【TTF Challenge07】グラップリングで世羅智茂と対戦、今成正和─01─「彼らの足関節を研究しました」
【写真】日本有数の高級住宅街の最寄り駅、このポーズが取れる。今成正和健在!! (C)MMAPLANET
9日(月)に東京都練馬区ココネリ・ホールで開かれるTribe Tokyo Fight Challenge 07で、今成正和が世羅智茂とグラップリングマッチで対戦する。
足関十段、世界に伝わるイマナリ・ロール。41歳になった今成が、スクランブル柔術の申し子=世羅とどのような戦いを見せてくれるのか。
そして、新足関節時代──を2年前のPoralisで身をもって知った彼にダナハー流の足関節により、この技がどのように変化し、今成正和に何を貰たしたのかを尋ねた。
──MMAPLANETでなかなか今成選手の話を伺う機会がなかったのですが、昨年12月に長倉立尚選手を破りDEEPフェザー級王座を獲得したのですが、4月に返上という形になりました。
「あぁ、12月でしたか。そうですね」
──私は今成選手が下を取って殴られた試合を見て、将来を考えないといけないと書いて来た人間なのですが。長倉選手からダウンを奪っての判定勝ちには本当に驚かされました。
「アハハハ、そうッスね(笑)。まぁ、向こうのための試合だったでしょうしね。それがまぁMMAですよね」
──チャンピオンになった時はMMAファイターとして、どのような今後を描いていたのですか。
「う~ん、まぁ取り敢えずDEEPで続けて行こうかとは思っていましたね」
──腰の負傷が返上の原因という風に聞いています。
「まぁ、腰は常に悪いッスけどね(笑)。実際、もうDEEPでは一通りやってしまったので。一応は海外でやっていくことで契約も済ませています。まだ試合は決まっていないんですけどね」
──そのような状況で、TTFチェレンジではグラップリングマッチをケージで行います。ここでグラップリングというのは、海外との兼ね合いがあったからでしょうか。
「長南(亮)がグラップリングで戦ってくれってことだったので」
──では、世羅選手にはどのような印象を持っていますか。
「まぁ、名前は知っています(笑)。顔と名前は一致していなかったですけど、今はしています。試合が決まってから、動画もチェックしましたし。スクランブルというのか、良く動いて、十字が上手いですね。動いている間は強いです」
──ケージで戦うということですが、青木×トノンの青木選手ばりにケージを使うことは頭にありますか。
「青木君は凄い試合をしていましたね。でも、自分は壁、ケージは使わないですからね。だから、危ない時に蹴るぐらいですかね(笑)。あんまりこっちに回るからとか、こっちに動くからっていうことは計算していない。取れるモノを取るという感じなので」
──今やUFCで活躍するライアン・ホールがスライディングから足関節を狙いで、イマナリ・ロールという言葉を発信し世界的に広まっています。
「いやぁ光栄ですね。ライアン・ホールですか、あんな風に言ってくれて嬉しいですよ。良いヤツですよね、アイツ(笑)。あんまり知らない選手ですけど(笑)」
──そのイマナリ・ロールからのヒールという時代から、ジョン・ダナハー流の足関節に時代が移行し、今成選手自身が2年前にゲイリー・トノンと戦いヒールで敗れました。あの試合は正直、あの位置関係で足の取り合いになって今成選手がヒールを取られたことに恐怖すら感じました。今成選手は米国の新グラっプリング時代の旗手に触れた最初の日本人という言い方ができます。
「まぁ、北岡君の時はチョークでしたからね。あの時は、彼らができることを知らなかったということですね」
──今成選手が足関節で、知らないことがあったと。
