【AJJC2016】レビュー<01>橋本知之、歴史を変えるルースター優勝。嶋田裕太はLF級完全制覇
【写真】日本の柔術界の歴史が変わった勝利といっても過言でない橋本の芝本越え。嶋田のライトフェザー級制覇と、紫、茶帯で世界で戦う重要性が確認された両者の優勝だ(C)MMAPLANET
10&11日、東京都足立区の東京武道館で国際ブラジリアン柔術連盟=IBJJF主催のアジア柔術選手権2016(Asian Jiu-Jitsu Championship 2016)が開催された。日本で開催されるブラジリアン柔術で最大級のトーナメントであるアジア選手権。アジア・ナンバーワンの座を目指し、国内トップが勢揃いして来年のムンジアルへのチケット(※ポイント)を争うのは当然として、躍進する韓国やアジア在住の強豪ブラジリアン、本場ブラジルや米国からの参加者が集まる黒帯の戦いの模様をまずは最軽量ルースターとライトフェザー級から振り返りたい。
【ルースター級】
芝本幸司と橋本知之の対戦に注目が集まった。まず1回戦は芝本が木村太郎と対戦してわずか30秒、ベリンボロからバックを奪い、送り襟絞めを極めて完勝。全日本選手権1回戦と同じ内容で勝利した芝本に続き、橋本は戸所誠哲と対戦した。まずテイクダウンのアドバンテージを先取した橋本は、以降ベリンボロやオモプラッタからバックを狙う動きでアドバンテージを重ね、結果アドバン4-1で戸所を下した。
決勝は大方の予想通り、昨年と同じく芝本×橋本の一戦に。試合内容も昨年の初対決をトレースするかのように、ダブルガードから芝本が体を起こしてアドバンテージ1を獲得。橋本のベリンボロをディフェンスしながらアドバン1差を守るとい展開となった。さらに4分すぎ、橋本がスイープで2Pをゲットすると、すぐさま芝本が同じくスイープで2Pを奪い返し、これもまた展開まで昨年と同じに……。
しかし、試合終了直前に昨年とは違うプロットが用意されていた。ポイント2-2、アドバン1-0で芝本の勝利が目前となった残り30秒で、橋本がスイープで芝本に尻もちをつかせてアドバンテージを奪取し同点に。
さらにズボンを掴みダブルレッグを狙う橋本に対し、芝本は帯取り返しを仕掛けるも、踏ん張った橋本は返されず左手で芝本の右足のズボンをしっかりと引き寄せ、尻もちをつかせる。この逆転アドバンテージをゲットしたところで、試合はタイムアップに。橋本が逆転勝利を収め、リベンジに成功するとともにアジア初制覇を果たした。
【ライトフェザー級】
黒帯初挑戦となる嶋田裕太が勝ち上がったライトフェザー級。1回戦は江端講平からバックを奪い4-0で勝利。2回戦は大会前のインタビューで対戦を希望していた加古拓渡を、なんと20-0の大差をつけて下す。さらに準決勝では山田秀之に4分07秒、RNCを極めるなど、道着とノーギを上手く融合させた高度なグラップリング技術──圧倒的な強さを見せつけた。
決勝の相手は、昨年のアジア王者・宮地一裕だ。序盤に宮地の腕十字を凌いだ嶋田は、パスガードで3Pを奪取。さらにダブルガードの攻防から起き上がり、2Pを追加する。後半、宮地の命綱ともいえるアキレスを余裕を持って凌いだ嶋田はトップをキープし、試合終了。5-0で勝利するとともに、黒帯初挑戦ながらアジア制覇、2年間のムンジアル出場権を獲得した。
■リザルト
【アダルト黒帯ルースター級】
優勝 橋本知之(カルペディエム)
準優勝 芝本幸司(トライフォース柔術アカデミー)
3位 木村太郎(ドラゴンズデン)、戸所誠哲(パラエストラ)
【アダルト黒帯ライトフェザー級】
優勝 嶋田裕太(ネクサセンス)
準優勝 宮地一裕(修斗ジムroots)
3位 山田秀之(トライフォース柔術アカデミー)、ヘネ・エドゥアウド・ロペス(ダナム柔術)