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【PJJC2018】ルースター級、二大巨頭の域へ。橋本知之の初戦&準決勝の戦い

Hashimoto【写真】マルファシーニ&テハ、世界二強へ肉薄する橋本の戦いぶり (C)IBJJF

1日(木・現地時間)から11日(日・同)にかけて、カリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が行われた。ムンジアルの前哨戦にして、世界で2番目に大きな規模の同大会、プレビュー第1回は、日本人同士の決勝戦が期待されたルースター級における、橋本知之の初戦と準決勝の模様を紹介したい。


<ルースター級準々決勝/10分1R>
橋本知之(日本)
Def. by 6-4
ジョアオ・ロドリゲス(ブラジル)

昨年の世界3位、橋本の初戦の相手はジョアオ・ロドリゲス。世界大会での実績こそないものの、2014年のパン大会で芝本からチョークで一本勝ちし、そのまま優勝を飾っている強敵だ。

開始後勝者とも座り込むが、ロドリゲスが上を選択してアドバンテージを取る。橋本はロドリゲスの右足に絡むと外回転しながらインヴァーテッドの体勢になり、そのままズボンの後ろを掴んでバックを狙う。ここで橋本がアドバンテージを取り返すが、ロドリゲスも橋本の回転に合わせて動いて上は許さない。それでもロドリゲスの体勢を崩した橋本は、やがてシットアップしてまず2点を先制した。

しかし下になったロドリゲスは、すぐにベリンボロ狙いからシザースイープのように力強く橋本を横に崩して上を取り返して同点に。下になった橋本は、今度はロドリゲスの右足を引き出し、外側からフックをして煽る。ロドリゲスが回転してバランスを保つと、すかさずクローズドを取る。

ロドリゲスは立ち上がって橋本のガードを割りにかかるが、橋本はガードを開かず、逆にロドリゲスの左足を内側からフックして揺さぶりに。それでも倒れないロドリゲスは橋本の左足を押し下げる。しばらく耐えた後でガードを開いた橋本は、すぐにインヴァーテッドの形で体を丸めてロドリゲスの左ヒザ裏に自らの右足を絡めて揺さぶりに。橋本はオープンの時は必ずロドリゲスの片足をコントロールしている。

残り1分。下からロドリゲスを跳ね上げた橋本が上になって4-2で再リード。後のないロドリゲスは橋本に背中を見せる形から強引に立ち上がってスコアを4-4に。ここでレフェリーが場外側ブレイクを命じた。

残り26秒、中央に戻っての再開。インヴァーテッドのように体を丸めた橋本は、自ら曲げた左足スネの上にロドリゲスの右ヒザ裏を乗せており、スイープを狙いやすい体勢だ。

ここから橋本は後転するようにロドリゲスの体勢を崩すと、股間を抜けるようにバック狙い。これを嫌ったロドリゲスが前転したところで上に。残り10秒で6-4とリードしてみせた。下になったロドリゲスは最後の望みを掛けて下から50/50を作って上になろうとするが、橋本は上をキープしたまま試合を終えた。

強豪ロドリゲスとのポイントゲームをしっかり制しての、橋本の勝利。スコア上は追いつき追いつかれの展開だったが、試合の大半を占めたオープンガードの攻防においては、相手の片足を常に腕でフックしてコントロールした上で、柔軟な体を利用してインヴァーテッドから相手を揺さぶる安定した戦いぶりだった。

さらにクローズドガードを取った時も、ロドリゲスに主導権を渡すことなく自分のペースで進めたあたり、モダンだけでない──橋本の実力の高さが見えた一戦だった。こうして橋本は、昨年本大会準優勝にして、世界大会では3位を分け合った大物、ルーカス・ピニェーロとの準決勝に駒を進めた。

<ルースター級準決勝/10分1R>
橋本知之(日本)
Def. by 6-0
ルーカス・ピニェーロ(ブラジル)

引き込んでからの攻撃でアドバンテージを先行した橋本は、右足を外に出したデラヒーバ風の体勢からピニェーロの左足を右腕で抱えた得意の体勢を作る。対するピニェーロは体勢を低くして担ぎを狙う。橋本はピニェーロの左足を肩で抱えて崩しにかかるが、ピニェーロは見事なバランスで耐えてやがて左足を自由に。

橋本は下から揺さぶった後再びピニェーロの左足を右腕でフックすると、ピニェーロは座ってバランスを取る。そのまま動きが止まって両者にペナルティが加算された。やがて橋本は自らの体を横向きにするようにピニェーロを崩して上を狙うが、ピニェーロもバランスを取って上をキープ。左足を自由にして低いパスを狙うピニェーロだが、橋本もそれは許さずまた左足を右腕でフックする。

ピニェーロは空いている橋本の左足をコントロールしようとするが、橋本はそれを許さずインヴァーテッドの体勢でピニェーロの股間に潜り込んでの崩しを狙う。やや前のめりになったピニェーロは左足にトーホールドを仕掛けるが、それを逃れた橋本は股間をすり抜けてピニェーロのバックに飛びつく。

立ち上がって腰を高くしたピニェーロに前に落とされると、すかさず左足を取ったオープンガードを作り直す橋本。これでアドバンテージをもう一つ獲得したが、ピニェーロもすかさず低く横に回ってのパスの仕掛けでアドバンテージを取り返す。

まだアドバンテージを一つリードされているピニェーロは、さらにマットに腹ばいになるが如く低い体勢でのパスを仕掛けるが、橋本はここもインヴァーテッドで防ぐと、クローズドガードへ。すると次の瞬間、橋本は取っていたピニェーロの左腕を前に流しながらバックに入る。そのままよじ登って2点を獲得すると、さらにフックを完成して4点を追加してみせた。

そこから絞めを狙う橋本だが、ピニェーロも体をひねって正対することに成功し、橋本のクローズドガードに入る。残り1分。立ち上がってガードを割りたいピニェーロに対し、橋本はハイガードで対抗。ピニェーロは一旦座ってバランスを立て直した後に再び立ち上がり、橋本のガードを押し下げにかかる。

ここでガードを開いた橋本は、再びピニェーロの左足をフック。ピニェーロは最後の望みを賭けてトーホールドを仕掛けるが、橋本は力を込める方向に回転して回避するうちに試合終了に。

かつてマイキー・ムスメシのガードさえ突破した実績を持つピニェーロのトップゲームを、相手の左足にデラヒーバ風に絡む得意の形で封じ込めた橋本。さらにクローズドガードからのバック取りという、決定的なポイントを奪っての完勝だった。

近年、ピニェーロ相手にこのように明白な差を付けた勝ち方をした選手は、現在のルースター級では絶対王者ブルーノ・マルファシーニと、そのライバルにして橋本の師匠であるカイオ・テハのみ。最軽量級に君臨する二大巨頭に迫る強さを見せつけた橋本は、ついに芝本幸司とのに日本人ファイナルを実現させた。

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