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【ACB83】手数ならぬ足数、テイクダウンのトライでカリモフがボリソフを破り、新ACBバンタム級王者に

<ACBバンタム級王座決定戦/5分5R>
ルスタン・カリモフ(ロシア)
Def.Split
オレッグ・ボリソフ(ロシア)

左ハイをまず見せたカリモフが、右ローで前足を蹴っていく。スイッチを織り交ぜるカリモフは蹴り主体のファイトから、右を見せてダブルレッグでテイクダウンを狙う。持ち上げられながら耐えたボリソフが、低い構えを取るとカリモフは左ハイを蹴っていく。頭を振って前に出るボリソフに、カリモフは左ミドルハイに続き、ロー、そしてダブルレッグでドライブし、尻餅からボリソフが立ち上がるところでパンチを振るって、蹴りにつなげる。

さらに後ろ回し蹴りを繰り出したカリモフが右ストレートをヒット、パンチ勝負ならと前に出て来るボリソフに対し、一旦下がって前蹴りで顔を狙う。スイッチを繰り返し、左右の蹴りを上下で打ち分けるカリモフが、右ロー&左ミドルのコンビネーション。テイクダウン狙いを切るボリソフが、ヒザ蹴りをボディに放つもパンチを当てることはなく、初回はカリモフが取った。

2R、カリモフは引き続き、左右のローや前蹴り、そして左ミドルと蹴りを多用する。スピニングバックフィストに続き、ロー、後ろ回し蹴りの後もローとボリソフを翻弄し、そのパンチは空を切らせるカリモフ。蹴りとテイクダウンのコンビネーション、合間に回転系のパンチと蹴り、カリモフが手数ではボリソフを圧倒する。

さらにボリソフの打撃が大きくなると、すかさずテイクダウンの素振を見せるカリモフのペースで試合が進む。ついにボリソフの前進にダブルレッグを合わせてテイクダウンに成功したカリモフは、抑えるのではなく殴りへ。スタンドに戻ったボリソフが右ボディを入れると、これが効いたかカリモフは動きを止め、パンチの猛攻に晒されるとテイクダウンで誤魔化していく。このテイクダウン狙いを切ったボリソフが、この回を取った。

3R、サイドキックを顔面に当てたカリモフの後ろ回し蹴りにも距離を取らず、前に出る姿勢を見せるボリソフ。カリモフはタイミングの良いローを入れ、ジャブで突き離し遠い間合いから蹴りを多用する。プレッシャーを強めるボリソフが、右フックをヒット。組まれてもヒザを蹴り上げ、離れたカリモフを追いかける。と、ここでカリモフがワンツーを入れ、サークリングへ。ボリソフがムキになって追ってくると右のカウンターを打ち込んだ。

残り1分10秒でシングレッグを決め、スクランブルでは何とバックスープレックスを後方に大きくボリソフを投げ捨てたカリモフは、このタイミングで左ローをチョコンといれるなど、ペースを譲らず3Rを戦い終えた。

4R、蹴りで間合いを取るカリモフは、必死に踏み込んでくるボリソフに右を当てて、前蹴りで突き離す。ボリソフはローに右を合わせて、ダウンを奪う。すぐに立ち上がったものの右アッパーを受けそうになるなど、厳しいラウンドとなったカリモフが残り90秒でテイクダウンに成功する。ボリソフもすぐに立ち上がり、最後は蹴りからスライディンのような動きを見せたカリモフからトップを奪うと、バックに回り込んでRNCを狙う。亀のままタイムアップまでカリモフも耐えきった。

最終回、ケージ中央でクリンチ、離れたカリモフのテイクダウン狙いを潰したボリソフはクリーンヒットこそないものの手数はカリモフより上回る。前に出たボリソフに、テイクダウンをカリモフが合わせようとすると、ここはギロチンでカウンター。頭を抜いたカリモフは、スタミナをロスして逆に差し上げテイクダウンを取られそうになる。スクランブルでも懸命に手を出したカリモフだが、動きは完全に落ち、ボリソフがこの回を取った。

1Rと4Rはカリモフ、2Rと5Rはボリソフ。微妙な3Rだが、バックスープレックスという大きな投げでカリモフがインパクトを残している。結果、スプリット判定でカリモフが新ACBバンタム級チャンピオンの座に就いた。

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