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【WEC41】ユライア王座奪還へ、求められるスタイルの変化

(C) ZUFFAいよいよ今週末、6月7日(日・現地時間)、米国カリフォルニア州サクラメントのアルコ・アリーナでWEC41『BROWN vs FABER 2』が開催される。

【写真】レオナルド・ガルシアとの防衛戦で、その穴のない強さを見せつけた王者マイク・ブラウン (C) ZUFFA

噂されたPPVは実現せず、VERSUS TVでライブ中継となった同大会。地元サクラメントに1年振りの凱旋となるユライア・フェイバーは、昨年こそWEC世界フェザー級王者として防衛戦に挑む立場だったが、一転、今年の凱旋マッチは王者マイク・ブラウンへの挑戦者という立場だ。

07年のズッファによるWEC買収劇より、その発展の象徴的な存在だったユライアだが、昨年11月にブラウンの手によって虎の子のベルトを奪われてしまった。

レスリングベースに、攻めのムエタイ、守りのブラジリアン柔術というエレメントを加えて確立させたユライアのアグレッシブなスタイル。王座を失った試合で見せたような――無理な態勢からのエルボーや必要以上のアグレッシブさで墓穴を掘ることもあるが、だからこそベルトを巻いていなくとも、彼に対するファンの支持は衰えることを知らない。


一見、雑な面があるものの、24戦のキャリアで喫した敗北は2試合のみ。ブラウン戦以外の敗戦は、タイソン・グリフィンに喫したもの。今や北米には10連勝中以上のレコードを持つ新鋭は掃いて捨てるほど存在するが、フェザー級という階級が成立する以前にキャリアの一歩を踏み出したユライアには、ライト級で戦うというハンディがいつも付きまとっていたことを忘れてはならない。

Faber(C) ZUFFA【写真】脱アグレッシブはなるか。その積極性がファンの支持を得ているだけに、難しい判断となるユライアだ (C) ZUFFA

ハワイの技師ラミ・ボウカイ、イーベン・カネシロや日本のベテラン阿部裕幸を破ったキャリア早期、ショーン・ビアス、アイヴァン・メンジバー、コール・エスコヴェド、植松直哉、ビビアーノ・フェルナンデスという強豪を下したグラジエイター・チャレンジ&KOTC王者時代、さらにWEC進出後もドミニク・クルーズ、ジェフ・カーラン、ジェンス・パルバーという実力者たちを倒し続けてきたユライア。アグレッシブ過ぎるが故、試合の序盤でピンチに陥ることもある。しかし、そのディフェンス能力は積極性の前に霞みがちだが、決定的なシーンに追い込まれたことはほぼないといってもいい。

初めて経験した決定的に危ないシーン、それが王座を失ったブラウン戦だった。そんな今年でキャリア8年目となるブラウンもまた、デビュー後4年間に渡ってライト級でのファイトを強いられている。

デビュー3戦目にエルミス・フランカに敗れた当時など、これといった印象をあわせ持つ選手には感じられなかったが、全ての勝利が関節技かTKO勝ちという状態が続くなかで、UFC出場経験もあるリーグ・レメディオスを判定ながら下し、UFC進出を果たすことになった。

このとき、ブラウンを三角十字で破ったのが、今は引退した須藤元気だ。以降、日本のDOGやDEEPフェザー級トーナメントに参加するなど、日本との関わり合いこそ増えたものの、米国では依然としてライト級で戦うことも少なくなかった。

日本マットとは、第1回HERO’Sミドル級トーナメントの一回戦、諸事情によりJZ・カバウカンチ(カルバン)の代役としてスタンバっていたことが、現時点で最後の関わりとなっている。

その後、ボードッグなどを経てWECと契約を結んだブラウン。その2戦目で王座挑戦のチャンスを掴み、前述したようにユライアを撃破し、世界王座を獲得した。

ただし、それまでの地味な印象と、ユライアの自爆が注目された王座奪取だったたけに、決して注目度の高いファイターではなかった。それが3月の初防衛戦で、UFC時代から強烈なパンチ攻撃で強いインパクトを残してきたレオナルド・ガルシアを相手に、右クロスでダウンを奪い、抜群のバックコントロールからのパウンド、そしてチョークからポジションをキープし肩固めで勝利するという完勝で、その実力者振りを印象づけた。

この間、パルヴァーとの早すぎる再戦にボディブローからギロチンで勝利したユライアと、両者の試合を観察すれば、ブラウン有利という声は多くなる。ともに勝機を逃さない勝負勘に優れているファイターだが、やはり丁寧さという部分で、ブラウンがユライアを上回る。

なぜユライアがアグレッシブなファイトを信条とできるのか。それは彼が対戦相手を上回るフィジカルを誇っていたからこそ。ブラウンはライト級を超えた肉体を持つフェザー級王者だ。つまり、ユライアが勝機を握るには、慎重に戦うことができるか否かに掛かっている。これまで常にアグレッシブだった彼が、そのスタイルをアジャストできるようなことがあれば、勝負は互角の様相を呈し、地元ファンの後押しを受けたユライアに、より勝機が巡ってくるだろう。

ズッファが望むユライア政権、そしてジョゼ・アルドという最強のコンテンダーが控える今回のWECフェザー級戦線は、本来の行方とともに、その後まで気になる戦いとなる。

■WEC41 対戦予定カード

<WEC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]マイク・ブラウン(米国)
[挑戦者]ユライア・フェイバー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョゼ・アルド(ブラジル)
カブ・スワンソン(米国)

<ライト級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
ジェイムス・クラウザ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・グリスピ(米国)
ジェンス・パルバー(米国)

<フェザー級/5分3R>
マニー・ガンバーリャン(米国)
ジョン・フランチ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・リベーロ(ブラジル)
カイル・ディーツ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・キャンベル(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<バンタム級/5分3R>
スコット・ヨルゲンセン(米国)
アントニオ・バヌエロス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ノア・トーマス(米国)
フランク・ゴメス(米国)

<バンタム級/5分3R>
セス・ダイクン(米国)
ロナルド・ペレス(米国)

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