【UFN44】骨折ラマスが勝利も、観客はケージ際の攻防に無関心?
<フェザー級/5分3R>
リカルド・ラマス(米国/3位)
Def.3-0:30-27、30-27、29-28
ハクラン・ディアス(ブラジル)
フェザー級の実力者対決。ディアスが重いローを入れるも、ラマスも軽快なステップからローを返す。ならばとローを再度蹴り込むディアスが左ジャブを伸ばす。ラマスの左ジャブに、右クロスを合わせたディアス、ラマスは一瞬面食らったような表情を浮かべる。左から右を放つディアスは、ここまではテイクダウンは狙わない。ラマスの十八番ギロチンを警戒しているのか。と、残り2分になりディアスは、シングルで組みついてケージにラマスを押し込む。ラマスは両ワキを差し返して、逆にディアスをケージに押し込むと、ダブルレッグでテイクダウンを狙う。
頭を押し、股間の下でクラッチを組んだディアスは、リフトされそうになりクラッチを解く。残り45秒を切り、レフェリーがブレイクを命じる。試合がスタンドに戻ると、ディアスは右を伸ばし、ラマスは左で迎え撃って右ロー。続くラマスのハイキックがディアスの頭部をかすめたところで、イーブンな初回が終わった。
2R、今度はすぐに組みついたディアスだったが、ラマスが体を入れ替えてシングルから足を引くようにして右へ回りバックへ。ディアスはクラッチを剥がして、左手を巻いて胸を合わせる。すぐに距離を取ったディアスに対し、ラマスは左ジャブ。ローを受けると、ここでも組んでシングルでディアスをケージに押し込む。ダブルに切り替えたラマス、ディアスが態勢を入れかえると距離を取り直す。
左の相打ちの後、ディアスの右を受けてラマスが崩れる。ダウンを逃れるように組みついたラマスは、ボディロックからディアスに尻餅をつかせる。すぐに立ち上がったディアスは、ラマスがダブルレッグを諦めると、打撃戦からダブルレッグを仕掛ける。ケージ際の攻防から離れると、パンチの交換のあとでラマスが組んだところでタイムアップに。パンチで姿勢を乱したラマスが、ラウンドを落したか。
3R、シングルで組み、ボディロックでテイクダウンを奪ったラマス。ディアスのスイッチにも反応しバックコントロールを譲らない。と、崩しから両足をフックしたラマスが、スタンドでRNCを仕掛ける。ディアスは慌てず前方にラマスを振り落すと、ダブルレッグへ。ラマスのギロチンを苦にせず、首を引抜いてトップを奪取する。ラマスはバタフライ・ガードから足を伸ばし、隙間を作って立ち上がろうとするも、ディアスは背中に回り込もうと試みる。ラマスも胸を合せて立ち上がるなど、力の入った組技が続く。
残り2分を切り、ディアスがバックへ。亀になったラマスは腹固めを逃れ、トップを取る。ディアスもワキを潜って立ち上がる。蹴りからダブルレッグ、体を振ってバックに回ったラマス。ケージ際の攻防も動きが途切れないため、レフェリーがブレイクを命じることができない。ラマスのシングルからダブルに頭を押して耐えるディアス、このままタイムアップを迎えた両者は、観客の反応のないところで健闘を称えあった。結果、30-27が2人、29-28が1人でラマスが判定勝ちに。勝者ラマスは右腕を折ったことを勝利者インタビューで明らかにしたが、パンチでダウンを奪われたラウンドもポイントを取ったおかしな判定も、ブーイングは起らない。何となく手数と雰囲気で――ポイントをつけているとしか思えない裁定結果だった。