは最高だよ。

僕はイリノイ州中部のドワイトという小さな農村で育ったから、ONEで戦うようになって自分の知らない世界を訪れることができて凄く嬉しいんだ」

──マニラもその一つだと思いますが、ここで戦うルイス・サッポの印象を教えてください。

「経験豊かで、爆発力がある。そのうえ忍耐力もあって3Rの間、気持ちが途切れることがない。常に思い切った攻撃を仕掛けてくるファイターだ。一番の強みは経験を生かした、気持ちのコントロールだろう」

──そんなサッポと戦ううえでジェイムスのアドバンテージはどこになりますか。

「まず気持ちだよ。それだけは譲ることはない。彼にとっては、しんどい試合展開にするよ。2つ目はどこでもテクニカルに戦えるコトだ。寝技でも立ち技でも、誰とでも戦える。スタンドは今も勉強中だけどね。どんな相手でもバランス良く戦うことができる。でも、やはり2番目の武器はグラウンドかな」

──ナカシマという苗字ですが、日系米国人なのでしょうか。

「あぁ、実は僕の父は日本人ファミリーの養子だったんだ。だから、ナカシマというファミリーネームだけど僕に日本人の血は流れていない」

──なんと、そうだったのですか。LFAのエド・ソアレス代表は「ナカシマは日本人だから、アジアのONEに適している」と言っていましたし、一緒になって「あまり日本人の顔はしていないけど、眼は東洋人っぽいかな」とか言っていたんです。とんでもない先入観でした(笑)。

「アハハハ。僕の祖父はね、初生雌雄鑑別師だったんだよ」

──初生雌雄鑑別師?

「ヒヨコが雄か雌かを見分ける仕事で、凄く特別な知識が必要な専門職なんだ。そして日本が最も優れた育成方法を持っている国だったんだよ。

祖父は日本生まれ、祖母はロサンゼルスで生まれた日系米国人だったんだ。日本のどこにルーツがあるか分からないけど、子供の頃……僕は特に祖母から強い影響を受けた。

もう早くに亡くなったんだけど、祖母から日本的な人を敬う精神、自分を律するということをずっと聞かされていたんだ。日本に行ったことはないけど、祖母が僕に伝えたことこそ、日本のカルチャーだと思っている。祖母に教えられた精神は僕のなかでとても大きな部分を占めているんだ」

──なるほど。ただ単に日本人の血が流れているより、お祖母様の教えはジェイムスを今の日本人より、ずっと本来の日本人らしい人物にしているかもしれないですね。

「そうなんだ……凄く興味深いね」

──きっと日本のMMAファンもジェイムス・ナカシマを応援してくれるはずです。今日はありがとうございました。

「こちらこそ。サンキュー・ソーマッチ」

■ONE92対戦カード

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]マーチン・ウェン(豪州)
[挑戦者]ジャダンバ・ナラントンガラグ(モンゴル)

<ONE世界ストロー級(※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]猿田洋祐(日本)
[挑戦者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
和田竜光(日本)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<68キロ契約/5分3R>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
フー・チャンシン(中国)

<キック・ライトヘビー級/3分3R>
イブラヒム・エルブウニ(モロッコ)
アンドレイ・ストイカ(ルーマニア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ルイス・サッポ(ブラジル)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エドワード・ケリー(フィリピン)
イ・スンジョン(韓国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
クォン・ウォンイル(韓国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)
オグニエン・トピッチ(セルビア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
アフマッド・カイス・ジャスール(アフガニスタン)
シエ・ビン(中国)(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ニコ・ソーナルテ(シンガポール)
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ルーシラー・プーケットトップチーム(タイ)
MOMOTARO(日本)(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビ・ウェン(ベトナム)
ドゥイ・レトノ・ウーラン(インドネシア)

<ストロー級(※61.2キロ)/5分3R>
ラモン・ゴンザレス(フィリピン)
藤沢彰宏(日本)

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