【Grachan42 X Gladiator011】ストップ直前、腕十字でダリから一本勝ち。桜井隆多が48歳の王座戴冠
【写真】この写真は2019年、ベストといっても過言でない1枚になった (C)MMAPLANET
22日(日)に東京都大田区の大田区産業プラザPIO開催されたGRACHAN42✖GLADIATOR011。両プロモーションにとってベストイベントという声も挙った同大会の模様──最終回は大逆転劇が起こったメインイベント、Grandウェルター級選手権試合=王者ルクク・ダリ✖チャレンジャー桜井隆多の一戦を振り返りたい。
<Grandウェルター級選手権試合/5分3R>
桜井隆多(日本)
Def.2R2分56秒by 腕十字
ルクク・ダリ(コンゴ)
煽り映像で「お爺ちゃんに負けたら、引退する」と豪語していたダリは、余裕の表情を浮かべ桜井のローや前蹴りをかわしていく。さらにダリは左リードフックを入れ、自らテイクダウンを仕掛けて離れると、左ジャブ、そして桜井の蹴り終わりに右を打っていく。
桜井は両手で顔面をガードするが、ブロックの上からでも勢いが伝わってくるようなダリのパンチに動きが止まる場面も。
それでも左ジャブをかわして、左フックを狙うなど積極的な桜井に対し、ダリは右アッパーを突き上げ、頭を抱えたところにヒザを突き上げる。
たまらず組みに行った桜井だが、ダリは切って右から左をヒット。自ら離れたダリの左ロングフックで桜井の動きが固まっていく。
ただし、ダリの攻撃も空振りも多く──短期決着もあるという予想を覆し、桜井は初回終了の合図を聞いた。
インターバル中も余裕の笑みを浮かべるダリは、2R開始と同時に左ジャブを当て桜井の遠い距離からのテイクダウン狙いを切る。直後に左フックを当て、桜井の組み狙いに右ミドルを突き放す。
桜井も右を見せてからシングルに出てダリをケージに押し込むが、倒すことはできず離れ際に左を被弾。足が揃った桜井にダリがラッシュをかけ、左のパンチに右ヒザを突き刺す。
腰が落ちた桜井は、必死にツーオンワンの要領でダリの左腕を掴みに掛かるも、前方に崩れて両ヒザをマットについて亀の態勢になってしまう。
立ち上がろうとしてパンチを連打された桜井は引き込む。右足を抜いてパウンドの猛攻を仕掛けるダリ。右目の回りから出血も見られる桜井は、いつストップが掛かるかというときにフルガードに戻す。それでも構わず左右のパンチを落としていくダリ。
ここで桜井は大きく腰を上げて腕を取り、そこから腰を切って腕十字を仕掛ける。さらにダリの左足をすくって上下を入れ替えた桜井はダリのクラッチを切って、右腕を伸ばしに掛かる。
ダリは腰をずらすような下半身の動きがなく、クラッチを力で維持。こうなると強いのは足で挟んだパワーの方だ。桜井は時間を掛け、しっかりと左足でダリの顔を殺し──ついにクラッチを切って背中をマットにつける。と同時に右手が伸びたダリがタップ。
大逆転の桜井が勝利の雄叫びを挙げ、真っ先にケージに足を踏み入れた川尻達也としっかりと抱き合い勝利の喜びを分かちあった。