【ONE73】ミャンマー大会で山田哲也がヌネスと対戦。イッサ、サゲッダーオ&クリッサダも参戦!!
【写真】自信を取り戻したケリー戦から、僅か6週間。さらなる強敵とミャンマーで戦うこととなった山田 (C)ONE
11日(月・現地時間)、ONE Championshipより29日(金・同)にミャンマーはヤンゴンのトゥウンア・ナショナルインドアスタジアムで開催されるONE73「Sprit of a Warrior」の追加カードが明らかになり、山田哲也がハファエル・ヌネスと対戦することが分かった。
長谷川賢がONE初陣で、文字通りミャンマーの英雄オンラ・ンサンの持つONE世界ミドル級王座に挑戦する同大会に山田の出場が決まった。3月のザイード・フセイン・アルサナリエフ戦の一本負け後、僅か7週間のインターバルでエリック・ケリーと戦いRNCでケジメの一本勝ちを挙げた山田が、今度は6週間でミャンマー大会に臨む。
柔術ベースのヌネスは山田も出場した5月のジャカルタ大会で朴光哲と戦う予定だったが、朴の欠場で試合出場が流れた。本来、山田が同大会に出ることになったのはヌネスとのショートノーティス対決を体重のみキャッチウェイトになれば──という条件で飲んだため。これをヌネス側が了承せず、ケリーに勝利した山田が今大会で改めてフェザー級マッチで彼と対峙することとなった。
ヌネスは柔術ベースでキャリア11勝1敗、その一敗はONE初戦となった4年前の台北大会で安藤晃司に喫した横三角での一本負けだ。その後、3度の試合キャンセルが続いたヌネスは、今年の1月にケリーを相手にダースチョークで復活勝利を手にしている。
11勝のうち判定勝ちは1試合のみ、サブミッションで勝ちが6度、残りはTKO勝ちのフィニッシャーだ。アサリエフとは違った意味で、寝技での圧力を持つヌネスだが、そのアサリエフとの闘いがあったからこそ、山田には気後れすることなく組み技勝負に出ることができるに違いない。
また今大会ではレアンドロ・イッサとサゲッダーオ・ペットパヤータイという、イヴォルブMMAの軸をなす柔術家とナックモエが参戦する。UFCからONEに戻って来て2連勝中のイッサの対戦相手は、PXCベテランでサイパンのRites of Passageフェザー級王者ロマン・アルバレスだ。
2度に渡りDEEPへの来日が実現せず、PXCでも日本人ファイターとの対戦がなかったアルバレスは蹴りも使えるストライキング・スクランブラー。荒く勢いのある打撃の波にイッサを巻き込むことができれば、勝機も見えて来る。
イッサとしては技術的にはスクランブルで劣ることはないが、スタミナを考えてもスクランブルをさせない、抑えて勝つ方向で試合を進めたいところだ。
ルンピニー3階級、ラジャダムナンでも頂点に立ったサゲッダーオが4度目のサークルケージがMMAとなったことは素直に喜ばしい。ご存じのようにONEはスーパーシリーズという立ち技部門を起ち上げ、タイでトップだった選手たちと登用している。
サゲッダーオもそのルースター入りするかと思われたが、ここでフリースタイル・レスリングがベースでKOも一本勝ちもあるマー・ジャワンとMMAで戦う一戦こそ、ムエタイを究めた男の探求心の表われといえるだろう。
「MMAは足をキャッチされる。だからこそ、ムエボーラン(競技化される以前の古式ムエタイ)の技が活かされる状況」というサゲッダーオが、寝かされると危ない状況で如何に首相撲を駆使して、ヒザやヒジを入れることができるのか──非常に興味深い試合となる。
さらに今大会ではムエタイ王国のグレコローマン・レスリング王者という珍しい肩書を持つ、クリッサダ・コンスリチャイも出場し、ジェレミー・ミヤドと対戦する。
3月のバンコク大会でロビン・カタランを後方への投げでKOも──頭から落としたということで反則負けとなったクリッサダだが、どちらが強かったのは明白な試合だった。
グレコでアジア・ゲームスに出場しているクリッサダだが、MMAを見る限りフリーの要素も十分に取り入れ、また柔術的なポジション奪取から、無慈悲なエルボーを落とし続けるというタイ人らしさも兼ね備えている。
ミヤドは前戦で、元ストロー級世界王者のデェダムロン・ソーアミュアイシルチョークを右フックでKOしており、この一戦の勝者が内藤のび太が持つONE世界ストロー級王座挑戦に近づくのは間違いない。そういう意味でも要注目の戦いとなる。