【UFC 160】名勝負男セラーニの相手は、一発屋KJ・ヌーン
【写真】引き出しが多いのはドナルド・セラーニ。KJ・ヌーンはEXC時代のようにヒザ蹴りなどを有効に使いたいところだが――。注目のPPVオープニングカードだ (C)GONGKAKUTOGI
25日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われるUFC160「Velasquez vs Bigfoot 2」。世界戦を含むヘビー級マッチが後ろの2試合に控える同大会、PPVカードのオープニングはライト級のストライカー対決が組まれている。
オクタゴンの名勝負男ドナルド・セラーニ、WECとUFCを合せて8度のファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得しているボーナス・ハンターが、1月のアンソニー・ペティス戦TKO負けから復活を賭して対戦するのは、かつてのニック・ディアスのライバル=KJ・ヌーンだ。エリートXC時代にニックを破り世界ライト級王座を獲得した彼は、契約の折り合いがつかず一時期はボクサーの道を目指したこともあった。
プロボクシングでも11勝2敗という好成績を残したが、「ボクシングの世界では、2敗もするとトップは目指せない」とMMAに復帰。この頃からKJは完全なボクシング偏重、しかも振り回すスタイルになってしまい戦績は振るわないものに。DREAMを経て、ストライクフォースと契約を果たすも3勝4敗と負け越し、ニックにリベンジを許した後はホルヘ・マスヴィダル、ジョシュ・トムソンにも敗れている。
ストライクフォース最終戦となったライアン・クートゥアー戦では、テイクダウンを潰し効果的なパンチを入れていたが、手数と見た目の勢いでまさかの判定負けを喫してしまったKJ。UFC入りに黄信号が灯ったと思われたものの、セラーニという相手、さらにPPVデビューということで、そのKOパワーに期待されてのUFC初陣となる。
KJのパンチ力が生きるのは、前に出てくる相手に対する待ちの態勢からの右のパンチ。そういう意味ではセラーニ戦は組みしやすい面、戦い辛い面、どちらも考えられる。ミスター名勝負は前回の試合でミドルでKO負けを喫したといっても、信条であるアグレッシブな姿勢は崩さないだろう。これまでも殴られ→殴り返すというスタイルで結果を残し、評価を得てきた。つまりKJにとっても、苦手な自らの動きで試合を組み立てる必要はあまりなく、天性の反応をもって戦えば良い相手となる。
ただし、カウボーイは闇雲な打撃戦を展開するファイターでは決してない。蹴りで距離を測り、遠い間合いと接近戦で攻撃手段を使い分けている。また、セラーニは左足の蹴りを使えることもあり、KJのKOパワーの源である大きな右へのダッキングを封じ込めることが可能だ。KJの射程距離に入ってなお、相手の力を出させない術をセラーニは持っていることになる。その一方で、名勝負男らしくダメージの蓄積という面はぬぐえないのも事実。KJの一発が命取りになる――ことも十分に考えられる。鉄のハートとガラスのアゴを持ったセラーニが、テイクダウンの仕掛けも含め、どのように試合を組み立てるのか、勝負の軸は彼にある。
■UFC160「Velasquez vs. Bigfoot 2」対戦カード
<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ケイン・ヴェラスケス(米国)
[挑戦者]アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)
マーク・ハント(ニュージーランド)
<ライトヘビー級/5分3R>
グローバー・テイシェイラ(ブラジル)
ジェイムズ・テフナ(豪州)
<ライト級/5分3R>
グレイ・メイナード(米国)
TJ・グラント(カナダ)
<ライト級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
KJ・ヌーン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
マイク・パイル(米国)
リック・ストーリー(米国)
<フェザー級/5分3R>
デニス・ベルムデス(米国)
マックス・ホロウェイ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
コルトン・スミス(米国)
ロバート・ワイッタカー(豪州)
<ライト級/5分3R>
カビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)
エイブル・トゥルージロ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ナフション・バレル(米国)
<バンタム級/5分3R>
ブライアン・ボウルズ(米国)
ジョージ・ループ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス(米国)
エステファン・パーヤン(米国)