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【DEEP86】デビュー1年2カ月で北岡悟越え、新ライト級チャンピオン武田光司「投げる気はなかった」

Koji Takeda【写真】デビュー1年2カ月と2日の国内メジャー王座獲得は、朱里の1年1カ月26日に続き──男子では最短記録か(C)MMAPLANET

27日(土)に東京都大田区の大田区総合体育館で開催されたDEEP86レビュー。最終回はDEEPライト級選手権試合の模様と、新チャンピオン武田光司の試合後の声をお届けしたい。


<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
武田光司(日本)
Def.5-0:30.26.30-27.30-27.30-27.29-27
北岡悟(日本)

01サウスポー同士、右ジャブを伸ばして前に出る武田に対し、北岡が右ミドルを見せる。左ストレートを繰り出した北岡は、このまま組まずに打撃の距離に留まる。武田は目線でテイクダウンのフェイクを入れつつ、右ジャブを続ける。北岡もサークリングからテイクダウンのフェイントを織り交ぜスピニングバックフィストへ。

余裕を持ってかわした武田は、北岡の左ハイに続くテイクダウンをいなして左に回る。北岡は右ボディフックを当て、左に回る。中央に陣取る武田が左フックを当て、北岡のテイクダウン狙いを切り、ガードから潜りには急いで離れてスタンドへ戻る。立ち上がった北岡に右ジャブを伸ばし、もう一度ダブルを切った武田は左をヒットさせる。

02北岡も左フックから右ミドルを当てるが、組みは押し返され左から右を被弾する。右ジャブ、左ストレートを入れた武田は、北岡に組ませず残り30秒を切ると、右ジャブを2度当て前に出て来る北岡にパンチを纏め初回をリードした。

032R、北岡の前進&フックに左から右を当てダウンを奪った武田は、ここでもスタンドで待ち受ける。パンチから前に出る北岡に左右のパンチを入れ、テイクダウンを切った武田はケージ際を回る北岡を追いかけてパンチを集中させる。

組みからの引き込みに付き合わない武田が打撃で優勢に立つ。Braveの応援団の武田コールに対し、場内では北岡コールが自然発生、その声の後押しを受けて北岡は右フックを当てる。

04武田が組み技をする気がないことは明らかとなり、ダウンも喫した北岡はここで殴れても殴るスタイルから組みのチャンスを伺うように。しかし、パンチを被弾して足下がふらつき、蹴り足をキャッチされ左を受けて後方にバランスを崩してしまうなど、北岡のダメージは明白だ。深追いせず右ジャブを当てる武田は、シングルを切り引き込んだ北岡にサッカーボールキックを狙う。

立ち上がった北岡は蹴り技とフックにも、武田が素早い右ジャブを突き刺す。ジャブを受け、左に回る北岡の前進からのパンチは当たらない。右ジャブ、右リードフックを当てた武田がビッグラウンドとした。

05インタバール後にドクターチェックを受けた北岡は、よりコンパクトな構えで距離を詰める。ここからは打撃勝負という覚悟の表われか。直後に右フックをヒットさせた北岡は、右を2発被弾しても右フックを打ち返す。武田もジャブを当てて離れるのでなく、中間距離の打ち合いに応じると、またもや北岡の右フックがその顔面を捉える。北岡は近い距離でもパンチを連続で放つようになった武田にテイクダウンを狙い動きを見せ、直後にパンチにつなげる。

北岡はそれでも前に出て左右のフックを決めると、武田のジャブやフックにも前に出続ける。ついに武田の右フックに北岡が右フックを合わせると、後ろに下がった武田が足を止めて打ち合いに応じる。パンチを受けるが、逆転の芽が出て来た北岡が右フックをテンプルにヒットさせ、さらに右フックを3発打ち込む。

06北岡の右フックのタイミングが良くなり、相打ちでも打ち勝ち武田がつんのめる場面も。ここで武田のセコンドの宮田和幸から「ジャブだけで良い。ジャブと足を使え」という指示が出る。

武田はそのアドバイスを守り、1&2Rの動きを取り戻すと、北岡の踏み込みもバックステップで距離を取り、すかさず右ジャブを打つように。振りの大きなパンチが届かなくなった北岡は、ジャブとリードフック──右の攻撃の当てられ続けるようになる。

残り30秒も、周りながらワンツー、スリーまで当てて武田は北岡の攻撃を捌きつつ試合終了を迎えた。マットに大の字になり勝利を確信する武田、コーナーの椅子に座って疲労困憊の北岡はキャンバスを見つめながら、武田の勝利コールを聞き握手をしてすぐにケージを下りた。

レスリングを防御に使い、ジャブで相手を翻弄するという北米レスラーの柔術家対策と同じ戦法で北岡をほぼ完封した武田は、デビュー1年2カ月でDEEPライト級の頂点に立ち、大会終了後の共同会見で以下のように語った(※要約)。

■「一発目で、これは切れると思いました」

Takada

──おめでとうございます。

「ありがとうございます」

──凄い試合でした。

「いえ、とんでもないです。皆は僕がテイクダウンして、北岡選手もがぶったり、テイクダウンが凄く強いので寝技の試合になると思われていたはずです。僕の中では打撃オンリー、テイクダウンは一切しない。組まれたら、すぐに離れる。下から潜って来ても、すぐに離れるという作戦で3R全てできました。作戦が上手くいったというのはあります。組みも寝技も一切やらないという話をずってしてきて、それが型にはまりました。

