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【WJJC2017】ヘビー級 黒帯1年生ニコラス・メレガリがレアンドロ・ロを破り、優勝

Heavy【写真】ニコラス・メレガリの優勝、我々は新たなる伝説の第一歩を見ることができたのかもしれない(C)MMAPLANET

1日(木・現地時間)から4日(日・同)にかけてカリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドで開催されたブラジリアン柔術世界選手権=ムンジアル。柔術世界一を決定する世界大会レビュー第11回は、番狂わせが起きたヘビー級の模様をお伝えしたい。


014階級制覇を目指す大本命レアンドロ・ロは、準々決勝で強固なバランスを誇るマテウス・ディニズからポイントこそ奪えなかったものの、終始攻撃してレフェリー判定勝利。準決勝はギリャルメ・アウグストに8-0で快勝して順当に決勝進出した。

02もう片方のブロックの準々決勝では、昨年の茶帯世界王者の新鋭ニコラス・メレガリが、ベテランのルーカス・レイチの得意のハーフガードを、上からの強烈なチョーク狙いで二度までも切り崩して圧倒。最後はバックを取っての送り襟絞めで衝撃的な一本勝ちを果たした。

メレガリは、続く準決勝でアリアンシの同門のデミトリアス・ソウザと対戦。片襟片袖を握り、片足を相手の上腕に当てるオーソドックスなオープンガードを取ったメレガリは、一瞬で相手を引きつけての三角絞め。白帯の時に誰もが習うようなもっとも基本的な仕掛けから、見事な極めで──決勝進出を果たしたのだった。

<ヘビー級決勝/10分1R>
ニコラス・メレガリ(ブラジル)
Def. by 2-0
レアンドロ・ロ(ブラジル)

04先に引き込んだメレガリは、デラヒーバガードでロの右足に絡むと、さらにその右手をクロスグリップで取り、空いている足でロのヒザを蹴り、さらに長い足をクロスしてロの左足をトラップする等バランスを崩しにかかる。

05それをロがこらえると、片襟片袖ガードに切り替えたメレガリは、足をロの股間に入れて跳ね上げてのスイープ狙い。ロはこらえたものの、その後もマレガリは準決勝で見せた三角狙いも交えて攻撃を続ける。

06ロはこれらの攻撃を未然に防いではいるものの、とにかく手足の長いメレガリの懐の深さに手こずり守勢に回る場面が目立つ。またメレガリの足は常に高いところにあるので、得意のニースライド・パスに持ち込む機会もなかなか作れない。

07それでもメレガリの両足のズボンを掴んだロは、トリアーダパスで回し捌こうとするが、これもメレガリは素早く反応して防御する。

08ならばとロは、またデラヒーバで右足の絡んできたメレガリの足を押し下げるや否や、瞬時に右に飛んでのパス狙い。メレガリがエビで対応してスクランブルしようと体を反らせると、その先を動いてまたいで一瞬でマウントに。

すぐにメレガリはヒップエスケープによりロの腰を押して距離を取ったものの、この迅速の攻防の中でロに2つのアドバンテージが入った。

09残り3分過ぎ。メレガリは、またしてもロの右足に絡むデラヒーバの形を作ると、ロの奥足を両足でXの字を作って挟んでバランスを崩す。

ここでメレガリは、右手をポストしてバランスを保っているロのラペルを引き出し、それを右ヒザ裏から通し、右腕のさらに上から伸ばした左手で握って持って、ロの右足と右腕を固定する。

10段階を経て複雑な体勢をセットアップしたメレガリは、長い左足をロの左足にかけたまま、ラペルを掴んだ左手で投げを打ってバランスを崩すと、そのままロの右足を抱えて立ち上がり、高く上げて倒すことに成功。

11同時にロのエリを長い手でしっかり掴み押し付けることで、スクランブルを許さずポジションを安定。見事に2点を先制してみせたのだった。

12下になったロは、立っているメレガリの両足を挟み込んで横に崩す得意のスイープに。崩されたメレガリが立ち上がったところに背後に飛びついたが、メレガリはフックを許さずに体をひねって相対することに成功する。

13すると次の瞬間ロは、マレガリの左足を内側から跳ね上げてのスイープへ。再び体勢を崩されたメレガリが立ち上がろうとするところを、足を抱えて猛突進して倒しに行くが、ここで両者の体は場外へ。凄まじい攻防に場内からは大歓声が上がるなか、ロにはアドバンテージが2つ与えられた。しかし、ポイントではメレガリが2-0でリードしたままだ。

14残り約2分の時点で、スタンドから再開。両者引き込むが、ロは上を選択して5つ目のアドバンテージを獲得。メレガリはラッソーガード等、長い足を効かせてロにパスの動きを作らせない。

15タイムアップまで40秒となった時、ロは強引なダイブを見せるも、メレガリはその瞬間大きく足を広げてロをクローズドで捕獲する。さらにロの肩越しに長い腕を伸ばし帯を掴んで固定したメレガリは、最後は両手で閂をしてロの動きを封じ、とうとう試合終了まで守りきってみせた。 

これまで世界大会5連覇中、柔術界におけるパウンド・フォー・パウンドの呼び声高く、今回4階級制覇達成を誰もが疑わなかった帝王レアンドロ・ロを、23歳の新黒帯メレガリが撃破。柔術界の歴史に残る大激闘は、衝撃的な結末とともに、ニュースター誕生を告げるものとなった。

16とはいっても、このメレガリの勝利に、大金星、大波乱などという表現は似つかわしくないのかもしれない。今回の試合ぶりを見る限り、彼が素晴らしい可能性を秘めていることは明らかだからだ。

長い足を武器に、基本的な動きを中心にロにパスガードの機会をなかなか与えない卓越したガードワーク、決勝のスイープの複雑な仕掛けを作りきった技術力、そしてスクランブル名人のロを抑えてスイープを完遂した決定力。逆にロの猛反撃をもらいながらも、得点を許さなかったスクランブル力も出色だ。

また、準々決勝でルーカス・レイチのハーフガードを破壊したように上からの攻撃力も圧巻で、さらに準決勝ではごくオーソドックスなセットアップから三角を取るなど極めの力も抜群だ。この超新星が今後、ロに変わってこの階級を支配する可能性すらある。

一方、今回敗れたロはヘビー級で戦うことで、動き続けるというスタイルでなく、力を一気にためて爆発させるようなスタイルにアジャストしてきた。何に増して、抜群の対応力の持ち主──かつて一度キーナン・コーネリアスのワームガード戦法に敗れたロは、その対処法をすぐにマスターし、以後はコーネリアスに連勝している──だけに、再び両者が相対する時は、どれだけ進化した攻防が見られるのか、今から楽しみだ。

■リザルト
【ヘビー級】
優勝 ニコラス・メレガリ(ブラジル)
準優勝 レアンドロ・ロ(ブラジル)
3位 デミトリアス・ソウザ(ブラジル)
3位 ギリャルメ・アウグスト(ブラジル)

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