「そうです。あのセットアップは分かっていなかった。あの距離で取られるというのはやはり思っていなくて、こっちが取るつもりでしたしね。相手は米国人だし、足関節はこっちのモノだっていう意識はあったので。足関節とはそういうものだと思っていたのに、それが分かっていなかったということなんです。ただ、足が上手いらしいなって感じでしかなくて。それが違っていました。あの後、エディ・カミングスが来た時とかもそうですし、彼らの足関節を研究しました。良い勉強になりました。あれから自分の足関節も変わりました」
──先日のポラリスのヴァウミール・ネト戦は相手が両足首を掴んで徹底防御という試合だったので、セットアップの部分について、自分はあまり理解できていなかったです。
「変わった部分でやってはいます。セットがフックガードからが増え、スネを当てるというのが多くなって。ただ、あの相手は勝つためでなく、負けない試合をしかけてきたのでやり辛かったです。やっぱり攻防は攻撃と防御なので、あれは防御だけだから試合が進まないですよ。
やっぱり知られてくると、グラップリングでも足関節は掛けやすいというのはないです。勝負してくれる人の方がグラップリングでもMMAでも仕掛けやすい。下がって、その位置にいる相手は難しいですね。まぁ、付き合ってくれる相手の方が少ないですよ」──ダナハー流の足関節を習得し、変わった部分はありますか。
「気持ち的に自信はつきました。それはあるかなって思います。ちょっと、やりやすくはなりましたよ」
──ところで今、練習はどこを中心に?
「色々なところでやっています。トイカツのところへ行ったり、GENに行ったり」
──足関節の使い手がいるところですね。
「そうですね。GENでは主に山田崇太郎とやっていますし。アイツの足関節は今、ヤバいです。エディ・カミングスが来た時も山田と3人でGENでやっていたので」
──今や壊さない足関節の練習になりつつあるような気がしています。
「足関節の練習はセットアップ、手順の練習になっているところがありますからね。極め合いではなく、形に入る練習になっています」
──こういうと申し訳ないのですが、一時期の今成選手はラバーと足関節がほとんどいう風に感じていました。以前はもっと色々と柔術的な動きがあったのに。
「自分の頭のなかで流行みたいなモノができると、それしかでなくなっちゃうんです(苦笑)。固執するってわけじゃないんですけど、後から振り返ってもっと違うことできるのになっていう感じになってしまっていて。
でも、今のほうが柔術は上手くなっていますよ。今成柔術の名前で飯田橋のTRIスタジオで午前に週に5日、葛飾のお花茶屋のアポロトータルジムで週に4回、指導をしているんです。普通に道着を着て一般の人とやって」
──ではモダン柔術に関して、今成選手はどのような印象を持っていますか。
「ベリンボロとかですか? まぁ、一応は柔術の練習として教えたり、自分で研究もしますけど、本物に触れていないから何ともいえないですね。ミヤオ兄弟とかと組んでいないので分からないですよ。
それでも、渡辺翔平君(ボゴナ・クラブ)とか、練習に来てくれるので相当強い子と練習させてもらっていますけどね。今時の柔術は、こういう感じなんだっていうのは教えてくれます」
──おかしな質問ですが、今成選手はMMAファイターなのですか、それともグラップラー? それとも柔術家ですか。
「いやぁ、特に分けていないですからねぇ。あんまり、MMAだからどうだとか、ケージだからどうだっていうのはないんですよ。取っ組み合いは取っ組み合いだから」
<この項、続く>
■TTFC07対戦カード
<フェザー級/5分3R>
川那子祐輔(日本)
門脇英基(日本)
<グラップリング70キロ以下/10分1R>
今成正和(日本)
世羅智茂(日本)
<女子フライ級/5分2R+Ex>
ライカ(日本)
ソ・ジヨン(韓国)
<バンタム級/5分2R+Ex>
小蒼卓也(日本)
上久保周哉(日本)
<バンタム級/5分2R+Ex>
宇宙人(日本)
葛島浩之(日本)
<フェザー級/5分2R+Ex>
渡辺謙明(日本)
工藤諒司(日本)
<フェザー級/5分2R+Ex>
大門達也(日本)
御代川敏志(日本)