【UFN136】初のロシア大会で、石原夜叉坊を倒したピョートル・ヤンに、前DEEPソン・ジンスが挑む
【写真】ソン・ジンスがこの圧力をヤンに掛けるために必要なことは(C)MMAPLANET
15日(土・現地時間)、UFC Fight Night136「Hunt vs Oleinik」がロシア・モスクワのオリンピスキで開催される。UFCにとって初のロシア大会のメインはマーク・ハント×アレクセイ・オレイニクだ。
外れのないヘビー級ファイターとしてハントが処女地モスクワに赴く同大会は、彼の対戦相手オレイニクを始め今や米国、ブラジルに次ぐオクタゴンの第3勢力にまでなっているロシア勢が当然のように大挙出場となる。
ACBのみならずFENやM-1系からも屈強な選手たちがUFCにステップアップを果たすなか、韓国からUFCに初めて挑むのが前DEEPバンタム級王者のソン・ジンスだ。昨年10月に釜谷真を破ってDEEPバンタム級の頂点に立ったソン・ジンスは、4月に北田俊亮を2Rに破り、反則減点絡みとはいえバンタム級で唯一敗れた相手にリベンジ&初防衛に成功していた。
ソン・ジンスはドゥグラス・アンドレージの欠場により、代役出場でUFCとの契約がなった。テイクダウン・ディフェンスに長けており倒れない、そして打ち合いになる前の打撃戦でストレートを効かせ、ヒザで追い込む。そんなスタンドの強さが目立っていたソン・ジンスだが、オクタゴン初戦の相手ピョートル・ヤンは彼がこれまで日本で戦ってきた相手とは、桁が一つ違うといっても過言でない猛者だ。
9勝2敗のソン・ジンスに対し、9勝1敗と試合数が少ないヤンは、ACBバンタム級王者からUFCと契約し、今年の6月に石原夜叉坊を1RKOで下し世界最高峰で白星を挙げている。一見、ストライカーかと思われるアップライトの構えから、強烈な威力を持った右オーバーハンドを振るい、中間距離になると組みのあるMMAではなくボクシングのように上体を振ったスタイルながら、テイクダウンや蹴りにも反応している。
さらに接近戦になると、今もまだMMAではお目に掛ることが滅多にない、グローブを使ったブロッキングを駆使し、右ストレートや右フックにつなげる。ばかりか、サウスポーでも同じような動きができ、かつオーバーハンドの距離からダブルレッグ、クリンチではボディロック&柔道の足技、加えてヒザ蹴り、ヒジ打ちまで使いこなす。
つまりヤンは全局面において、秀でた攻撃力を持つウェルラウンダーだ。と同時に、UFC初戦ではACB時代よりも上半身は明らかに絞れており、爆発力という部分ではロシア時代より大人しくなった印象を残している。
そんなヤンに対し、恐らくは日本で使うことは殆どなかったが、組みや寝技でも十分な力を有していることが予想されるソン・ジンスのトータルファイト振りが確認でいる試合になるのではないだろうか。もちろん、その局面に至らずに倒されることも可能性もあるソン・ジンスだが、日本で見せていた勢いをもってすればヤンに一矢報いることもできるはず。
ヤンが放つパンチの勢いに負けず、フックを見切ってストレート系のパンチを入れることができれば、相手は鉄のアゴを持っているわけでなく、効かせられるだろう。そして組まれた時や接近戦ではテイクダウンを恐れず、どんどんヒザを蹴り込みたい。ソン・ジンスに必要な攻撃は痛い打撃。ヤンに『嫌だな』と思わせ、そこを突破口に圧力を高めたい。その先に打撃だろうが、グラウンドだろうが勝機が広がってくるはずだ。
■ UFN136対戦カード
<ヘビー級/5分5R>
マーク・ハント(ニュージーランド)
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
ニキータ・クリロフ(ウクライナ)
ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
シャミル・アブドゥラヒモフ(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
チアゴ・アウベス(ブラジル)
アレクセイ・クンチェンコ(ロシア)
<ミドル級/5分3R>
CB・ダラウェー(米国)
ハリド・ムルトザリエフ(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ソン・ジンス(韓国)
<ライト級/5分3R>
ルスタン・ハビロフ(ロシア)
ケイジャン・ジョンソン(カナダ)
<ライト級/5分3R>
マイルベク・タイズモフ(オーストリア)
デス・グリーン(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
マルチン・プラチニオ(ポーランド)
<ライトヘビー級/5分3R>
アダム・ヤンディエフ(ロシア)
ジョーダン・ジョンソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ラマザン・エメエフ(アゼルバイジャン)
ステファン・セクリッチ(セルビア)
<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ(米国)
テリオン・ウェア(米国)