【Interview】21日、引退試合。デラヒーバ(03)「一番の思い出は」
【写真】1997年1月、プロ修斗公式戦で佐藤ルミナと戦ったヒカルド・ボテーリョが試合中に見せた、かつてない動き――それがデラヒーバ・フックだった。その名の元となったのは、もちろんヒカルド・デラヒーバだ(C)MMAPLANET
いよいよ開催が目前に迫ってきたプロ柔術大会「Ground Impact Revival」。21日(土)、新宿FACEで中井祐樹と引退試合を行うこととなったヒカルド・デラヒーバのインタビュー最終回。
今週末の試合で、名実ともに現役生活にピリオドを打つヒカルド・デラヒーバが、柔術界での思い出、そしてデラヒーバ・フックについて話してくれた。
<ヒカルド・デラヒーバ インタビュー、Part.01はコチラから>
<ヒカルド・デラヒーバ インタビュー、Part.02はコチラから>
――柔術はその他のコンバットスポーツがほとんど実現しえていない、年齢に合った、個人の事情に合った付き合い方というものが、具体的になっています。
「ブラジルと日本の文化がミックスされたおかげで、良い形になったんだと思います。日本の規律正しい習慣と、ブラジルの砕けた文化(笑)。厳しくもあり、リラックスもできる。だから、色んな人が柔術と向きあえるのです。多くの人がチャンピオンになるためでなく、自分が楽しむために柔術で汗を流しています。アカデミーでは歳を重ねた人が普通に汗を流していますよね」
――その通りですね。ではデラヒーバ先生のなかで、長い柔術との付き合いで一番の思い出を教えていただけますか。
「柔術家として、指導者として、別々のベストメモリーがあります。初めて黒帯のトーナメントに出た時、一つの大会でホイス・グレイシーとホウケル・グレイシー、2人のグレイシーに勝った時の感激は今も忘れることはありません。1986年、もう大昔の話です。自分の階級でホウケル、無差別級でホイスに勝ちました。
指導者としては、今はもう亡くなってしまったのですが、ヒカルド・エルグゥアーダ、自らの教え子が最初にチャンピオンになったときです。残念ながら、彼はその後、マラソン中に心臓発作で倒れてしまいました。もちろん、世界中に45ぐらいのアカデミーがあり、多くの教え子がいることも、これ以上ない悦びです」
――デラヒーバ・フックという、自らの名前がついたテクニック名が後世に残る。柔術の歴史に名前が刻まれている。
「本当にありがたいことです。その一方で、その名に恥ずかしくないようプレッシャーも長い間受け、一生懸命に練習を重ねてきました(笑)。多くの人が今も使い続けてくれていることは、凄く誇りに思っています。シェイク・タハヌーンも、デラヒーバ・フックの映像を見て、『この名の元となった人をアブダビに呼んでほしい』とアシスタントに伝え、私はUAEに招かれたんです(笑)」
――本当に誇るべきことですね。今日はインタビューの機会を設けていただきありがとうございました。日本での試合、楽しみにしています。最後に日本の柔術家の皆にメッセージをお願いできますか。
「もちろんです。これは私が常に言っていることですが、夢を持って生きてください。そして、周囲の人を尊敬し、自らの行動に責任感を持ってください。何からも学ぶという姿勢を持つことで、その身に還ってくることは計り知れないです。私がこれまでにも、ずっと言ってきたことです」
――ムイト・オブリガド。
「ジナーダ」
■ Ground Impact Revival 対戦カード
<ヒカルド・デラヒーバ引退記念試合/BJJルール 20分1本勝負(判定無し)>
ヒカルド・デラヒーバ(デラヒーバ柔術)
中井祐樹(パラエストラ東京)
<68kg契約/ADCC特別ルール 8分(前半ポイント有り・後半ポイント無し)>
佐々木憂流迦(WK SURUGA)
植松直哉(ネクサセンス)
<黒帯ライト級/BJJルール 6分>
杉江アマゾン大輔(SAD)
柿澤剛之(PUREBRED大宮)
<66kg契約/ADCC特別ルール 8分(前半ポイント有り・後半ポイント無し)>
羽田徹ィ郎(和術慧舟會東京道場)
松本義彦(GRABAKA柔術クラブ)
<黒帯無差別級/BJJルール 6分>
時任拓磨(PUREBRED大宮)
八隅孝平(ロータス世田谷)
<黒帯無差別級/BJJルール 6分>
小澤幸康(TEAM KAZE)
塚田市太郎(Damm Fight Japan)
<黒帯無差別級/BJJルール 6分>
小野瀬龍也(reversal gym kawaguchi redips)
岡本裕士(RJJ)
<黒帯無差別級/BJJルール 6分>
新明祐介(トライフォース柔術アカデミー)
鶴屋浩(パラエストラ千葉)
<黒帯ライトフェザー級/BJJルール 6分>
山田秀之(デラヒーバジャパン柔術アカデミー)
江崎壽(パラエストラ札幌)
<茶帯フェザー級/BJJルール 6分>
鍵山士門(デラヒーバジャパン柔術アカデミー)
世羅智茂(GROUND CORE)