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【EJJC2019】ミドル級、ミッツがワールドクラスに健闘。バイエンス✖ランガカーは既に名勝負数え唄

1月15日(現地時間・火)から20日(同・日)にかけて、ポルトガルの首都リスボンにあるパヴィラォン・ムルチウソス・ジ・オジヴェラスにてIBJJF(国際柔術連盟)主催のヨーロピアンオープン柔術選手権が開催された。ヨーロッパを中心に、各国から強豪が参戦するこの大会レビュー最終回は、カルペディエムでインストラクターを務めるフランス人、トーマス・ミッツの戦いを中心に、ミドル級の模様を振り返りたい。
Text by Isamu Horiuchi


<ミドル級一回戦/10分1R>
アンドリス・ブルノフスキス(米国)
Def. by 9-2
トーマス・ミッツ(フランス)

引き込んだブルノフスキスは、オープンガードからミッツの左足を内側から掴んでの仕掛けを見せる。ミッツが両足を掴んで抑えにかかると。ブルノフスキスはミッツの左腕にラッソーを作ると、やがてミッツのラペルを絡め、さらには帯まで引き出して互いの左足に巻きつけて握って固定。そこを軸に長い足を用いて内回りや外回りで崩しにかかる。ミッツがなんとか左足を抜くと、ブルノフスキスはすかさずミッツの左腕を得意のオモプラッタで捕獲した。

そのまま上体を起こしたブルノフスキスは、さらに前のめりにプレッシャーをかけてミッツに前転を余儀無くさせると、さらにクルシフィクスの形からミッツの体を後転させて上のポジションを奪い、2点を先制した。

オープンガードを取るミッツに対し、ブルノフスキスは低く体重をかけ、ミッツの左足を押さえつけて右足を担ぐ形でオーバーアンダーパスに。ミッツはブルノフスキスの帯を引き寄せながら進行を阻もうとするが、ブルノフスキスは頭を支点に横に飛び、ミッツの体をまたいで逆向きのマウントの形で座り込んでパスに成功。5-0とした。

ミッツはそこから体を起こしてゆき、正座の姿勢に。ブルノフスキスはミッツの胴に回していた足のフックを解いて下に。これでミッツが2点を返したことになるかと思いきや、ポイントは付かず。

残り4分半。下のブルノフスキスが立ち上がり、しばしスタンドで組み合った両者だが、ブルノフスキスが再び引き込んでクローズドガードに。ミッツが立ち上がってブルノフスキスの足を押し下げにかかると、ブルノフスキスはガードを開いて右でラッソーを作る。

ミッツはバランスを保ちつつ、ブルノフスキスの左足を抑えその体を二つ折りにしてプレッシャーをかけるが、柔軟な体を持つブルノフスキスは膝が自らのアゴにつくような体勢で受け流す。残り2分。ミッツがさらにブルノフスキスの体を二つ折りにして前のめりに体重をかけると、ここでブルノフスキスはラッソーで絡んでいた右足を深く入れてオモプラッタの仕掛け。そのままミッツの首元に右足をねじ込んだブルノフスキスは、ミッツに前転を余儀なくさせて上に。ここで両者の体が場外に出てブレイクとなり、ブルノフスキスにさらに2点加算された。

残り1分少々からのスタンド再開。後のないミッツは自ら引き込んで、片襟を取りつつシットアップで上を狙うがブルノフスキスも一緒に立ち上がる。再びミッツは引き込むと、ブルノフスキスの右足を抑えてシットアップで上になって2点を返すが、ブルノフスキスは下になりながらもミッツの右足を肩で抱えると、そこから後転してすぐに上を取り返す。

上になってもミッツの右足を肩に乗せたままキープしているブルノフスキスは、ミッツの左足を膝で抑えると、右側に担ぎパス。サイドに付かれかけたミッツがなんとか距離を取ってガードに戻したところで試合終了。下からも上からもペースを取り続けたブルノフスキスが快勝して二回戦に駒を進めた。

昨年の世界&アジア大会に続き、またしても世界の強さを肌で知ることとなったミッツ。序盤から相手に先に仕掛けられ、主導権を握られたことが痛かったか。しかし、一昨年のアジア大会決勝で岩崎から一本を奪ったブルノフスキスのオモプラッタを幾度も仕掛けられながら極めさせず凌ぎ、10分間に渡ってトップ、ボトム両方においてこの強豪と渡り合えたのは貴重な収穫だ。事実、ブルノフスキスは次戦では3分足らずで一本勝ちを収めており、準決勝は昨年の世界王者のイザッキ・バイエンスと対戦。僅差で敗れたものの得意のオモプラッタで攻め込む場面を何度も作っている。まぎれもなくワールド・クラスのテクニシャンだ。

決勝ではそのバイエンスと、全試合一本勝ちで上がってきた北欧の旋風トミー・ランガカーによる昨年の世界大会決勝の再戦が実現。前回はひたすら下から一本を狙って仕掛け続け、凌がれて僅差で敗れたランガカーが、今回は作戦を変更しスイープを奪ってトップから攻防を挑む。しかし、バイエンスは抜群の瞬発力とスクランブル力を活かして2度に渡り上を取り返すと、その後のランガカーの猛攻を卓越した反応とバランスでまたしても凌ぎきり、優勝を果たした。すでに名勝負数え歌の様相を呈してきたこの両雄の戦い。世界大会ではそこにガブリエル・アウジェス、マルコス・ティノコらの超強豪が絡むことで、さらに熾烈な争いが繰り広げられることだろう。

■EJJC2019ミドル級リザルト
優勝 イザッキ・バイエンス(ブラジル)
準優勝 トミー・ランガカー(ノルウェー)
3位 アンドリス・ブルノフスキス(米国)
3位 マイケル・リエラ・ジュニア(米国)

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