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【UFN130】マクレガーの再来? ティル一色のリバプール大会、トンプソンのカラテを縦の動きで突破できるか

UFN130【写真】円×縦、足下から動き×腰上の動き。非常に楽しみなトンプソン×ティルだ (C) Zuffa LLC/Getty Images

27日(日・現地時間)、英国リバプールのエコー・アリーナでUFC Fight Night130「Thompson vs Till」が開催される。プレミアリーグの2017~2018シーズンの終了から2週間、リバプールもエヴァートンのないマージーサイドの人間が一体になる日がやって来る。


27日の夜、エコー・アリーナを埋めるはファンの全てが、ダレン・ティルのサポーターであることは間違いない。同地出身の25歳、少年期からボクシングを始め、ムエタイを経て名門チーム・カオボンでトレーニングを始めるが、私生活のトラブルでナイフで刺され、命を落としそうになる。

この後、ブラジル人グラップリング・コーチを招いているカオボンのコーチから、ブラジルへの逃避を勧められ半年の予定が、4年も現地で過ごすこととなった。そのブラジルでMMAデビューを果たし12連勝を経て、UFCと契約したティルはオクタゴン初陣となったヴァンデル・オリヴェイラ戦の左エルボーによるパウンドアウト勝利以来、4勝1分けでリバプール凱旋マッチ=スティーブン・トンプソン戦を迎えることとなった。

サウスポーの構えから、強靭なフィジカルを活かした左ストレートを最大の武器とするティルが繰り出す──ワンツーから踏み込んでの左、さらに相手の飛び込みに合わせるカウンターの左は強烈無比の一言。それでも2戦目ではパンチを被弾することも多く、3戦目&4戦目もダウンを奪いながらフィニッシュに至ることはなかった。

そんな状況で昨年10月にドナルド・セラーニ戦を迎え、下馬評&賭け率でアンダードッグだったティルだが、得意のワンツーで左ストレートを打ち込み、さらに左エルボーを効かせてからのラッシュで、あのセラーニを相手に初回KO勝ちを収めてしまった。

この衝撃的な1勝でティル株は急上昇、今や英国系MMAカウンティーではコナー・マクレガーの再来のような空気感さえある。そんなティル・フィーバーを証明するように、今大会はティルのためのイベントで、盛り上げ方もティル一色に染まっている。

ファイターとして、上記にあるようにティルのスタイルは左ストレートの比重が強い。右に関しては、ジャブと仕留めに掛かった時ぐらいしか倒す武器として使うことがないほどだ。そして、セラーニも含め誰もが警戒しているなかで、左の拳を打ち込んできた。

果たしてこの左がトンプソンを捉えることができるのか。既にUFC世界ウェルター級王座に2度挑み、1敗1分のジェントルマンキックの雄は世界王者タイロン・ウッドリーを相手にしても、テイクダウンをかわし距離を外すファイトを貫いた。

その結果、ディフェンシブと捉えられたのか、ウッドリーの前に出る打撃と当てたインパクトで判定を逃した感もあるトンプソンだが、距離のコントロールは極上であり続けている。低くワイドな構えから、ガードは下がり、サイドキックで距離を掴むと飛び込んでストレートを打ち込む。ボクシングやキックボクシングでは0点のようなパンチが、距離とタイミングが合致した踏み込みにより、対戦相手に決定的なダメージを与えることとなる。

さらにストレートの踏み込みから、後ろ回し蹴りを当てることに長けているので、縦の手の攻撃と横の足の攻撃を融合させることが可能だ。UFCにおいても唯一無二の存在といって良い米国カラテ・スタイルのトンプソンの円の動きに対して、ティルが縦の動きで攻めだけでなく、防御できるのかもこの一戦の焦点となろう。

トンプソンは遠い距離で手を下ろしていることで、相手の動きを追うことができる。その一方で、踏み込まれても咄嗟にガードをあげてフック系のパンチに対応できないことがある。対してティルは非常に攻撃的なスタイルながら、見事なスウェイで相手のパンチを見切って、カウンターが打ち込める。

この辺りの攻防の行く末を予見することは、ハッキリにいって不可能だ。だからこそ、楽しみな一戦。この試合でティルがトンプソンを綺麗な形で倒すことになれば、タイトルコンテンダーに一躍躍り出ることになり、トンプソン勝利であれば3度目の王座挑戦権を得る戦いに彼が挑む権利を有している証明となる。

■ UFN130対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ダレン・ティル(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
クレイグ・ホワイト(英国)

<フェザー級/5分3R>
アーノルド・アレン(英国)
マッズ・バーネル(デンマーク)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ(フィンランド)
ジェイソン・ナイト(米国)

<バンタム級/5分3R>
マニー・ベルムデス(米国)
デイビー・グラント(英国)

<ミドル級/5分3R>
エリック・スパイスリー(米国)
ダレン・スチュアート(英国)

<ウェルター級/5分3R>
クラウジオ・シウバ(ブラジル)
ノルディン・タレブ(フランス)

<ミドル級/5分3R>
トム・ブリーズ(英国)
ダニエル・ケリー(豪州)

<ウェルター級/5分3R>
ブラッド・スコット(英国)
カルロ・ペデルソリ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
ギリアン・ロバートソン(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
アライアス・セオドロ(カナダ)
トレバー・スミス(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジナ・マザニー(米国)
リナ・ランズバーグ(スウェーデン)

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