【Glory23】予想外の苦戦もホルツケンがダニエルズを下し、世界ウェルター級王座奪取
【写真】序盤は思いもしない苦戦を強いられたホルツケンだったが、大方の予想通り王座に就いた(C)GLORY SPORTS INTERNATIOANL / JAMES LAW
7日(金・現地時間)アメリカ・ネヴァダ州ラスベガスはハードロックホテル&カジノにてGlory23が開催された。今大会のメインイベントはニキー・ホルツケンとレイモンド・ダニエルズによるGlory世界ウェルター級王座決定戦。ホルツケンは今年2月のGloy19でウェルター級挑戦者決定トーナメントを勝ち抜き、王者ジョセフ・バルテリーニへの挑戦権を獲得。しかしバルテリーニが頭部のダメージによるドクターストップがかかったため、ホルツケンとダニエルズの間で王座決定戦が争われる形になった。
2月の対戦ではホルツケンがダニエルズから合計4度のダウンを奪ってKO勝利。ホルツケンが徹底してプレッシャーをかけ続けて距離を潰し、ダニエルズに回転系の蹴りを繰り出す間合いを作らせず、主導権を握り続けた。ホルツケン圧勝から約半年ぶりの再戦とあって、ホルツケン圧倒的有利が予想されたが、先にペースを掴んだのはダニエルズの方だ。
1R、サウスポーに構えたダニエルズは左右にステップして右フックと前蹴り。いつものように回転技は多用せず、パンチ主体で試合を組み立てる。ホルツケンもインローを蹴って前に出るが、ダニエルズは右手をダラリと下げた構えからジャブを突き、ロープやコーナーに詰まっても右手を下げたL字ガードでホルツケンのパンチを空振りさせて、ホルツケンを翻弄した。
2Rに入るとダニエルズはバックスピンキックのモーションを見せつつ、それをフェイントに左ストレート・右フックをヒットさせる。ホルツケンはロープを背負うダニエルズに強烈なボディブローで反撃に転じるが、ダニエルズも右フックを叩き込んでホルツケンの足を止める。
ややダニエルズのペースで試合が進む中、3R開始のゴングが鳴ると、ホルツケンがダニエルズをコーナーに詰めてボディからパンチのコンビネーションをまとめる。そして右ボディのフェイントから右フック、飛びヒザ蹴りと畳みかける。これでダニエルズが左まぶたをざっくりとカットし、たまらず後退。ホルツケンはすぐにダニエルズを追いかけ、右フックと右ヒザ蹴りで猛攻し、ロープにもたれるダニエルズに左フックを叩き込む。
ここでダニエルズの動きが止まり、ホルツケンはぱっくりと開いダニエルズの傷口を指差してレフェリーのビッグ・ジョン・マッカーシーにアピール。マッカーシーはダニエルズのダメージと傷口の状態を見て、試合を止めた。
回転系を多用せずパンチ勝負でホルツケンを苦しめたダニエルズだったが、ホルツケンのプレッシャーを凌ぎ切れず。逆にホルツケンは苦しみながらも、ここぞという時の爆発力でダニエルズを返り討ちにし、ゲストのビル・ゴールドバーグからベルトを巻かれた。
またミドル級次期挑戦者トーナメントでは、UFC・ベラトールに参戦していたMMAファイターのダスティン・ジャコビーがパンチとヒザ蹴りのコンビネーションで2連続KO勝利し、見事に優勝を果たしている。
■Glory 23 試合結果
<Glory世界ウェルター級王座決定戦/5分5R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
Def.3R1分36秒by TKO
レイモンド・ダニエルズ(米国)
<ミドル級トーナメント決勝/3分3R>
ダスティン・ジャコビー(米国)
Def.2R1分19秒by TKO
ケイシー・グリーン(米国)
<ヘビー級/3分3R>
エグザビアー・ヴィグニー(米国)
Def.2-1:30-27,28-29,29-28
ダニエル・サム(イギリス)
<ミドル級トーナメント準決勝/3分3R>
ケイシー・グリーン(米国)
Def.3-0:29-28,30-27,30-27
クイントン・オブライエン(米国)
<ミドル級トーナメント準決勝/3分3R>
ダスティン・ジャコビー(米国)
Def.1R2分59秒by KO
アリエル・セプルヴダ(米国)