【PXC55】最終回にヘロヘロになったロランド・ディが逃げ切って判定勝ち
<フェザー級/5分3R>
ロランド・ディ(フィリピン)
Def.3-0
エイディン・ムロウキ(豪州)
会見、計量を一触即発の場面が続いた両者。4月に松嶋こよみを破っているディがムロウキの右ミドルをキャッチしてテイクダウン、そのままローを蹴り一気にパスを狙う。ハーフのムロウキが潜ってくるとディがエルボーを脇腹に落とす。頭を入れてきたムロウキに対し、ディは自ら立ち上がる。ディは右ローを入れ、左フックへ。ムロウキは時折りスイッチを見せるが、主にオーソで構えて待ちの姿勢だ。
ムロウキが右を入れて組むに行くも、すぐに離れる。強烈な左ローを蹴り込むディは左ジャブから右ローを2発、さらに左フックから右ローというコンビネーションを繰り出す。右を見せて左ミドルを入れたディ。続けて左ミドルを蹴り、ムロウキの前進にフックや左ローで迎えうつ。終盤も右ロー、左ボディを入れたディが初回を取った。
2R、引き続きフックとローのコンビネーションで攻めるディに対し、ムロウキも距離を詰めて左フックを放っていく。さらに右ストレートを当てたムロウキだが、右ボディから対角線コンビネーションの餌食。と、ここでディがダブルレッグを決めてテイクダウンに成功する。サイドを取られたムロウキが足を戻すと、ディは立ち上がり手を合わせてから右ローを連打だし、パウンドへ。腿の裏を蹴り続けるディに対し、ムロウキは立ち上がろうとしない。
右のパウンドをディが2発落とし、グラウンドへ。ムロウキは潜ってシングルへ。足を抜いたディが、立ち上がってきたムロウキのボディにヒザ蹴り、そしてエルボーを顔面に打ち込む。パンチから首相撲に出たムロウキだが、逆にフックを被弾し離れる。そのモロウキが右ストレートで前に出る。ディは左ミドルを入れ、左フックもスリップして倒れる。疲れたのは動き落ちたディは立ち上がらず、寝技に来たムロウキにシングルを仕掛けて立ち上がった。
最終回、左ジャブでプレッシャーを強めるムロウキにディはローを2発。ムロウキの飛びヒザに距離を取り、左フックをヒットさせる。ムロウキはひるまず左右のフックで前に出る。ディはアッパーこそ当てたが、打ち合いを遮断してここでもダブルレッグへ。ケージを背に座った状態のムロウキが背中をマットにつけて下からエルボー。
ディは立ち上がると、ムロウキを後方から殴っていく。スタンドに戻ったムロウキはローを蹴られても前に出て接近戦でパンチを交換する。この距離で手数が多いムロウキだが、離れるとディが左フックからローを当てる。それでもムロウキは左ジャブ2発から前に出て右ストレート。ディもパンチを返すが、打ち勝っているのはムロウキだ。
ディはダブルレッグでケージにムロウキも押し込むが、倒せず逆襲の連打を被弾し続ける。動きが止ったディは右ローとボディを打つが、ムロウキは構わず前に出て連弾を続ける。懸命にダブルに出るディは、シングルに切り替えるが倒せない。離れたムロウキのパンチに左フックを放ったディ。ここで試合が終了になると、ムロウキは両手でディを突き離す。疲れ切っていたディは、そのまましゃがみ込み怒りの感情すら出せないほど疲弊しきっている。
それでも初回と2Rを取ったディが、3‐0で判定勝ちを収め「ゲームプランはなかった。揉めていた? 彼は僕の母親に対して酷いことを言った。でも、僕は差別主義者じゃない。誤解を与えてしまったら申し訳ない」とマイクで語った。