【FuryFC5】大塚隆史の勝利、ブラジル新世代戦士続々
6日(木・現地時間)、サンパウロのジナーシオ・パウロ・ピンヘイロで行われたフューリーFC5。ホウジマーウ・トキーニョの圧倒的な強さで、その幕を閉じた83kg級GP以外にも、ブラジルの新世代というべき精鋭が多く参加した大会であった。
【写真】ブラジル人のハートをしっかりキャッチした大塚隆史。試合後はセルジオ・ヴィエイラの挑戦を受けた (C) MMAPLANET
嵐のような夏のスコールが降り続くなか会場に足を運んだファンを大いに沸かせたのが、日本から出場した大塚隆史(AACC)だった。大会プロモーター、ヴィトー・コスタと同門ブラザに所属するホドリゴ・ルイスと対戦した大塚は、その持ち前の気の強さとフィジカルの強さで、手足の長いブラジル人を圧倒した。
試合開始早々、テイクダウンを奪うと、常にトップポジションを意地し、パウンドでダメージを与えていく。1R終了1分前には、マウントを奪うなど、攻勢だった大塚は2Rに入っても、その勢いを持続させた。開始早々、飛び込むようにパンチを放ってから、すぐにテイクダウンへ。ここで渾身の力を込めてギロチンを仕掛ける。
ここを大塚が凌ぎきると、気持ちが切れたルイスはポジションも徐々に失ってしまう。最後は亀の態勢になったルイスに、足をフックさせることなくパンチを叩き込んだ大塚がTKO勝ちを収めた。
83kg級GP補欠戦には、準々決勝でネガォンに敗れたレオナルド・バタタが出場。得意のテイクダウンから細かいパウンドで攻めようとしたバタタだったが、ジョルジ・ミケランがガードポジションから腕をキャッチ。そのまま自らが腹ばいになり、バタタの右腕を完全に伸ばしたミケランが、一本勝ちした。
ハイアン・グレイシー、マーシオ・ペジパーノらがセコンドについたグレイシーヒュージョンの二人。70.5kg級のハファエル・ドスアンジョス、93kg級のアントニオ・ブラガ・ネトは、それぞれがナインナイン所属のガブリエル・ヴェイガ、ファビアーノ・アストリーノと対戦。
ドスアンジョスは一回り大きなヴェイガの打撃を受けないよう、遠距離から低い姿勢のテイクダウンを何度も決める。そして、一旦寝技の展開になると、パウンドを織り交ぜながら左右に動き回り、ポジションを奪い続ける。3Rには連打を受ける場面も見られたが、残り時間1分になると自らギロチンを仕掛け時間稼ぎをするなど、クレバーな面も見せて判定を手にした。
一方、ネトは最初のタックルでテイクダウンを奪うと、そのままマウントからバックを奪取。一度はアストリーノに態勢を入れかえられたものの、直後にオモプラッタ・スイープでトップを奪い返すと、アームロックでしっかりタップを奪った。打撃に課題が残るものの、グレイシーヒュージョンという名前、覚えておくべきかもしれない。
オープニングマッチでは、ブラザのヒカルド・クロマドがシャープな打撃でアレッシャンドリ・ブラダォンを追い込むが、テイクダウン後はすぐにニーインザベリーからマウントを奪われ、パンチでKOされた。
なお、MMAルールが始める前にキックボクシングが2試合行われ、全く打ち合いがなかったオープニングファイトではムリロ・パウロヘイキが、クリチーバからやってきたエジバウ・ペドラォンを地元のファンからもブーイングがとぶなか、2-1の判定勝ち。第2試合の南米85kg級選手権試合は、キックができないパラグアイからの挑戦者フェルナンド・エルレオンを、アリエロ・ユシャレがヒザ蹴り一発でKO、58秒でWAKO南米王座を守った。
■フューリーFC5 試合結果は下記の通り
<第1試合83kg>
アレッシャンドリ・ブラダォン(ギビ・タイ/カスキーニャ)
Def.1R マウントパンチ
ヒカルド・クロマド(ブラザ)
<83kg級GP準決勝>
デニエル・アカーシオ(シュートボクセ)
Def.2R3分40秒 試合放棄
アンドレ・ミキート(デラヒーバ)
<83kg級GP準決勝>
ホウジマーウ・トキーニョ(BTT)
Def.1R2分45秒 ヒールホールド
ファービオ・ネガォン(ロータスMMA)
<83kg級GP補欠戦>
ジョルジ・ミケラン(ブラザ)
Def.1R2分0秒 腕十字
レオナルド・バタタ(ノヴァウニオン)
<93kg級>
ファビアーノ・アストリーノ(ナインナイン)
Def.1R1分25秒 アームロック
アントニオ・ブラが・ネト(グレイシーヒュージョン)
<70.5kg級>
ラファエル・ドスアンジョス(グレイシーヒュージョン)
Def.判定3-0
ダニエロ・ヴェイガ(ナインナイン)
<68kg級国際戦>
大塚隆史(AACC)
Def.2R3分12秒 TKO
ホドリゴ・ルイス(ブラザ)
<83kg級GP準決勝>
ホウジマーウ・トキーニョ
Def.1R2分45秒 ヒールホールド
ダニエル・アカーシオ