【DEEP83】17歳・高橋誠の挑戦を受ける和田竜光─02─「気を付けるのは一瞬で取られるビックリ技」
【写真】苦手な部分をあぶり出す、そして次に生かすのが和田流トレーニングだ (C)MMAPLANET
28日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP83 IMPACTで、17歳の高橋誠の挑戦を受けるDEEPフライチャンピオン和田竜光インタビューPart.02。
高橋だけでなく、対戦相手の映像をしっかりチェックすることはないという感覚派の和田は、どのように自らの試合の組み立てているのか。非常に興味深い話を聞くことができた。
<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>
──それは本当に驚きです。
「対戦する選手でも、それ以前に少し見たことがある相手だとイメージできます。逆に映像をとかしっかり見て研究して、違うことをされるのが嫌なんです。だから何となくボヤっとイメージができていれば良くて」
──では試合前もそれほど対策練習はしないということでしょうか。
「したことないスね」
──実際に戦っている最中に『上手くいかないな』と思うことは?
「あります。自分の足が痛くなった時とかですね。カイ・カラフランス戦は、足が痛くて蹴りを入れているのは自分の方なのにダウンしたくなりました。『俺、もう寝たい』って(笑)」
──ハハハハ。
「思っていたより、踏み込みが強くてパンチを被弾したこともありますし。当然、試合前のイメージと違う部分は出てきますけど、試合はそういうものですしね」
──それでも、イメージできていることの方が多いと?
「何となくそうですね。それに距離間とかも、向かい合った時に自分のリーチと相手の背の高さで何となく分かるんです」
──そういうものなのですか!! だから和田選手の試合は臨機応変というか、淀みなく映るのかもしれないですね。
「かもしれないですね。打撃も寝技もそれなりにできる自信はありますけど、単品で見るとそれほどできない。ただMMAだと、できちゃう気がしています」
──テイクダウンの攻防で、ごくごく自然に首相撲を取り入れ、打撃を融合させた組みを見せてから、またレスリングに戻るとか。それが懸命にはめ込んだモノでなく、自然の流れに感じます。
「首相撲は使おうと思って使っているのではなくて、たまたまあの形になったんです。ローキックも入りそうだから蹴る。最初からローキックを蹴りまくろうだとか、今日は首相撲を使おうとか考えているわけじゃないんです。
それと普段からテイクダウンされても良い、立てば良いと思っているんですよ。打撃にしても、パンチを当てられても組めば良いかなっていう風に考えていて。試合中に何をするのか、決めていることもありますけど、あとは特に考えることなく出せる攻撃を出します。そのなかで、いつ決めていた動きをするのかという感じですね」
──なら逆に対戦相手は和田選手の過去の試合を見て何をやってくるか考えるよりも、自分の動きに対してどう反応するのかを考えないと対策にならないわけですね。
「それでも得意、不得意はありますけど、試合で不得意な部分を衝かれたことはないです。そんな簡単に分かるようには戦っていないというか、そういう風に追い込まれたことはないですね。苦手なところに持ち込まないよう動いている……のかと思います」
──高橋誠選手は前回の対戦相手ランボー宏輔選手に続き、パラエストラ千葉ネットワークなので、より研究されている可能性もあるかもしれないです。
「それは考えられるのですが、気を付けるのはやはり足関節とかニンジャチョークとか、バックハンドブローや飛びヒザみたいな、一瞬にして取られるビックリ技ですね。そこを警戒して戦えば、トータルの力で負けないです。
それも誰と戦う時も同じですね。ダメなことがあったら、違うことをやろうという気で戦っています」
──例えばデメトリウス・ジョンソンと戦うとなっても同じスタンスでしょうか。
「あの辺までいくと、逆に研究してどうなるってモノじゃないのと同時に、チャンスはあると思っちゃうんですよね。実際に戦ったことがないので、戦ってボコボコにされない限り、どうにかなるという気でいます。きっと全ての面で負けています。でも、MMAは何とかなる。それがMMAです」
──練習でも反応、閃き重視なのですか。
「何かをやると決めることはないですけど、練習では苦手なところを衝かれても、そこを経験して次はそうならないように動こうとはします。ただ予習復習をしているわけではなく、やりたいこと、やられたくないことを意識し、そこで上手くできたこと、そうでなかったこと考えて、次の練習にいかすような感じですね」
<この項、続く>