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【WJJC2016】ミドル級。優勝をオターヴィオ・ソウザに譲ったアルジェス──輝きは世界王者級

Middle【写真】決勝はバッハ勢のクローズドアウト。ガブリエル・アルジェス黒帯ルーキー・オブ・イヤーのような輝きを見せた(C)MMAPLANET

2日(木・現地時間)から5日(日・現地時間)にかけて、米国カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われた。レビュー第6 弾となる今回は若手の台頭が著しいミドル級の模様をレポートしたい。

Arges<ミドル級準々決勝/10分1R>
ガブリエル・アルジェス(ブラジル)
Def. by ヒザ十字固め
クラウジオ・カラザンス(ブラジル)

今年のアブダビ・ワールドプロ大会の決勝でホベルト・サトシに快勝して優勝し、若くして優勝候補と見られたガブリエル・アルジェスは、3回戦でベテランのセルシーニョことセルソ・ヴィニシウスを倒し、準々決勝で昨年の王者にして本命のクラウジオ・カラザンスと注目の初対決に臨んだ。

ちなみに今年のワールドプロでカラザンスは、アルジェスの師のホムロ・バハウをヒザ十字で極めており、アルジェスとしてはリベンジ戦ともいえる。

ダブルガードでお互い警告を受けた後、上攻めを選択したカラザンスに対してアルジェスが内回り。カラザンスはすかさず足を取りに行くが、さすがに警戒しているアルジェスは、凌いで立ち上がって2点を先行した。

その後、再びカラザンスの足狙いを防いだアルジェスは、50/50の上の体勢に。ここでカラザンスは内回りからアルジェスの足を取って再びヒザ十字狙い。バランスを崩されたアルジェス危うしと思われたが、アルジェスは角度をズラして逃げると、逆にカラザンスの左足を抱えて、腹這いにダイブしてのヒザ十字。これが一瞬で極まってカラザンスがタップ!! 黒帯1年目のアルジェスが、大物カラザンスから一本勝ちという大仕事をやってのけた。

さらに準決勝でアルジェスは、1 回戦にてヴィトー・エスティマを、準々決勝ではルーカス・レイチを下したマルコス・ティノコをもヒザ十字で撃破。決勝戦に駒を進めたのだった。


<ミドル級準決勝/10分1R>
オターヴィオ・ソウザ(ブラジル)
Def. by ヒザ十字固め
ヤゴ・デ・ソウザ(ブラジル)

12、13年と連続世界王者に輝いて以来、ビッグタイトルから遠ざかり気味だったオターヴィオ・ソウザは、ジョナサン・サタヴァ、ディロン・ダニスといった若手を退けて順当に準決勝に進出。ここで先日のワールドプロ決勝で苦杯をなめさせられた若手成長株、ヤゴ・デ・ソウザとまた顔を合わせることになった。

ダブルガードから立ち上がったオターヴィオは、デラヒーバガードを取るヤゴに対して豪快にスピンしてのヒザ十字を狙うが、ヤゴに立たれてしまう。次の瞬間ヤゴはオターヴィオの足を捌いて横にパス!! オターヴィオも素早くエビで反応してオープンに戻す。試合開始早々火の出るような攻防が展開された。

そのうちシッディングガードからヤゴのラペルを取る得意の体勢を作ったオターヴィオは、ヤゴの体重をヒザに乗せて後転して上に。2-2の同点に追いつくと、ヤゴの両足を腰で押さえつけると横に跳んでパスへ。一度ヤゴのハーフガードに入って体勢を安定させると、奥襟を取ってヤゴの首を殺して、足を抜いてパスを決め、5-2とリードした。

そのままサイドポジションで低くタイトに抑え込んでヤゴの動きを完全に止めたオターヴィオは、プレッシャーを弱めずに上四方に移行すると、起きようとしたヤゴのバックを奪取。フックを入れてリードを9-2とし、そのまま試合終了までチョークを狙い続けて完勝。見事にアブダビプロの借りを返してみせた。

結局この階級は、ベテランの底力を見せつけたオターヴィオ・ソウザと成長著しいガブリエル・アルジェスのバッハ・コンビによるクローズアウトで終わる結果に。が、今回彼らに敗れたヤゴ・デ・ソウザやカラザンス、ヴィトー・オリヴェイラらの強豪が集結し、米国若手勢のさらなる成長も見込まれるこの階級。来年も熾烈な優勝争いが期待できそうだ。

■リザルト
【ミドル級】
優勝 オターヴィオ・ソウザ(ブラジル)
準優勝 ガブリエル・アルジェス(ブラジル)
3位 ヤゴ・デ・ソウザ(ブラジル)
3位 マルコス・ティノコ(ブラジル)
※決勝戦は戦わず。

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