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【UFC208】タイトル挑戦に近づくために打撃で制圧&フィニッシュが欠かせないジャカレ

Jacare【写真】ジャカレは難敵を相手に勝ち方が求められる。それが世界最高峰で頂点に挑む権利を要する──ためのハードルの高さだ(C) MMAPLANET


UFC208「Holm vs de Randamie」の開催がいよいよ11日(土・現地時間)に迫ってきた。ニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターで開かれる同大会では、初代UFC女子フェザー級選手権試合をメインに、日本からは佐々木憂流迦が出場しランク5位のウィルソン・ヘイスという難敵と対戦。さらには生ける伝説アンデウソン・シウバが第一線で戦うデレック・ブルンソンと戦うミドル級では、タイトル戦を睨んだホナウド・ジャカレがティム・ボッシュと相対するなど、好カードが揃っている。

ヨエル・ロメロが一歩リードした感のあるミドル級挑戦権獲得争いで、ジャカレもまたいつでもスタンバっていることをアピールする必要がある。今やウェルター級のデミアン・マイアと並び、最もブラジリアン柔術の技術をMMAで生かすことができるファイターとして名が通っているジャカレだが、その柔術を使うまでのプロセスはマイアとは明確な差がある。

MMAは当然、スタンドから始まる競技だ。そして、打撃の技術を持たずしてテイクダウンに結びつけることは限りなくゼロに近い。マイアの場合はサウスポーの構えからディフェンス能力をまず上げ、打撃を見せておいてテイクダウンやクリンチで、組みに持ち込む。そこから崩しや、あるいは引き込みすら見せて寝技ワールドに相手を引きずり込むのがマイアのMMAだ。

一方、ジャカレもディフェンス面を上達させ、続いて攻撃面を磨くという点はマイアと同じだが、今や彼はオーソドックスの構えから、ミドルを効かし、倒す右など打撃でダメージを与えることが可能にまでなっている。相手を惑わし、混乱させて組んでいくマイアに対し、ジャカレのソレは打撃戦を制圧、コントロールしテイクダウンに移行できる。

もちろん、マイアのように惑わせる打撃も使えるので、自然とジャカレの試合はスタンドの展開が多い。この事実は、マイアよりも相手の攻撃を被弾する割合が増すことも意味している。そういう意味で、今回の相手であるボッシュはレスリングベースのハードパンチャー、かつてのジャカレなら最も苦手なテイクダウンディフェンスができるKOファイターだ。

キャリア30戦で20勝10敗、勝利の半分の10試合でKOないしTKO勝ちをしているボッシュ。踏み込んで当てることはあっても、ステップを踏んでレンジを支配して戦うのではなく、組んだ状態や離れ際、やや近い距離でのラッシングパワーがボッシュの持ち味である。

ジャカレにとっては勝負の詰めでの段階が強いボッシュは決して油断ができない相手だ。だからこそ打撃戦を制圧してからのテイクダウン、そして寝技でのフィニッシュがタイトル挑戦に近づくためには欠かせない戦いとなる。

■UFC206対戦カード

<UFC世界女子フェザー級王座決定戦/5分5R>
ホーリー・ホルム(米国/※女子バンタム級2位)
ジャーメイン・デランダミー(オランダ/※女子バンタム級10位)

<ミドル級/5分3R>
アンデウソン・シウバ(ブラジル/7位)
デレック・ブルンソン(米国/8位)

<ミドル級/5分3R>
ジャカレ・ソウザ(ブラジル/3位)
ティム・ボッシュ(米国/13位)

<ライトヘビー級/5分3R>
グローバー・テイシェイラ(ブラジル/3位)
ジャレッド・キャノニア(米国/15位)

<ライト級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国/10位)
ジム・ミラー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ランディ・ブラウン(ジャマイカ)
ベラル・モハメッド(米国)

<フライ級/5分3R>
ウィルソン・ヘイス(ブラジル/5位)
佐々木憂流迦(日本)

<ライト級/5分3R>
ニック・レンツ(米国)
イスラン・マカチェフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
イアン・マッコール(米国/6位)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・ウィリス(米国)
マルチン・ティブラ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ライアン・ラフレアー(米国)
ホアン・ジュカオン・カルネイロ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
フィリップ・ノヴァー (米国)
リック・グレン(米国)

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