【Pancrase287】古間木崇宏を豪快KO──亡き友に誓うUFC行き、若松佑弥 「今日のKOが当たり前に」
【写真】盟友との約束を果たすためにも負けられない、過去最強の相手との一戦でKO勝ちした若松(C)KAORI SUGAWARA
28日(日)、東京都江東区ディファ有明で開催されたPancrase287で古間木崇宏を相手に2RKO勝ちし、自身の記録を7連勝と更新した若松佑弥。
2016年ネオブラッド・トーナメントのフライ級で全試合KO勝利で優勝、MVPを獲得している彼は、その後も荻窪祐輔に判定勝ちしランクイン。続いて今年3月に上嶋佑紀を1R TKOで下し、コンスタントに実績を重ねている。3分3R制ながら前王者の神酒龍一を王者在籍中に下している古間木に勝利した直後、今回の試合や今後などについてインタビューを行った。
──見事な勝利おめでとうございます。今の気持ちを教えてください。
「最高です。秋葉尉頼って盟友がいたんですけど、昨日がその子の誕生日だったんで、絶対負けられないと思っていました。
過去最強の相手だったので、試合前はいつもより気が張っていたというか、緊張していたんですけど、ゴングが鳴ってからは冷静でした。組んでもっと倒されるかと思っていたんですけど、それも対応できたし、いつもだったらパニックになってたところも、全然冷静に戦えたと思います。
(TRIBE TOKYO M.M.A代表)長南(亮)さんに教えてもらったバックエルボーもやってみたら入ったし、『なんでもできる』と思いました。本当はあそこで仕留めたかったです。いつもだったらあれで終わるんですけど、古間木選手が立ってパンチを振って来たんで、そこだけは注意していました」
──今回の試合で冷静になれた要因は?
「練習を今までよりもやって来たっていうのもあるし、この試合に関しては疲れた時でもしっかり基礎を落ち着いて一個一個やるっていうのを決めて練習して来ました。それがしっかり出せました。そこが一番の勝因だと思います」
──作戦はどのようなモノでしたか。
「相手は四つが強いんで、組まれて倒された時の対策だけです。あとはいつも通りです」
──古間木選手は先輩の清水清隆選手と戦ったことのある選手です。
「それよりも前回の神酒(龍一)選手に勝った試合が気になっていました。神酒選手は清水さんをフルマークで圧倒してたので、古間木選手はその神酒選手に勝利した。なので、だいぶ強いだろうと思っていました。
清水さんとの試合は古間木選手がフライ級に落として1回目だった影響もあるかもということは頭にありました。神酒選手の時はそういう調整もできていて、あの相手にああいう風にテイクダウンもできてたので、そこはちょっと警戒してたっスね」
──試合後のマイクではフライ級王者のマモル選手との対戦をアピールしていました。仙三選手との対戦が決まっており、前回の大会では春日井選手も同様にタイトルマッチをアピールしていて、フライ級のタイトルマッチは順番待ちというのが現状です。
「はい。8月にマモル選手は仙三選手とのタイトルマッチが決まっていたんでしょうがないです。ただ、俺は前チャンピオンにも勝ってる相手を今回KOしたんで、俺が一番強いんじゃないかと思ってます。
春日井選手も『最強』だと言っていましたけど、自分の方がKOもしてるし無敗なんで、俺が一番優先なんじゃないかと思います。仙三選手とマモル選手のどっちが勝ってもストライカーだし、春日井選手より俺の方が面白い試合になって盛り上がると思います」
──ランキング2位にいる春日井選手との挑戦者決定戦という可能性もあり得えますね。
「そうですね。ただ、春日井選手は7月にHEATで試合が決まっていますよね? タイトルマッチまでに試合を挟んでも良いですけど、早く国内のベルトを獲って世界に行きたい。だから今はステップアップみたいな感じで、絶対勝たないといけないと思っています。誰が来ても絶対負けないですけど、できれば早くベルトを獲って世界に行きたいです」
──ところで、MMAPLANETの読者はまだ若松選手のことをそれほど知らないと思います。格闘技を始めてからはどのくらいになりますか。
「3年目です。総合格闘技はボクシングとかキックと違って、最強だと思います。競技じゃなくって喧嘩みたいな、何てもありのそういうところで一番になりたいと思い、鹿児島から上京して始めました。
最初ジムに入った時は『やべえ、みんな強え』と思っていたんですけど、これしかねえって思って結構頑張って来たんで、今いるところは始めた頃のイメージと近いんじゃないかと思います」
──上京する前からTTMに所属することに決めていたのですか。
「最初は山本KID徳郁さんのところとか、有名なところに行ってみようと思ったんですけど、長南さんのああいう喧嘩ファイトみたいなのが凄く好きで、そこに惹かれてジムに行ってみたんです。行って最初に清水さんが優しく接してくれて、凄く運命的な出会いだと思います」
──では最終的目標や、理想のファイター象を教えてください。
「UFCでベルトを巻きたいですね。パンクラスでずっとKOして勝ちしていたら声が掛かるんじゃないかと思っています。今、俺が一番KOしてるんじゃないかと思っています。
目標としている選手はコーディ・ガーブラントと、コナーマクレガーです。野生勘というか、喧嘩大好きみたいな感じなのにあんなに強いんで、そこが『すげえな』と思います。日本人は強い人もみんな結構礼儀正しいけど、ああやって闘争心剥き出しにして強いのは凄いと思います。自分もああいう風になりたいです。
でもまだ全然、そういうレベルじゃないんですけど……。将来的にはガーブラントみたいにああいう喧嘩ファイトと、マクレガーみたいに完全にテイクダウンを切ってカウンターを合わせてバンッと倒せるようになりたいです。
何より秋葉とUFCに一緒に行こうと約束していたんで、早くUFCに行きたいです。こんなところで負けていたら絶対行けないんで、今日のKOが当たり前のようにできるようになって、UFCに行きます」