【WJJC2018】ライト級、岩崎正寛─01─「何が柔術で使えるのか、大量にサンプルを収集してきました」
【写真】写真はヨーロピアンの準優勝後に、銀メダルとともに撮影した時のモノ (C) MMAPLANET
30日(水・現地時間)から6月3日(日・同)にかけてブラジリアン柔術世界選手権=ムンジアルが、カリフォルニア州ロングビーチで開催される。
ヨーロピアン準優勝で、その存在感が増した岩崎正寛が今年も強豪揃いのライト級にエントリーしている。
現地入りしてから、人と話すことも控えて頭を休める。その結果集中力が増すという、独特の直前の調整方法を実践している岩崎に、試合前の過ごし方とこの間のアップデートに関して話を訊いた。
──いよいよムンジアルが迫ってきました。
「ハイ。30日の水曜日に現地に入ります」
──ヨーロピアンで準優勝した時、現地に着いてから何もしないで3日間を過ごしたと言われていましたが、今回も同じような感じで土曜日まで過ごす予定ですか。
「到着が30日だから、1日と2日は休むという感じで何もしないです。どこにも行きたくないし、宿に引きこもっていたいです。汗もかきたくない(笑)。カルペディエムのスタッフの子が試合に出ているので頑張っていたら会場に行くかもしれないですが、全ては自分の体調を優先します。
ヨーロピアン、パン、4月のマリアナス・オープン(180ポンド/81.6キロのトーナメントに出場し、準々決勝でジルベウト・ドゥリーニョに勝利し、準決勝敗退)の時も同じやり方をしました。目の前にビーチが広がっていたんですけど、ホテルの部屋でホラー映画とか見ていました(笑)」
──まるで危ない人ですね(笑)。
「頭を使わないでいると、集中力が戻って来るんです。柔術のことは考えます。でも、外出したり、人と関わると疲れるので、喋るのもしんどくて1人で静かにしています。恐怖心は試合前には出てくると思うのですが、疲れている方がもっと恐怖心が大きくなって、自分で解決できなくなるので。
戦うのは1人だし、自分で納得できる精神状態で戦おうと思っています。食事も果物ばかり食うコトになると思います。向うはカットフルーツが多いので」
──つまりは、それだけ日本で創っていくということですね。
「NYのマルセロ・ガウッシアのところで強い柔術家にどれぐらい自分が通用するのかを試してきました。何が掛かるのか、どんな反応があるのか。そういうことをチェックしてきました。攻めもそうだし、守り方も相手がどう動くのか、どこが動かなくなるのか。そういうテストを繰り返し行って。
これまで日本で柔道、レスリング、ノーギの練習で培ってきたモノを試してきた感じですね。そうすることでサンプルができるので、自信を持って試合で使うことができます。何が柔術で使えるのか、大量にサンプルを収集してきました。NYは選手が多いので、試験管Aとか試験管Bって感じですね(笑)」
──NYから戻ってきて、さらに精査した感じですか。
「大詰めっていうのもあって、何やっても変わらないというのが一番のところでした。特にコンディションの調整に重点を置いていましたね。
マリアナス・オープンの時は79キロまで増やしたので、5キロぐらい減量すると、体のバランスが変わって来るんです。バランスを元に戻す必要があるので、時間を掛けて体重を落としつつ、柔道やレスリングなどバランス系の格闘技をやってきました。なので、すっかりバランスも戻っています」
──万全ということですね。ホベルト・サトシ選手が不在とはいえ、ライト級は右を見ても左を見ても強豪揃いです。
「そうですね、でも毎年のことですし。一人ずつ倒すだけですよ」
──ルーカス・レプリ、JT・トレス、マイケル・ランギ、エドウィン・ナジミ、ヴィトー・オリヴェイラ、セルシーニョと定番の役者が揃うと、ポッと出の新鋭が入り込む余地がなさそうにも感じます。
「エスペン・マティスンがいますね。彼はノルウェー人で、今年のアブダビ・ワールドプロ77キロ級で優勝した選手です」
──そういうライト級で岩崎選手もマークされる立場になりました。
「ちょっとずつ調べられていると思います。向うの記事で紹介されるようになってきたんで。ただマークされたことがなかったので、そこに関しては未知数過ぎて分からないです。でも、僕がやることに変わりはないので」
<この項、続く>