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【OFC15】川那子に雪辱果たしたロブ・リシタ 「JMMAの大ファン」

2014.05.13

Rob Lisita

【写真】1983年2月27日生まれのロブ・リシタ。豪州ニューサウスウェールズ州出身だが、今はタイ在住でMMAキャリアは14勝5敗。フェザー級転向後は6勝1敗、31歳だが渋さが滲み出ている (C)MMAPLANET

2日(金・現地時間)、フィリピンのマニラで行われたOFC15「Rise Of Heroes」で川那子祐輔を僅か28秒でKOしたロブ・リシタ。2012年8月にLegend FCフェザー級王者だった川那子に挑戦し、判定負けを喫した雪辱を果たした。OFCフェザー級戦線で一躍トップに躍り出たOZファイターに大会当日の夜に話を聞いた。

──秒殺KO勝ちでリベンジを果たしました。

「素晴らしい気持ちだ。前回の試合の敗北を払拭できたよ。カワナゴによって、僕は変わることができた。彼と戦い、負けたことで僕はより良いファイターになり、より良い人間になることができたんだ。カワナゴとは去年、プーケット・トップチームで一緒に練習もしたし、彼は僕の友人だ。今夜の試合は兄弟で戦っているようなものだった……。今も彼のことを心から尊敬している。そして今日、彼に勝つことが出来て、フェザー級では誰にも負けないという自信がついたよ」

──前回、川那子選手とLFCで戦った当時、ロブは打撃も使いますが、どちらかといえばテイクダウンを得意としたグラップラーという印象が強かったです。

「そうだね。前にカワナゴと戦った時は、タイで練習するようになって初めての試合だったんだ。そして、パンチよりも蹴りの練習ばかりしていた。タイだからね。やはりムエタイ流だったんだ。当時からレスリングと柔術には自信があったし、キックとグラップリングで戦うつもりだった。カワナゴがヒザを多用するから、自分も蹴りで対抗しようと思ったんだ。本当は打撃ならボクシングの方がずっと好きだったのに。マニー・パッキャオは僕のヒーローだしね。

あの試合で負けて、自分の好きなスタイルで戦おう。自分が見るのが好きな戦い方をしようって考えを変えた。そしてボクシングの練習をずっと増やした。豪州で2年前から始まったコンバット8というMMMAグローブをつけたボクシング・ルールの試合にも出場したよ」

──MMAグローブをつけたボクシングですか?

「そう。6オンスのMMAグローブで蹴りは認められていない。ただし、3分×3Rの試合で1Rにつき30秒だけグラウンドファイトが認められている。キューブと呼ばれている四角形の金網のなかで戦うんだ」

──オージー・フットボールならぬ、オージーMMAあるいはオージー・ボクシング。強烈なルールですね。

「全くもってクレイジーな戦いさ(笑)。ただし、そんなルールで実際に人を殴ることで自分のパンチをより選別できるようになった。カワナゴに負けたことで、自分らしく戦うことの重要性を学んだ。自分の見たい試合、そんな戦いはファンだって好きな試合のはずだ。そしてコンバット8でパンチに磨きをかけ、自分の好きなMMAが戦えるようになった」

──なるほど。今回の試合でも、試合直後に前回と同じように川那子選手のヒザ蹴りをアゴに受けました。

「口の中を少し切ったけど、ダメージはなかったよ。あの時、僕は彼に笑顔を見せた。また、やってくれたなって(笑)。そして、次に来たらカウンターを入れようと決めたんだ。カワナゴがまたヒザを狙って来たら、思い切りぶっ飛ばしてやるって自分に言い聞かせたんだ。。そして、彼はまた狙ってきた。だから、カワナゴはKOされたんだよ。

誰であろうが、僕と対戦する選手がジャンピングニーを狙っても僕を倒すことはできない。僕はヒザ蹴りで倒れたことはないんだ。そして、2度目を狙って来たら、そこで試合が終わることになる」

──リオン武選手、川那子選手と連続で日本のフェザー級ファイターを倒しました。軽量級では豪州に先んじていると思われた日本の上位にあるフェザー級ファイター2人に勝ったことをどのように捉えていますか。

「本音をいえば……そうだね、僕がMMAを始めたのは2008年のことだった。2012年にカワナゴと戦った時の僕と、2014年の僕では10倍、良いファイターになっている。前に戦ったときはまだビギナーだった。今は経験を積んでいる。練習を始めたのは2008年だけど、10代の頃からMMAのことは大好きで、ずっと視てきた。10年前、僕はPRIDE FCの大ファンだった。サクラバが大きなファイターと戦うのを見て、『サクラバができるなら、僕だってできる』なんて周囲に言っていたんだ(笑)。

僕はジャパニーズMMAのビッグファンだった。いや、今もビッグファンだ。だからカワナゴやライオン・タケシと戦えて、本当に光栄に思っている。ライオン・タケシのファンだったし、彼をフィニッシュした最初の相手になれたことを誇りに思っている」

〈この項続く〉

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