北岡選手は僕がテイクダウンしたり、投げで来ると予想していたと思うのですが、投げる気はなかったです。打撃を当て続け、KOできればKOしようと。ただ、まだそこまで成長できていなかったです。まだまだ自分の劣る部分が見えたので、1週間ぐらい休憩して徐々にやっていけたら良いかなと思います」

──ジャブの精度が高かったです。

「前まではグラップリングが練習でも6割、7割だったのが、今回はシフトチェンジしました。昼のプロ練習からミット打ち、シチュエーション練習をしていたので、そのなかでジャブが打てたんだと思います」

──初回からテイクダウンは切り続けました。潜りも突き放していました。いつぐらいの段階で、組み技に付き合わないで戦えるという確信が持てましたか。

「一発目ですね。これは切れると思いました」

──先ほど言われた作戦ですが、北米のレスラーばりにレスラーがそのレスリングを防御に使ったものでした。この作戦は宮田和幸選手も一緒に考えたモノですか。

「ハイ、そうです。隙があっても行かないということは徹底してやってきました」

──3Rに北岡選手のパンチが当たり、打ち合いになりそうになった時に宮田選手から「ジャブだけで離れろ」という指示が飛びました。

「めっちゃ聞こえました。アッ、ジャブで良いんだと。あの時は熱くなっているのではなくて、結構もらっていたのでボォっとしてヤバくなり、打ち返さないといけないという焦りでした。1Rと2Rは取っていたのですが、今回の目的はKOかTKOすることだったので、そこは納得できていないです」

──求めている大舞台ではフィフィニッシュも大切になってきます。

「そこに関して僕は天才型でなく、努力してやってきました。だから、今後も同じです。継続して自分に見合った練習をして、基礎練習を続け月日が経ていくとそれだけ強くなると思っています」

──過去最強の相手に挑む戦いは、どのようなモノでしたか。

「試合が終わってマイクでも話しましたが、メチャクチャ怖かったです。本当に1人切りになると眠れなくて、泣き出したりして……。僕はメンタルが強くないので……今日は母と会場に来たのですが、家を出る前に昼ごはんを食べていると試合に行きたくなさ過ぎて、リングに上がりたくないってずっとこぼしていました。

北岡選手が相手というのもあるし、タイトルマッチというのもありました。応援してくれる人達のことは本当に有難いのですが、そこは大きなプレッシャーでもありました」

──どこでスイッチが入りましたか。

「そこは学生の頃にレスリングの大舞台で戦う時と同じで、最終的にはやるしかない、やるのは自分なので、『やるのは俺だ。俺だ、俺だ、俺だ』と言い聞かせてケージに上がりました」

──2試合前に同門の芦田選手がベルトを失ったことで精神的な影響はなかったですか。

「芦田さんと一緒にベルトを巻きたいというのはありましたが、試合直前になると他の人の試合とか気にしなくなるので、そこは関係なかったです。ただ、ここに一緒に座って取材を受けたかったという気持ちは大きいです」

──試合前の応援など、相当なモノでした。

「入場の時とか凄かったです。そこは嬉しい気持ちでいっぱいでした」

──MMAで初タイトルです。改めて今の気持ちを教えてください。

「正直、実感がわいていないです。ここにベルトがあるのが違和感です。時間が経てば、あの北岡選手に勝てたんだと思えるようになるかと思います」

■DEEP86試合結果

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
武田光司(日本)
Def.5-0:30.26.30-27.30-27.30-27.29-27
北岡悟(日本)

<DEEPバンタム級王座決定戦/5分3R>
元谷友貴(日本)
Def.3R4分43秒by RNC
釜谷真(日本)

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
弥益ドミネーター聡志(日本)
Def.5-0:30-27. 30-27. 30-27. 30-27.29-28
芦田崇宏(日本)

<DEEPメガトン級挑戦者決定戦/5分3R>
酒井リヨウ(日本)
Def.2-0:20-18.20-18.19-19
誠吾(日本)

<ウェルター級/5分2R>
悠太(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-17
ANIMAL☆Koji(日本)

<バンタム級/5分2R>
石司晃一(日本)
Def.3-0:20-17.20-18.20-18
ハシャーン・フヒト(日本)

<フライ級/5分2R>
高橋誠(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
中山ハルキ(日本)

<フェザー級/5分2R>
オーロラ☆ユーキ(日本)
Def.1R4分59秒by KO
窪田泰斗(日本)

<フライ級/5分2R>
ランボー宏輔(日本)
Def.2R1分49秒by ギロチンチョーク
石神保貴(日本)

<ライト級/5分2R>
大原樹里(日本)
Draw.1-0:20-18.19-19.19-19
岡村幸範(日本)

<バンタム級/5分2R>
小林博幸(日本)
Draw.1-0:20-18.19-19.19-19
城田和秀(日本)

<フェザー級/5分2R>
高塩竜司(日本)
Def.1R0分08秒by TKO
神田コウヤ(日本)

<ウェルター級/5分2R>
涌井忍(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
川和真(日本)

<ライト級/5分2R>
我妻慎太郎(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
成田五等兵(日本)

<ウェルター級/5分2R>
嶋田伊吹(日本)
Def.1R2分50秒by TKO
KAZUYA(日本)

<フェザー級/5分2R>
町田貴史(日本)
Def.1R4分34秒by RNC
加藤貴大(日本)

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