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【UFC234】カン・ギョンホ戦へ向けて、石原夜叉坊─02─「準備万端。もう悲しい想いはさせません!!」

Yasya【写真】思い切ったファイトを見せてほしい、そこに集約される試合だ (C)TERUTO ISHIHARA

10日(日・現地時間)、豪州メルボルンのロッドラバー・アリーナで開催されるUFC234「Whittaker vs Gastelum」でカン・ギョンホと対戦する石原夜叉坊インタビュー後編。

夜叉坊は昨年6月のピョートル・ヤン戦後、日本での活動を中心とするようになり、今回の試合に臨むことになった。サクラメントでの成長を試合に落とし込むことができなかった彼が、帰国したことで「全てが繋がった」という。

あとはオクタゴンの中で見せてもらうのみ。出来上がった……心のエネルギーが満タンになった夜叉坊が、自らに語り掛けるような意気込みを聞いてほしい。

<石原夜叉坊インタビューPart.01はコチラから>


──辛い時に自分を知ってくれる人間の中にいたいというのは年を重ねても同じです。

「ですよね? 僕もそう思ったんです。で最後の最後の1週間はこっちにおろうと思って昨日から大阪に戻って来て。今回の試合のために東京で調整したことも、最後にこっちにおることも正解ですね」

──ところで田中路教選手は「今はチーム・アルファメール・ジャパンで活動するタイミングではない。そうすることで皆が無理する」という発言をしていましたが、夜叉坊選手のなかではチームは健在だと?

「ノリピーは確信がなくても断言する人なんで(笑)。常に自分が正しいと思っているから、そう言うとけば良いです。でもノリピーがチームのことを好きなのは絶対ですし、僕らの繋がりも絶対です。今回の試合だって優作さんとノリピーにセコンドについてもらうし」

──田中選手もメルボルンへ行くのですね。

「ハイ、ヴィザも取れたし(笑)。計量の前の日からですけど、来てもらいます。ノリピーの活って、自分の気持ちが弱くなっている良いタイミングで来よるんです。ノリピーは僕の心が折れる瞬間が分かっているから。僕にはノリピーは必要なんです」

──そして中村選手が2人の間に入って苦しむ……(苦笑)。

「そのバランスが良いんですよ(笑)」

──アハハハ。では、これからもサクラメントと東京のバランスは今回のようになっていく可能性が高いですね。

「次の試合が終わってUFCと契約更新できたら、東京でエェ家賃の家を借りて自分に気合を入れるつもりです。このやり方なら絶対に勝っていけるので。だから……この試合に負けたら、引退します」

──……。

「僕はこれに賭けているんで。カン・ギョンホに勝って、日本でエェ家に住んで日本のMMAを引っ張っていく。ここで自分の人生をひっくり返したいです。僕ね……試合の度に毎度毎度、『俺はイケてる』って言っているじゃないですか?」

──ハイ、確かに(苦笑)。

「それ見返すと、あの時の自分の気持ちとか、どういう状態やったんやって振り返ることができるんです……なんか、ありがとうございます」

──こちらこそ、です(笑)。いつも正直に話してくれる夜叉坊選手だからこそ、活字で見返してもそう思ってもらえるのでしょう。だからこそ言葉でなく結果で見せてよ──ということになります。

「もう、そうッスよ。僕に次はないので、気合をいれてやってきました」

Kang Kyung Ho──対戦相手のカン・ギョンホは2014年9月に田中選手に競り勝っています。

「う~ん、そこは何もないです。あの時はカン・ギョンホに勝てる気はしなかったです。でも、今の自分はイケるとしか思えないので。あのノリピーが『フィジカルが強い』というぐらいなんで強いんでしょう。

向こうだって自分の方が強いと思っているはずです。結局、自分の強味を出した方が勝ち。僕がこの試合で負けるとしたら、1Rと2Rがスクランブルになって削られて動けなくなる。で2R後半ぐらいにミスして、その一個のミスで負けるぐらいなんです。

それ以外ないスからね、負けるところが。自分の弱いところを分かって、そこを徹底的にやってきたから自分の勝ち方も分かっています。自分の強いところを作って戦います」

──ウェルラウンダーとしての技量が上がった部分と、それ以前の威勢の良さを試合でいかに融合させることができるのか。

「いや、ホンマに格闘技って凄いッスよ。噛み合っていないと良さが全く出ない」

──強くなっているのに、強さがでない。そんな試合もありました。

「世界で戦うためにフィジカルを鍛えて来たのに、鍛えた体の使い方が全く分かっていなかったです。向こうでフィジカルを見てくれていた井田(圭介)さんにマジで申し訳ないと思っています。

でも今は全部でつながりました。自分の強い部分を出せるようになった。自信も戻ってきました。倒しどころも分かっています。これまではレスリングとか鍛えて来た部分を考える余りに後手に回っていたのもあるし」

──今なら夜叉坊選手が自分から打ち、そこにテイクダウンを合わせられても自然と反応できるのではないでしょうか。

「自分の動きをしていれば、対処が遅れても反応できるとは思います。こっちがガンガンいっていれば、向こうのテイクダウンが後手ってことなんで反応できる……とか自分のことがより見えるようになってきました。

前は良い時も自分の動きを理解せずに動いていました。だから続けることができなかった。今は良さも悪いところも分かっているので、大丈夫。精神面も併せて、今の状態でカン・ギョンホに負けるなら世界とか無理なんで。ボーダーラインにおる相手をぶっ倒して、契約を更新します」

──試合後に『やったぞ』というインタビューができるよう期待しています。

「準備万端です。僕は出来上がっているし。もう悲しい想いはさせません!!」

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