この星の格闘技を追いかける

【Interview】VTJ 1st 米国フライ級の隠れた実力者モナヒュー

2012.12.23

Montague

【写真】1987年11月3日生まれの25歳。ホテルの浴衣姿で写真に収まりたいというお茶目な面も見せていたダレル・モナヒュー、UFCレベルのファイターだ (C) MMAPLANET

24日(月)、東京・代々木競技場第2体育館で行われる「VTJ 1st」で日本が誇る軽量級ファイターのマモルと戦うダレル・モナヒュー、TPF前フライ級王者のモナヒューにとって、マモルは常に注目し背中を追ってきたファイターだった。

日本ではまだ無名に近い、軽量級の実力者の格闘技キャリアとマモル戦について尋ねた。

――日本のハードコアMMAファンの間で、ダレルはフライ級の精鋭として名前が通っていますが、カジュアル・ファンの間ではどんなファイターが浸透していない面もあります。もともとダレルがMMAを始めたきっかけを教えてもらえますか。

「父親がマーシャルアーツの大ファンで子供のころからマーシャルアーツ・ムービーやUFCを父と一緒に見ていたんだ。UFCで小さなホイス・グレイシーが優勝したのも見ていたよ。子供の頃からずっとMMAの試合を見てきて、空手の稽古をしていてサイドキックとか、型をやっていた(笑)。

14歳のときにボクチン・ムエタイという小さなジムで柔術を初め、同時にハイスクールでレスリングをしていたとき、コーチの一人がマニー・タピアだった」

――WECで活躍していたマニー・タピアですか。

「そうだよ。16歳で彼が練習していたミレニアに移った。オンタリオにあった2番目のロケーションの時代だよ。ミレニアはポモナにあった時代から、多くのトップファイターが在籍していたジムだと聞いていたんだ。今もその伝統は続いているよ」

――TPFの試合を見た時、ダレルはストライカーだと思っていました。

「それは対戦相手がレスラーや柔術の黒帯だったから、打撃を主に戦っていただけで、自分ではオールラウンダーだと思っている。打撃を得意とするファイターならテイクダウンを狙うし、レスラー相手ならスタンドで戦うよ。ずっと柔術とレスリングをやってきたからね。

ただ、対戦相手によって戦い方は変えるけど、どちらかというと打撃の方が好きなんだ。ブルース・リーのようにタッチ・タッチ・タッチ、そして離れるという風に戦いたい。相手が前に出てくるところをカウンターで撃退すると、すぐに距離を取りなおす。そんなブルース・リーの戦い方が理想なんだ(笑)。相手のパンチを貰わずに、自分だけ当てる。綺麗な顔で試合を終えたい」

――キャリア36戦のベテラン、マモル選手を相手にしてもそのような試合を?

「僕はずっと彼の試合をチェックしてきたし、その戦い方を自分に投影した部分もあった。そんな彼と戦えることを本当に楽しみにしている。僕がもっと若かった頃、フライ級なんて米国にはなかった。でも、僕はとてもライト級で戦えるだけの体はない。

そんな僕にとって日本は憧れの地だったんだ。マモル、BJ・コジマ、ウルシタニ――彼らの修斗の試合をいつもフォローしていた。マモルは髪型だけでなく、スタイルも非常にユニークだ」

――日本でも最も早くムエタイをMMAに取り入れたファイターです。

「本当に危険なタイ・クリンチを持っている。そこから繰り出されるヒザ、エルボー。それに蹴りやボクシングも良い。だから、彼の試合をずっとチェックしてきた。TPFで同じ夜に戦うだけでも、本当に嬉しかった。

年は35歳になっているけど、今も非常に危険だし、凄くリスペクトしている。26勝とかしているんだよね。そして、世界のトップと戦い続けてきた。僕らはよく似たスタイルだけど、僕の方が少し背が高くて、運動能力が高いかな」

――彼が主戦場としていた修斗は、リングを使用しています。ケージでの戦いという部分で、ダレルにアドンバージはないでしょうか。

「いや、ケージを背にしての彼のクリンチは素晴らしいよ。テイクダウン・ディフェンスも優れているし、近づいて戦うのは危ないと思う。ただ、勝つために必要であればケージに押し込んでいく。僕の方が力はあるだろうし」

――マモル選手の組技に対しては、どのような認識を持っていますか。

「背中は許すけど、ディフェンス能力は高いよ。仮に試合がグラウンドにいっても、一本を取ることは難しいだろう。パウンドアウトを狙うよ」

――迫力ある打撃の交換もファンに喜ばれるでしょうが、二人の戦いは間合い、距離感を楽しませていただきます。

「そこだよね、キーポイントになるのは(笑)。カウンターを狙いたいけど、彼は経験が豊富でレスラーのように大きなパンチを振り回してくるなんてことはない。マモルが僕の攻撃に対して大きなドアを開けて、待っているなんてことは考えられないし、ミスを犯すこともまずないだろう。そこが、また楽しみなんだよ」

■VTJ 1st対戦カード

<135ポンド契約/5分3R>
佐藤ルミナ(日本)
所英男(日本)

<155ポンド契約/5分3R>
弘中邦佳(日本)
カーロ・プラター(米国)

<125ポンド契約/5分3R>
マモル(日本)
ダレル・モナヒュー(米国)

<135ポンド契約/5分3R>
堀口恭司(日本)
イアン・ラブランド(米国)

<115ポンド契約/5分2R>
藤井 惠(日本)
V.V.Mei(日本)

<136ポンド契約/5分3R>
リオン武(日本)
大沢ケンジ(日本)

<177ポンド契約/5分3R>
中村K太郎(日本)
鈴木信達(日本)

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